商標拒絶査定不服審判
2022-010313
クボタギンジョーサケカス、クボタ、ギンジョーサケカス
- 審判番号
- 2022-010313
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-127770
- 請求日
- 2022年07月04日
- 審決日
- 2023年02月07日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】朝日酒造 株式会社
- 【請求人代理人】吉井 剛
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 淳
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 石塚 利恵
- 分類
- T18 .16 -WY (W30) / T18 .272-WY (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-127770拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年10月15日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年10月11日付け:拒絶理由通知
令和3年11月24日 :意見書、手続補足書、手続補正書の提出
令和4年 3月31日付け:拒絶査定
令和4年 7月 4日 :審判請求書、手続補足書の提出
2 本願商標
本願商標は、「久保田 吟醸酒粕」の文字を横書きしてなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願され、その後、本願の指定商品については、前記1の手続補正により、第30類「清酒の醸造工程で抽出される食用酒かす」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「久保田 吟醸酒粕」の文字を横書きしてなるところ、その構成中の「久保田」の文字は、「姓氏の一。」として辞書に記載されており、同種の氏が多数存在するから、ありふれた氏の一つと理解されるものである。また、その構成中の「吟醸酒粕」の文字は、補正後の指定商品との関係では、商品の品質を表すものである。
そうすると、本願商標を補正後の指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、「ありふれた氏である久保田氏の清酒の醸造工程で抽出される食用酒かす」を認識するにとどまるというのが相当である。
また、本願の指定商品について、「久保田」の文字が使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものというべき取引の実情は見当たらない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審の判断
(1)本願商標は、前記2のとおり、「久保田 吟醸酒粕」の文字を横書きしてなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで、外観上まとまりよく一体に表されているものである。
(2)本願商標の構成中、「吟醸」の文字は「酒・醤油・味噌などを、吟味した原料を用いて念入りに醸造すること」の意味を、「酒粕」の文字は「清酒の醸造に際し、もろみをしぼったあとに残ったかす」の意味をそれぞれ有する語(いずれも「広辞苑 第七版」岩波書店)として、我が国において親しまれているものであるところ、当審において提出された甲第36号証ないし甲第87号証によれば、清酒を取り扱う業界における「日本酒ランキング」上位50位までの酒造会社(請求人を含む。)中、44社の酒造会社が、「清酒」の関連商品として、各清酒の銘柄を付した「酒粕」を製造販売し、当該「酒粕」の広告宣伝を行っている実情が認められる。そうすると、「清酒」の醸造過程で得られる副産物である「酒粕」は、清酒と深い関連を有し、両者の取引者、需要者が重なる部分がある商品であるといえる。
(3)本願商標の構成中、「久保田」の文字は、各種辞書において「姓氏の一つ。」と記載され(別掲1参照)、複数の書籍やウェブサイトにおいて、全国で121番目ないし127番目に多い名字として紹介されている(別掲2参照)ことから、同種の氏が多数存在するありふれた氏の一つであるといえるものの、上記(2)のとおり、本願の指定商品と深い関連を有する「清酒」との関係からすると、本願商標の取引者、需要者は、当該「久保田」の文字は、請求人の取扱いに係る商品「清酒」に使用して、著名な商標(商標登録第5621851号、甲34)であると理解、認識するとみるのが相当である。
(4)当審において職権をもって調査するも、本願の指定商品を取り扱う業界において、請求人以外の者が「久保田 吟醸酒粕」の文字を使用している事実を発見することはできなかったことに加え、本願の指定商品の取引者、需要者が当該文字を自他商品の識別標識とは認識しないというべき事情も発見できなかった。
(5)これらの実情を踏まえて本願商標をみると、「久保田 吟醸酒粕」の文字からなる本願商標を、その指定商品である「清酒の醸造工程で抽出される食用酒かす」に使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、「請求人の取扱いに係る商品「清酒」に使用して、著名な「久保田」の醸造工程で抽出される食用の吟醸酒かす」を認識させるものであるから、十分に自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当であり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標ではなく、また、商品の品質の誤認を生ずるおそれもない。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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