商標拒絶査定不服審判
2022-009013
カンタンブンショシンセー、ブンショシンセー
- 審判番号
- 2022-009013
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-145558
- 請求日
- 2022年06月13日
- 審決日
- 2023年03月30日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社リコー
- 審判長/審判官
- 審判長 岩崎 安子
- 審判官 大森 友子
- 審判官 茂木 祐輔
- 分類
- T18 .13 -Z (W093542) / T18 .272-Z (W093542)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-145558拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年11月25日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年10月12日付け:拒絶理由通知書
令和3年11月25日付け:意見書
令和4年 3月10日付け:拒絶査定
令和4年 6月13日付け:審判請求書
2 本願商標
本願商標は、「かんたん文書申請」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第35類及び第42類に属する別掲1に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、「かんたん文書申請」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「かんたん」の文字は「時間や手数がかからないこと。また、そのさま。」を、「文書」の文字は「文字で書き記したものの総称。書籍・書類・書状・証文など。」を、「申請」の文字は「希望や要望事項を願い出ること。特に、国や公共の機関などに対して認可・許可その他一定の行為を求めること。」を、それぞれ意味することから、本願商標全体からは、「簡単に文書を申請できる」ほどの意味合いが容易に認識される。また、簡単に利用できることを謳った文書の申請を行う商品・サービスが提供されている事実が確認できる。そうすると、本願商標を、その指定商品及び指定役務に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、「簡単に文書を申請できる商品及び役務」であること、すなわち、単に商品の品質、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示したものとして認識し、前記商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、請求人に対し、令和4年11月22日付け審尋により、別掲2ないし4に掲げる事実を示した上で、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を通知し、期間を指定した上で、これに対する回答を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答
請求人は、前記2の拒絶理由通知に対し、令和5年1月10日付け回答書を提出し、要旨以下のとおり意見を述べた。
(1)合議体が提示した事例には、「文書申請」、「書類申請」等が例示されているものの、「かんたん文書申請」の使用例はない。本願商標は、「かんたん」、「文書」及び「申請」の文字を結合した造語であり、自他商品又は役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。このことは、「かんたん文書申請」そのものが普通に用いられている事実がないことからも明らかである。
(2)請求人が権利化している商標には、本願商標と同様の構成よりなる登録商標が複数あることから、本願商標は造語であり、十分に識別標識として機能し得る。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「かんたん文書申請」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「かんたん」の文字は、「時間や手数がかからないこと。また、そのさま。」を意味する「簡単」の漢字を平仮名で表したものと容易に理解させるものであり、「文書」の文字は、「文字で書き記したものの総称。書籍・書類・書状・証文など。書き物。ふみ。もんじょ。」を、「申請」の文字は、「希望や要望事項を願い出ること。特に、国や公共の機関などに対して認可・許可その他一定の行為を求めること。」を、それぞれ意味する語であり(いずれも「大辞泉第二版」株式会社小学館発行)、いずれの文字も我が国において広く一般に慣れ親しまれているものである。
そうすると、「かんたん文書申請」の文字からは、「簡単に文書を申請」ほどの意味合いを自然に理解させるというべきである。
そして、文書の申請や手続等について、「文書申請」の文字が使用されており、「文書」の文字と同義である「書類」の文字でも「書類申請」と使用されている実情もある(別掲2及び別掲3)。
さらに、本願の指定商品及び指定役務との関係においても、ペーパーレス化や効率化等を背景に、公的機関向けに申請書を簡単に作成し提出できるシステムや社内において申請書類を簡単に電子化し承認し管理するようなクラウドサービスなどが存在し、それらの商品及び役務には、「簡単」、「かんたん」の文字、「文書」と同義と理解される「書類」や「申請書」の文字、及び「申請」の文字を使用して、簡単(かんたん)に文書や書類等が申請できる旨紹介されている(別掲4)。
以上よりすると、「かんたん文書申請」の文字は、「簡単に文書、書類の申請ができる」ほどの意味合いを容易に理解させるといえるものであるから、「かんたん文書申請」の文字よりなる本願商標は、これをその指定商品及び指定役務中、第9類「青写真複写機,写真複写機,携帯情報端末,電子応用機械器具及びその部品,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル」、第35類「書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,コンピュータデータベースへの情報編集」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,機械器具に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、該文字を、商品及び役務の出所を表示するものとして認識するというよりは、「簡単に文書(書類)を申請することができる商品」又は「簡単に文書(書類)を申請するための役務」といった商品の品質、役務の質(内容)を表す文字として認識するにすぎないというのが相当である。
したがって、本願商標を、上記指定商品及び指定役務に使用するときは、単に商品の品質及び役務の質(内容)等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、本願商標は、自他商品役務の識別標識としての機能を果たさないものであって、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記指定商品及び指定役務以外の指定商品及び指定役務に使用するときは、あたかも「簡単に文書(書類)を申請することができる商品」又は「簡単に文書(書類)を申請するための役務」であるかの如く商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「かんたん文書申請」そのものが普通に用いられている事例がないことからすれば、本願商標は造語であって、自他商品又は役務の識別標識としての機能を果たし得る旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標は、その構成文字の語義からしても、また指定商品及び指定役務における構成文字の使用状況からしても、「簡単に文書、書類の申請ができる」ほどの意味合いを容易に理解させるものであり、また、ペーパーレス化や効率化等を背景に、簡単に文書(書類)を作成又は申請することができることを強みとしている商品や技術が多数紹介されている別掲4の取引の実情を考慮すれば、本願商標は、上記意味合いをもって商品の品質又は役務の質を表したものと理解するにすぎないというべきである。
イ 請求人は、本願商標と同様の構成よりなる、請求人所有の登録商標が複数あることから、本願商標は造語であり、十分に識別標識として機能し得る旨主張する。
しかしながら、本願商標は、上記1のとおりの構成よりなるものであり、請求人主張の商標とは構成が異なるものである。そして、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標の構成態様や指定商品又は指定役務の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるから、構成態様の異なる登録商標が存在することをもって、本願商標の判断が左右されるべきではない。
ウ したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-009013