商標拒絶査定不服審判
2022-009774
ルモンカーメル、ルモンカルメル、モンカーメル、モンカルメル、モン、モント、カーメル、カルメル
- 審判番号
- 2022-009774
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-113450
- 請求日
- 2022年06月25日
- 審決日
- 2024年05月09日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】戸崎 勝行
- 【請求人代理人】鶴若 俊雄
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 山田 啓之
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T18 .22 -WY (W18)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項7号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第7号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-113450拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「LE MONT CARMEL」の欧文字を標準文字で表してなり、第18類「かばん金具,がま口口金,蹄鉄,毛皮,皮革製包装用容器,ペット用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」を指定商品として、令和3年9月10日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年11月4日付けで拒絶理由の通知がされ、同4年1月18日に意見書が提出されたが、同年4月5日付けで拒絶査定がされ、これに対して、同年6月25日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、「LE MONT CARMEL」の欧文字を表してなり、当該文字は、イスラエル国にある「カルメル山」のフランス語表記であり、カルメル山は、2012年に登録された世界遺産である「人類の進化を示すカルメル山の遺跡群:ナハル・メアロット(ワディ・エル=ムガーラ)の洞窟群」がある場所であり、世界遺産は、世界遺産条約に従い「顕著な普遍的な価値」を有するものとして選定され、これを保護する義務が同条約の締約国に生じるものであり、我が国も世界遺産条約の締約国になっている。そうすると、世界遺産として登録された遺跡を認識させる本願商標について、一私人である出願人に登録を認め、その指定商品について使用をする権利を専有させることは、これを人類全体のための世界の遺産として保護・保存する活動を行ってきたユネスコやイスラエル国の権威・尊厳を害し、かつ、イスラエル国を含む世界遺産条約の締約国の国民の感情を害するおそれがあり、加えて、我が国とイスラエル国及び世界遺産条約の締約国の友好関係にも影響を及ぼしかねず、国際信義にもとるおそれもある。したがって、本願商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標であるから、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「LE MONT CARMEL」の欧文字を標準文字で表してなるものであり、その構成中「LE」の文字(語)はフランス語の定冠詞であり、また、「MONT」の文字(語)は「山」を、「CARMEL」の文字(語)は「パレスチナの山Carmel。カルメル会修道院。」を意味するものとしてフランス語の辞書に載録されているものである(株式会社旺文社発行「旺文社ロワイヤル仏和中辞典[第2版]」)。
また、地名辞典において、「カルメル山 Carmel, Mount」が「イスラエル北西部の岩山。・・・“近東のナポリ”と呼ばれ、景観は美しい。預言者エリヤの僧院がある。・・・南麓の洞穴でネアンデルタール人の化石を発見。」として載録されている(株式会社三省堂発行「コンサイス外国地名事典<第3版>」)。
そうすると、「LE MONT CARMEL」の文字は、イスラエル国の山である「カルメル山」をフランス語により表記したものといえる。
また、原審において示した証拠及び職権による調査によれば、イスラエル国の世界遺産(文化遺産)として2012年に「人類の進化を示すカルメル山の遺跡(群):ナハル・メアロット/ワディ・エルムガーラ渓谷の洞窟群」が登録され、当該世界遺産(文化遺産)は、カルメル山西側斜面にある渓谷の4つの洞窟であることが認められる。
そうすると、世界遺産として登録されたものは、カルメル山それ自体ではなく、カルメル山西側斜面にある渓谷の洞穴群であるといえる。
さらに、「LE MONT CARMEL」の文字が、当該世界遺産(文化遺産)を指称するものというべき事情は見いだせず、当該世界遺産(文化遺産)を認識させるというべき事情も見いだせない。
してみると、「LE MONT CARMEL」の文字からなる本願商標は、当該世界遺産(文化遺産)を表したものということはできず、当該世界遺産(文化遺産)を認識させるものということもできない。
したがって、本願商標を登録することが、ユネスコやイスラエル国の権威・尊厳を害するとはいえず、世界遺産条約の締約国の国民の感情を害するおそれがあるともいえず、国際信義に反するおそれがあるともいえない。
他に、本願商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものというべき事情は見いだせない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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