商標拒絶査定不服審判
2022-010477
デジタルサンゲンシュギ、サンゲンシュギ
- 審判番号
- 2022-010477
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-019811
- 請求日
- 2022年07月05日
- 審決日
- 2023年11月24日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】オムロン株式会社
- 【請求人代理人】山田 卓二
- 【請求人代理人】田中 陽介
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 藤村 浩二
- 分類
- T18 .16 -Z (W0709)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-19811拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年2月19日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年12月2日付け:拒絶理由通知書
令和4年1月17日 :意見書の提出
令和4年4月1日付け :拒絶査定
令和4年7月5日 :審判請求書の提出
令和5年8月18日付け:証拠調べ通知書
令和5年9月29日 :意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「デジタル三現主義」の文字を標準文字で表してなり、第7類及び第9類に属する別掲1のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「デジタル三現主義」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「デジタル」の文字は「ある量またはデータを、有限桁の数字列(例えば2進数)として表現すること。」を表す文字として、また、「三現主義」の文字は、「『現場』・『現物』・『現実』の三つの現を重視すること」や、「”現場”、”現物”、”現実”3つの”現”を重視し、机上ではなく、実際に現場で現物を観察して、現実を認識した上で、問題の解決を図らなければならないという考え方」を表す文字として知られているので、本願商標全体より、「デジタル化しても三現主義を重視すること」や「デジタルでの三現主義」程の意味合いを理解させるものである。また、製造・生産現場においてデジタル化を推進しつつ三現主義に注視している実情が伺える。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に、前記意味合いの企業の製造・経営理念を表示したものと理解するにすぎず、自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきであり、本願商標は需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1号第6項に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審においてした証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、本願商標がその指定商品との関係において、同号に該当すると認めるに足りる事実を、新たに別掲2ないし別掲4のとおり発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、令和5年8月18日付けで、証拠調べの結果を通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
5 証拠調べに対する意見
請求人は、上記4の証拠調べ通知に対して、令和5年9月29日に意見書を提出し、要旨以下のように述べた。
(1)本願商標のように「デジタル」の語が考え方などを意味する語と組み合わされるのは非常にまれであり、本願商標は親和性のない語同士を組み合わせた点で独創的であり、取引者、需要者には請求人の識別標識として認知されていると解するべきである。
(2)別掲4に示されている事例は、三現主義の説明の近隣において「デジタル」の語が使用されている事例であって、デジタル化において三現主義が重要であることが明確に説明されているわけではない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、上記2のとおり、「デジタル三現主義」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「デジタル」の文字は「ある量またはデータを、有限桁の数字列(例えば2進数)として表現すること。」(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)を表す文字である。
また、別掲2に示すとおり、「三現主義」の文字は「現地(現場)・現物・現実が大切」の意味合いで、企業理念・経営方針等を表す語として一般に使用されている事実がある。加えて、別掲3に示すとおり、「デジタル」の文字が、企業理念・経営方針等を表す語として一般に使用されている事実がある。
さらには、別掲4に示すとおり、デジタル化の社会においても上記三現主義が重要であることを示している事実が認められる。
以上のことからすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「デジタル化の社会においても三現主義が重要である」の意味を表す企業理念・経営方針等を表示したものと理解するにすぎず、自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきであり、本願商標は需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1号第6項に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標のように「デジタル」の語が考え方などを意味する語と組み合わされるのは非常に稀であり、本願商標は親和性のない語同士を組み合わせた点で独創的であり、取引者、需要者には請求人の識別標識として認知されていると解するべきである旨等を主張する。
しかしながら、別掲4の事例に照らせば、デジタル化の社会において「デジタル」と「三現主義」を組み合わせることの重要性がうたわれていることが認められるから、単に「デジタル」の語と「三現主義」の語を組み合わせることが極めて独創的であるとはいえないとみるのが相当であり、上記(1)のとおり、本願商標に接する需要者、取引者は、「デジタル化の社会においても三現主義が重要である」の意味を表す企業理念・経営方針等を表示したものと理解するものというべきである。
したがって、請求人の主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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