商標拒絶査定不服審判
2022-010579
セカイイチレストラン、セカイイチ
- 審判番号
- 2022-010579
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-043862
- 請求日
- 2022年07月07日
- 審決日
- 2023年05月10日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社Office musubi
- 【請求人代理人】弁理士法人アルファ国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 石塚 利恵
- 分類
- T18 .16 -Z (W3043)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-43862拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年4月12日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年2月 7日付け:拒絶理由通知
令和4年3月 8日 :意見書の提出
令和4年5月17日付け:拒絶査定
令和4年7月 7日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「世界一レストラン」の文字を標準文字で表してなり、第30類「弁当」及び第43類「飲食物の提供,カフェテリアにおける飲食物の提供,レストランにおける飲食物の提供,ケータリング(飲食物),必要な人への食べ物の提供(慈善のためのもの)」を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「世界一レストラン」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「世界一」の文字は、「世界で第一であること。また、そのもの。」の意味を有する語として使用され、また、「レストラン」の文字は、「洋風の料理店。中華料理の店にもいうことがある。」の意味を有する語として広く使用されているものである。
そして、本願商標は、人の注意をひくように工夫した宣伝文句といえるものであって、格別要部として把握し得る部分があるとも認め難いことから、その意味合いを看取した需要者は、これをその取り扱いに係る特定の商品・役務について使用する商品・役務の識別標識と認識するというよりは、むしろ、飲食店業界で「世界で一番のレストラン」程の意味合いにおいて、「世界一レストラン」の語が一般的に使用されている実情があることから、出願人の取り扱っている商品・役務に関し、「世界で一番のレストラン」の商品・役務であることを端的に表現した宣伝広告の一種と認識し理解するとみるのが相当である。
そうすると、本願商標をその指定商品・指定役務に使用しても、需要者・取引者は、顧客の吸引、販売促進等のための宣伝広告の一類型を表示したものと理解するにとどまり、何人かの業務に係る商品・役務であることを認識できないものといえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
4 当審においてした審尋
当審において、請求人に対し、令和5年1月31日付けで、別掲1及び別掲2に示すとおりの用例を提示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当するとする旨の見解を示した審尋を発し、期間を指定して、これに対する回答を求めた。
5 審尋に対する請求人の意見
請求人は、前記4の審尋に対し、何ら意見を述べていない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、「世界一レストラン」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「世界一」の文字は「世界で最も優れていること」を意味する語として広く使用されており、また、「レストラン」の文字は「西洋料理店」の意味を有する語(「広辞苑 第七版」(岩波書店)から引用。)として親しまれているものであるから、本願商標は、全体として「(世界で最も優れている)世界一のレストラン」程の意味合いを容易に理解させるものである。
ところで、飲食物の提供を行う業界においては、「ラ・リスト」、「世界のベストレストラン50」、「ザガット・サーベイ」等のレストランガイドやアワードによって、世界のトップレストランが選出、発表されている実情があり(別掲1)、また、各種ガイド等によって1位に選出されたレストランを形容する際に、「世界一レストラン」や「世界一のレストラン」の文字が用いられている実情が見受けられる(別掲2、別掲3)。
そうすると、「世界一レストラン」の文字からなる本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「世界一のレストラン」の製造販売に係る商品、あるいは、「世界一のレストラン」の提供に係る役務であるという指定商品又は指定役務の特性、優位性、特徴を端的に表した宣伝文句として認識するにとどまり、商品若しくは役務の出所を表示する標識又は自他商品若しくは自他役務の識別標識として認識することはないというのが相当である。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、(a)「世界で一番のレストラン」程の意味合いでは、「世界一」「の」「レストラン」のように、二つの文字の間に「の」を入れて「世界で一番」であることを強調するのが自然である、(b)「世界一レストラン」が「世界で一番のレストラン」程の意味合いがあるとしても、「世界一」なる文字は、レストランにおける何の世界一であるかが明確でなく、その内容は極めて漠然としたものであるから、本願商標は、指定商品及び指定役務との関係において、その商品の説明、特性、優位性、品質や特徴を表すものとは言い難く、直接的、具体的な意味合いが認められない、あるいは、その役務の説明、宣伝、広告等を直接的、具体的に表したものとはいい難く、端的に表現した宣伝広告の一種として需要者に認識されるということはできない、(c)インターネットの検索エンジンで「世界一レストラン」を検索しても、「世界一レストラン」ではなく、「世界一のレストラン」を使用したwebページが検索されることから、「世界一レストラン」の語が一般的に使用されている実情があるとの原審の指摘は失当である旨主張する。
しかしながら、「世界一」及び「レストラン」の文字は、ともに広く親しまれた語であり、「世界一」と「レストラン」の両語を、格助詞「の」を挟まずに結合した態様によって、「世界一のレストラン」の表記とは別の語義や観念が生じるとみる特段の事情は見受けられないことに加え、飲食物の提供を行う業界においては、各種レストランガイドやアワードによって、世界のトップレストランが選出、発表されているところ、これら各種ガイド等によって1位に選出されたレストランを形容する際に、「世界一レストラン」の文字が、「世界一のレストラン」の文字の同義として用いられている実情があることは、上記(1)のとおりである。これらを考慮すると、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「世界一のレストラン」の製造販売に係る商品、あるいは、「世界一のレストラン」の提供に係る役務であるという意味合い以上のことを認識することはできないとみるのが相当であるから、格助詞「の」の有無によって、本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性の判断が左右されるものとはいえない。
イ 請求人は、本願商標を、既に多くのメディア等を通じて商標的に使用しており、独自の自他商品識別力を発揮している旨主張する。
しかしながら、審判請求書の記載によれば、2021年9月3日付け「朝日新聞」において、「「食のまち」へ 最後の機会」の見出しの下、請求人の創業者であるS氏が、2025年大阪・関西万博において「万博会期中には「世界一レストラン」を開きたい。」と発言していること、及び同月24日付け「日本経済新聞」において、「大阪の味を世界に発信」の見出しの下、S氏の同万博での「構想の一つが「世界一レストラン」の開設。」との記載があることは見受けられるものの、これらの新聞記事情報によれば、請求人による本願商標の使用は、未だ構想の域を出ていないものと認められる。
そうすると、本願商標の継続使用の実績や内容を十分に示す具体的なその他の証拠もないのであるから、本願商標が使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるに至ったものと認めることはできない。
ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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