商標拒絶査定不服審判
2022-009905
ウイスキーノサカナフォーウイスキー、ウイスキーノサカナ、サカナ
- 審判番号
- 2022-009905
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-029558
- 請求日
- 2022年06月28日
- 審決日
- 2023年06月13日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ロイズコンフェクト
- 【請求人代理人】清水 定信
- 【請求人代理人】山本 龍郎
- 【請求人代理人】山本 彰司
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 石塚 利恵
- 分類
- T18 .13 -Z (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-29558拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年3月12日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年12月16日付け:拒絶理由通知
令和4年 1月26日 :意見書の提出
令和4年 3月28日付け:拒絶査定
令和4年 6月28日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第30類に属する別掲2のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「ウイスキーの肴」及び「for Whisky」の文字を上下二段に表してなるところ、その構成中、「ウイスキー」の文字は、「大麦・ライ麦・トウモロコシなどを麦芽で糖化し、酵母を加えて発酵させ、蒸留した酒。」の意味を有する「ウィスキー【whisk(e)y】」に通じる語であり、「肴」の文字は、「酒を飲む時に添えて食う物。」の意味を有する語であり、「for Whisky」の文字は、「ウイスキーのための」ほどの意味合いを理解させるものである。
そして、食品業界において、「酒の肴」、「酒肴」などの語が、一般に広く使用されており、ウイスキーに合うおつまみなどが広く紹介されている実情がある。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「ウイスキーを飲むときに添える商品」ほどの意味合いを認識するにとどまるというのが相当であり、本願商標は、商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 当審においてした証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲3及び別掲4に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条の規定に基づき、その結果を令和5年3月6日付け証拠調べ通知書によって請求人に通知し、意見を求めた。
5 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要点
(1)「酒の肴」などには「音楽」「匂い(風味)」など、形のあるものから、無形のものまで幅広い多くのものが「○○の肴」として捉えられる可能性も否定できない。
(2)本願商標の構成中の「for Whisky」の意味合いは「~のための,~にふさわしい」であり、本願商標は「ウイスキーの肴のため(ふさわしい)」と明確に記載されているため「ウイスキー」のみであり、「酒の肴」「シャンパンの肴」「ワインの肴」等とは需要者は混同することはない。
(3)「ウイスキーの肴」の用例について、「スモークチーズ」「ビーフジャーキー」「炒飯」などに合うものであるとあるため、本願と指定商品の違いはあるが、広く使用されていることも否めない。しかし、本願商標は「ウイスキーの肴のため(ふさわしい)」と明確に記載されているため「ウイスキー」のみであり、取引者や需要者が混同するおそれはない。
(4)証拠調べの用例があるのも事実であるが、ネット上で「ウイスキーの肴」と検索すればいくつかの事例はでてくるのではないか。これらの事例は、商品ではなく「説明」程度である。しかし、ネット上で検索すると、真っ先に請求人の商品である「ウイスキーの肴」があり、証拠調べの用例とはかっきり識別できて、本願商標は自他商品識別機能を有し、取引先・需要者など何人の業務にかかる商品であるかを十分認識することができるものというべきである。また、具体的に物品等のどのような品質を表す文字であるかを断定することはできず、そうすれば、本願商標は特定した意味を把握することのできない一種の造語からなる商標である。
