商標拒絶査定不服審判
2022-009714
ミエルオサポートシマス、ミエル、オサポートシマス
- 審判番号
- 2022-009714
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-007951
- 請求日
- 2022年06月23日
- 審決日
- 2023年10月03日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社シード
- 【請求人代理人】吉澤 大輔
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 茂木 祐輔
- 分類
- T18 .16 -Z (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-7951拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「「見える」をサポートします」の文字を標準文字で表してなり、第5類、第9類、第10類及び第35類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和3年1月25日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年10月25日付けで拒絶理由の通知がされ、同年12月3日に意見書が提出されたが、同4年3月22日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して令和4年6月23日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものであり、指定商品及び指定役務については、審判請求と同日に提出された手続補正書により、第9類「コンタクトレンズ,コンタクトレンズケース,眼鏡,眼鏡用レンズ,眼鏡用枠,眼鏡ケース,眼鏡の部品及び附属品,焦点深度拡張型コンタクトレンズ,焦点深度拡張型眼鏡用レンズ,動物用コンタクトレンズ,動物用コンタクトレンズケース,測定機械器具,巻尺,物指し,定規(測定器具)」と補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「「見える」をサポートします」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「見える」の文字部分は、「見る能力がある」等の意味を有し、「を」の文字部分は、助詞であり、「サポート」の文字部分は、「支えること。助け。」等の意味を有し、「します」の文字部分は、助動詞であると理解されるから、全体として、「見る能力を支える」ほどの意味合いを認識させる。そして、本願商標の指定商品及び指定役務に関連する業界において、特に、眼鏡やコンタクトレンズ等について、「見ることをサポートする商品」として一般的に取引されている様子が見受けられ、そのような商品とともに、「見ることをサポートする役務」も提供されている実情が見受けられる。そうすると、本願商標をその指定商品・指定役務中、「見ることをサポートする商品・役務」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の品質・役務の質を表したものと認識するにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における審尋
当審において、令和5年2月22日付け審尋により、別掲1ないし別掲3に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
第4 審尋に対する請求人の回答
請求人は、前記第3の審尋に対し、令和5年4月5日に回答書を提出し、要旨以下のとおり意見を述べた。
(1)「「見える」の語は、目に映る。目で確認できる。」(例:山が見える)、「見ることができる。」(例:目が見える。)又は「判断される。見受けられる。そのように感じられる。」(例:高校生に見える。)などの意味合いを持つ語であって、捉え方は様々である。
(2)「私はテレビを見る。」のように、「見る」がヲ格目的語を取るのが一般的なのに対し、「見える」はヲ格目的語を取らないものであり、「見る」と「見える」、ひいては、「「見る」を~」と、「「見える」を~」とでは、需要者に与える印象が全く異なる。
(3)上記(1)及び(2)から、本願商標からは漠然とした印象を与えるにすぎず、本願商標は経営方針や商品の優位性等を表す宣伝広告を認識させるものではない。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、上記第1のとおり、「「見える」をサポートします」の文字を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であると認められる。そして、その構成中、「見える」の文字は、「自然に目にうつる。目に入る。見る能力がある。(他から)見られる。」等の意味を有し、「を」の文字は、格助詞として「体言またはそれに準ずるものを受ける」語であり、「サポート」の文字は、「支えること。支持。支援。」等の意味を有する広く一般に親しまれた語であり、また、「します」の文字は、「動作・作用が現れる意」や「行動をおこす意」を表す「する」の丁寧語であって、「他の語と複合して動詞をつくる」語(いずれも「広辞苑第七版」)である。
また、本願商標の構成態様は、「見える」の文字をかぎ括弧でくくった文字と、「サポートします」の文字を、格助詞の「を」で結合したものと容易に認識されるものであって、「サポートします」の目的語が「見える」であることは明らかであり、また、本願の補正後の指定商品との関係において、「見える」の文字が、「見る能力がある」の意味合いで理解されるものであることも明らかであるから、全体として、「見る能力をサポートする」、すなわち「目がよく見えるようにサポートする」ほどの意味合いを容易に理解させるものである。
さらに、別掲1ないし別掲3のとおり、本願の補正後の指定商品を取り扱う業界や、本願の指定商品中「コンタクトレンズ,眼鏡,眼鏡用レンズ」等と特に密接な関係にある眼科医療の業界において、本願商標の構成文字に通じる「見えるをサポートします」等の文字が、「目がよく見えるようにサポートする」ほどの意味合いをもって、眼鏡店や眼科医等、事業者の事業方針、抱える理念や想い等を表すフレーズとして、又は商品が有する優位性や品質等からもたらされる価値を伝えるためのフレーズとして、多くの事業者によって使用されている実情が見受けられる。
してみれば、本願商標の構成文字に通じる「見えるをサポートします」等の文字は、「目がよく見えるようにサポートする」といった事業者の事業方針、抱える理念や想い、すなわち、企業理念、経営方針等を表示したもの、又は、商品が有する優位性や品質等から提供される価値を伝えるための宣伝広告の文句として、一般に使用されているものとして認識させるものというのが相当である。
そうすると、「見えるをサポートします」の構成文字のうち、「見える」にかぎ括弧を付したに過ぎない、「「見える」をサポートします」の文字からなる本願商標を、本願の補正後の指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、「目がよく見えるようにサポートする」旨の企業理念、経営方針、あるいは、本願の指定商品の品質、特徴等を簡潔に表示した商品の宣伝広告を表したものと認識するにとどまり、特定の事業者の業務に係る出所識別標識として認識し得ないというべきであるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、「見える」の語は、「目に映る。目で確認できる。」(例:山が見える)、「見ることができる。」(例:目が見える。)又は「判断される。見受けられる。そのように感じられる。」(例:高校生に見える。)などの意味合いを持つ語であって、捉え方は様々であること、「「見える」を~」と「「見る」を~」とでは印象が異なるから、本願商標からは漠然とした印象を与えるにすぎず、本願商標は経営方針や商品の優位性等を表す宣伝広告を認識させることはない旨主張する。
しかしながら、本願商標は、その構成態様からも意味合いは明確である上、補正後の指定商品を取り扱う業界等に使用状況からすれば、上記1のとおり、事業者の理念、経営方針又は商品の宣伝広告を表すものと判断するのが相当である。また、補正後の指定商品中の「コンタクトレンズ,眼鏡,眼鏡用レンズ」等が、「目がよく見える」ようにするための商品であることからすれば、上記指定商品に際して使用される「見える」の文字から「目がよく見える(見る能力がある)」の意味合いを認識させることは自然なことであり、むしろ、それ以外の意味合い(目に映る、判断される、等)を想起されることの方が不自然というべきである。
したがって、請求人の上記主張を採用することはできない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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