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商標拒絶査定不服審判

2022-009454

デジタルファクトリー、ファクトリー

審判番号
2022-009454
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2020-121352
請求日
2022年06月21日
審決日
2023年06月28日
公報発行日
2023年09月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社ゼネテック
  • 【請求人代理人】野中 剛
審判長/審判官
  • 審判長 小松 里美
  • 審判官 鈴木 雅也
  • 審判官 藤村 浩二
分類
T18 .13 -Z (W0942) / T18 .272-Z (W0942)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2020-121352拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和2年10月1日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年9月29日付け:拒絶理由通知書 令和3年11月2日 :意見書の提出 令和4年3月25日付け:拒絶査定 令和4年6月21日 :審判請求書、手続補正書の提出 2 本願商標 本願商標は、「デジタルファクトリー」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第16類、第35類、第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、上記1の手続補正により、別掲1のとおりの商品及び役務に補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は「デジタルファクトリー」の文字からなるものであって、当該文字は、製造業等の工場のデジタルトランスフォーメーションを取り扱う業界において「現実世界の工場から取得したデジタルデータを元にした仮想上の工場であって、前記データの解析により現実世界の工場の作業シミュレーションができるもの」を意味するものとして使用されている。よって、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、第9類又は第42類の指定商品又は指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記「デジタルファクトリー」に関する商品又は役務であること、すなわち、単に商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきであり、また、前記商品及び役務以外の第9類の商品又は第42類の役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 4 当審における証拠調べ 当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権により証拠調べを実施した結果、別掲2及び別掲3に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し令和5年3月17日付けで証拠調べ通知書を通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。 5 証拠調べ通知書に対する請求人の意見の要旨 請求人は、上記4の証拠調べ通知書に対し、令和5年4月11日に意見書を提出し、要旨、以下(1)及び(2)のとおりの意見を述べた。 (1)証拠調べ通知書に示された証拠における各使用例からは、結論として「“何をどうしたモノ”若しくは“何をどうするコト”がデジタルファクトリーであるのか」を導きだせるような明確な定義は読み取れず、それがデジタルファクトリーの定義として一般的なものとして世間一般で定着しているとはいえない。 (2)本願商標が、仮に「現実世界の工場から取得したデジタルデータを元にした仮想上の工場であって、前記データの解析により現実世界の工場の作業シミュレーションができるもの」の意味合いを認識させるものであったとしても、現在の本願商標の指定商品及び指定役務に、「仮想上の工場」とか「リアルとデジタルを融合した工場」に関連するもの、及びこれらと混同するような指定商品又は指定役務はない。 6 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本願商標は、上記2のとおり「デジタルファクトリー」の片仮名を標準文字で表してなるところ、その構成文字を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであることは明らかである。 また、原審において示した事実及び別掲2の事実のとおり、本願商標を構成する「デジタルファクトリー」の文字は、製造業等の業界において「現実世界の工場から取得したデジタルデータを元にし、前記データの解析により作業シミュレーションができるもの」を意味するものとして一般に使用されている実情がある さらに、「デジタルファクトリー」については、別掲3のとおり、「デジタル技術(IoT・AI・データ解析)とオートメーション技術(センシング・制御・設備)を駆使して、企画・構想のみならずライン実装まで遂行」(別掲3(1))との記載や、「ロボット、ソフトウェア、測定機そのものの汎用性・互換性の確保。インタフェース等の標準化、標準化等が、今後のデジタルファクトリー構築の必須項目となる。デジタルファクトリーのキーになる産業用ロボットの互換性の実現が待たれる。」(同(2))との記載があることからすれば、本願商標の指定商品及び指定役務中、「測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電気磁気測定器,電気通信機械器具,コンピュータプログラム,ネットワークシステムに使用するコンピュータプログラム,ネットワークシステムにおけるセキュリティ用コンピュータプログラム」「コンピュータハードウェアのアーキテクチャの設計及び開発,コンピュータプログラムの設計・作成又は保守並びにこれらに関するコンサルティング,コンピュータネットワークシステムの設計・作成及び保守に関するコンサルティング,コンピュータネットワークシステムで使用される機器へのコンピュータプログラムの導入に関するコンサルティング,コンピュータネットワークシステムで使用されるコンピュータセキュリティシステムの設計・作成及び保守に関するコンサルティング,コンピューターソフトウエアの開発,電子計算機用プログラムの提供」は、ハードウェア及びソフトウェアの面から「デジタルファクトリー」との関連性が強いものということができる。 そうすると、本願商標の指定商品及び指定役務の分野においては、「デジタルファクトリー」の文字からなる本願商標は、これに接する取引者、需要者に「現実世界の工場から取得したデジタルデータを元にし、前記データの解析により作業シミュレーションができるもの」の意味を認識させるにとどまり、自他商品役務の識別標識としての機能を有しないものとみるのが相当である。 したがって、本願商標は、その指定商品及び指定役務中「現実世界の工場から取得したデジタルデータを元にし、前記データの解析により作業シミュレーションができるものに関する商品又は役務」に使用する場合には、商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、上記以外の指定商品又は指定役務に使用した場合には、商品の品質又は役務の質について誤認を生じるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。 (2)請求人の主張について 請求人は、証拠における各使用例からは、明確な定義は読み取れず、それが「デジタルファクトリー」の定義として一般的なものとして世間一般で定着しているとはいえない旨主張している。 しかしながら、原審において示した事実及び別掲2の事実によれば、各ウェブサイトにおける表現や説明の文言が一致していなくても、「デジタルファクトリー」の語は、「現実世界の工場から取得したデジタルデータを元にし、前記データの解析により作業シミュレーションができるもの」程の一定の意味を理解させる語として用いられているものであって、本願商標の指定商品及び指定役務の分野においては、これに接する需要者、取引者は、上記(1)のとおり、単に商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきであるから、本願商標が自他商品役務の識別標識としての機能を有するものということはできない。 したがって、請求人の上記主張は採用できない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであって、これを登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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