(5)請求人は、商品の販売にあたり、本願商標を独自に創案した。本願商標全体からは、第30類の自他商品の識別標識としての機能を果たし、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができる商標である。また、本願商標が普通に使用されている事実はなく、需要者が何人かの業務に係る商標として、これを独占使用しても何ら公益に反するわけではない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、「ウイスキーの肴」の文字と「for Whisky」の文字とを上下二段に横書きしてなるところ、その構成中、上段の文字は、「大麦・ライ麦・トウモロコシなどを麦芽で糖化し、酵母を加えて発酵させ、蒸留した酒。」の意味を有する「ウィスキー【whisk(e)y】」に通じる「ウイスキー」の文字と、「酒を飲む時に添えて食う物。」の意味を有する「肴」の文字(いずれも「広辞苑 第七版」岩波書店)とを、格助詞「の」で連結したものであり、下段の文字は、「ウイスキーのための」ほどの意味合いを理解させる「for Whisky」の文字から構成されるものであるから、全体として「ウイスキーを飲む時に添えて食べる物、ウイスキー用の商品(又は肴)」ほどの意味合いを容易に理解させるものである。
ところで、本願の指定商品を含む食品を取り扱う業界においては、別掲3に示すように、各種アルコール飲料に合う食品を表す際に「○○の肴」(○○には、各種アルコール飲料名が入る。)の文字を用いることがあり、また、別掲4に示すように、ウイスキーに合う食品を表す際に「ウイスキーの肴」の文字を用いる場合もあるというのが実情である。
加えて、本願は、別掲2のとおり、その指定商品を「ウイスキーに適したもしくはウイスキーを加味したチョコレート」のように、「ウイスキーに適したもしくはウイスキーを加味した□□」(□□は商品名)とするものである。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「ウイスキーを飲む時に添えて食べるウイスキー用の商品」であること、すなわち、商品の品質、用途を記述的に表したものとして理解、認識するにとどまり、商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識することはないとみるのが相当である。
また、本願商標を構成する要素(書体、二段書き)は、取引上、普通に採択されている程度のものであるから、本願商標の態様は、普通に用いられる方法の域を脱しない方法で表示するものである。
したがって、本願商標は、商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「酒の肴」などには「音楽」「匂い(風味)」など、形のあるものから、無形のものまで幅広い多くのものが「○○の肴」として捉えられる可能性も否定できない旨主張する。
しかしながら、本件において検討すべきは、「ウイスキーの肴」の文字を構成中に有する本願商標がその指定商品に使用された場合に、取引者、需要者によって、商品の品質等を表示したものと一般に認識されるか否かであるから、指定商品との関係を考慮せず言葉の一般的用法を述べる当該主張は、前提において適切でない。
イ 請求人は、本願商標はその構成中に「for Whisky」の文字を含むことから、本願商標は「ウイスキーの肴のため(ふさわしい)」と明確に記載されているため「ウイスキー」のみであり、「酒の肴」「シャンパンの肴」「ワインの肴」等とは需要者は混同することはない旨主張する。
しかしながら、上記4の証拠調べ通知において、各種アルコール飲料に係る「○○の肴」の用例を提示したのは、食品業界の一般的な取引の実情をもって、本願商標をその指定商品に使用した場合における取引者、需要者の認識を推し量るためである。そして、請求人も「本願商標は「ウイスキーの肴のため(ふさわしい)」と明確に記載されている」と述べるとおり、本願商標を構成する文字及び食品業界における取引の実情を踏まえると、本願商標は、その指定商品との関係においては、その構成全体をもって「ウイスキーを飲む時に添えて食べるウイスキー用の商品」として一般に認識され、商品の品質、用途を表示したものとして理解、認識されるというべきであること、上記(1)のとおりである。
ウ 請求人は、本願商標について、具体的にどのような品質を表すかを断定することはできず、特定の意味を把握できない一種の造語からなる商標であって、第30類の自他商品の識別標識としての機能を果たすものであり、これを独占使用しても何ら公益に反するわけではない旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標は、これを構成する各語の意味や食品業界における用法の実情を踏まえると、本願の指定商品との関係においては、その構成全体をもって「ウイスキーを飲む時に添えて食べるウイスキー用の商品」として一般に認識され、商品の品質、用途を表示したものとして理解、認識されるというべきであって、「ウイスキーの肴」及び「for Whisky」の文字が特定の意味を把握できない一種の造語として認識されるものとはいえない。
エ したがって、上記請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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