審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
商標拒絶査定不服審判

2022-010135

ウルオイタイケン

審判番号
2022-010135
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2020-127659
請求日
2022年06月30日
審決日
2023年05月08日
公報発行日
2023年07月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】小林製薬株式会社
  • 【請求人代理人】高梨 範夫
審判長/審判官
  • 審判長 大森 友子
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 石塚 利恵
分類
T18 .16 -Z (W03)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法3条1項6号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2020-127659拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和2年10月15日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年10月29日付け:拒絶理由通知 令和3年12月14日 :意見書の提出 令和3年12月15日 :手続補足書の提出 令和4年 3月28日付け:拒絶査定 令和4年 6月30日 :審判請求書、手続補足書の提出 2 本願商標 本願商標は、「うるおい体験」の文字を標準文字で表してなり、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,口中清涼剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,入れ歯洗浄剤,歯磨き,化粧品,薫料,香料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要点) 本願商標は、「うるおい体験」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「うるおい」の文字は「水気を帯びること。しめり。」程の意味を、「体験」の文字は「自分が身をもって経験すること。」程の意味を有する語である。 そして、本願の指定商品を取り扱う業界においては、「うるおい体験」の文字が、「保湿による肌のうるおい効果が体験できる商品」に使用され、販売取引されている実情が確認できる。 そうすると、本願商標をその指定商品中「保湿(うるおい)効果を有する商品」、例えば「せっけん類」「化粧品」等に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が「保湿(うるおい)効果が体験できる商品」であること、すなわち、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと認識するというべきである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。 4 当審においてした審尋 当審において、審判長は、請求人に対し、令和5年1月16日付けで、別掲2に示すとおりの用例を提示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当するとする旨の見解を示した審尋を発し、期間を指定して、これに対する回答を求めた。 5 審尋に対する請求人の意見の要点 請求人は、前記4の審尋に対し、令和5年2月24日付け回答書及び手続補足書を提出し、要旨以下のように主張した。 (1)本願商標の全体から「うるおいを体験する」程の意味合いを生ずることに、請求人も異論はない。しかし、この意味合いは、単に「うるおい」の文字と「体験」の文字を列挙したにすぎず、本願商標が有している意味合いを一面的にしか捉えていない。 各種国語辞典(甲1~甲3)によれば、「うるおい」に相当する動詞「うるおう」の文字は、単に「水分を帯びる。」の意味合いばかりでなく、「利益、恩恵または恵みをうける」、「豊になる。ゆとりができる。」といった意味合いがある。したがって、本願商標全体から、審尋において指摘される意味合いのみならず、「利益、恩恵または恵みをうけることを自分が身をもって経験する」、「利益、恩恵または恵みを教授する経験」、「豊になったり、ゆとりができることを自分が身をもって経験する」又は「豊になったり、ゆとりができる経験」程の意味合いをも容易に想起させる。本願商標は、このような意味合いを暗示させる一種の造語である。 本願商標の暗示的な意味合いを認識しつつ、本願商標の使用に係る商品を実際に購入・使用した取引者・需要者は、商品の品質に満足すると、同商品が価値ある商品であるとの好印象とともに、上記のような暗示的な意味合いを内包する本願商標を強く記憶に留め、結果として、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たすものである。 (2)原審において示された例用例、及び、審尋に示された例用例では、商品を紹介・説明する記事において、「うるおい体験」の文字は、商品の識別標識と位置づけられる文字や図形ではなく、商品の品質その他の特徴を説明する文字とともに用いられているにすぎない。一方、請求人は、本願商標をその指定商品中、第3類「せっけん類,化粧品」に使用するに際して、商標法の本来の趣旨に適うように、本願商標を商標(すなわち、自他商品の識別標識)として機能するように使用する。このように本願商標を使用することにより、これに接する取引者、需要者は、本願商標を商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識であると十分に認識するものである。 6 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第6号該当性について 本願商標は、前記2のとおり、「うるおい体験」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「うるおい」の文字は「水気を帯びること。しめり」等の意味を、「体験」の文字は「自分が身をもって経験すること。また、その経験」を意味する語(いずれも「広辞苑 第七版」(岩波書店)から引用。)として、それぞれ我が国において広く親しまれているものであることから、全体として「うるおいを体験する」程の意味合いを容易に理解させるものである。 ところで、原審において示した使用例(別掲1)に加えて別掲2に示す使用例のように、本願の指定商品中の第3類「せっけん類,化粧品」を取り扱う業界において、「うるおい体験」の文字は、各社取扱のうるおい感を特長とする商品を使用することにより、需要者が当該商品の「うるおい(感)を体験する」程の意味合いで、これらの商品に対する需要者の購買意欲を高める語として、宣伝、広告等を行う際に一般に広く用いられている実情がある。 そうすると、「うるおい体験」の文字からなる本願商標をその指定商品中、第3類「せっけん類,化粧品」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「使用することにより、うるおい(感)を体験する(できる)商品である」といった、商品の特性や優位性を簡潔に表示し、うるおい感を特長とする商品の宣伝、広告等を行う際に一般に広く用いられている語として認識するにとどまり、商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識することはないというべきである。 してみれば、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であり、商標法第3条第1項第6号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、「うるおい」に相当する動詞「うるおう」の文字には複数の意味があることから、本願商標は、審尋において指摘される意味合いのみならず、「利益、恩恵または恵みをうけることを自分が身をもって経験する」、「豊になったり、ゆとりができることを自分が身をもって経験する」等の意味合いを暗示させる一種の造語であるとし、需要者は、暗示的な意味合いを内包する本願商標を強く記憶に留めることから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たす旨主張する。 しかしながら、本願商標は、請求人も自認するとおり、構成文字全体として「うるおいを体験する」程の意味合いを理解させるものであり、また、本願の指定商品中の「せっけん類,化粧品」を取り扱う業界において、「うるおい体験」の文字が、うるおい感を特長とする商品の宣伝、広告等を行う際に一般に広く用いられている実情を踏まえると、本願商標に接する需要者は、「使用することにより、うるおい(感)を体験する(できる)商品である」といった、商品の特性や優位性を簡潔に表示し、うるおい感を特長とする商品の宣伝、広告等を行う際に一般に広く用いられている語として認識するにとどまるというべきである。 イ 請求人は、本願商標を「せっけん類,化粧品」に使用する際に、本願商標を商標として機能するように使用するため、これに接する取引者、需要者は、本願商標を商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識であると十分に認識する旨主張する。 しかしながら、本願商標の使用態様に係る請求人の意図に関わらず、別掲1及び別掲2で示した実情を踏まえると、本願商標に接する需要者は、その指定商品(せっけん類,化粧品)との関係から、商品の宣伝、広告等を行う際に一般に広く用いられている語として認識する蓋然性が高いと判断するのが相当である。 ウ 請求人は、構成中に「うるおい」又は「体験」を含む過去の商標登録例を掲げて、本願商標も登録すべきである旨を主張する。 しかしながら、登録出願に係る商標が自他商品の識別標識として機能し得るか否かは、査定時又は審決時における取引の実情を勘案して、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであるから、他の登録例に本件の判断が拘束されるものではない。 エ したがって、上記請求人の主張は、いずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであって、登録することができない。 なお、原査定においては、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨認定、判断しており、当審の認定、判断とは相違する点はあるものの、本願商標の構成及び本願の指定商品に基づき、取引の実情等を総合勘案したときに、本願商標が自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものとする点を共通にするものであるから、原査定と当審の認定、判断との間に実質的な差異はない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2022-010135

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存