商標拒絶査定不服審判
2022-008920
グリーンオレフィン
- 審判番号
- 2022-008920
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-097723
- 請求日
- 2022年06月09日
- 審決日
- 2023年01月30日
- 公報発行日
- 2023年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】三菱ケミカル株式会社
- 【請求人代理人】田▲崎▼ 聡
- 【請求人代理人】久我 貴洋
- 審判長/審判官
- 審判長 森山 啓
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 荻野 瑞樹
- 分類
- T18 .13 -Z (W01) / T18 .272-Z (W01)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021- 97723拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「グリーンオレフィン」の文字を標準文字で表してなり、第1類「化学品」を指定商品として、令和3年8月5日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年1月14日付けで拒絶理由の通知がされ、同年2月28日に意見書が提出されたが、同年3月3日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して、令和4年6月9日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、「グリーンオレフィン」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「グリーン」の文字は、他の語の上に付いて複合語をつくる場合には、「環境保全の。自然保護の。」の意味を有する語であって、本願の指定商品との関係において、「グリーン化学品」の文字が、「環境への負荷が少ない化学品」程の意味合いで使用されている等の実情も認められる。また、「オレフィン」の文字は、「二重結合を一つもつ不飽和鎖状炭化水素の総称。」の意味を有する語である。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、「環境への負荷が少ないオレフィン」であると認識するにすぎないから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、また、本願商標を上記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、上記第1のとおり、「グリーンオレフィン」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「グリーン」の文字は、「緑色,草地」等の意味を有するほか、他の語の上に付いて複合語をつくる際には、「環境保全の。自然保護の。」の意味をも有する語(「デジタル大辞泉」小学館)であり、「オレフィン」の文字は、「二重結合を一つもつ不飽和鎖状炭化水素の総称。」の意味を有する語(「広辞苑第七版」岩波書店)であって、本願の指定商品である「化学品」の範疇に含まれるものである。
本願商標全体としては、構成するそれぞれの文字の語義から「緑色のオレフィン」や「環境保全のオレフィン」ほどの意味合いを想起し得るものということができる。
そして、原審における証拠及び別掲のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、「グリーン」の文字が、その後ろに「化学品」の文字や、これと同義の「ケミカル」の文字、又は個別の化学品の名称を表す文字を伴って、「環境への負荷が少ない」ほどの意味合いで、商品の品質、特徴等を表すものとして使用されている実情が見受けられる。
してみれば、「グリーンオレフィン」の文字からなる本願商標を、その指定商品である「化学品」のうち「オレフィン」について使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「環境への負荷が少ないオレフィン」であると認識するとみるのが相当であるから、本願商標は、単に商品の品質を表示するにすぎないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、かつ、本願商標を、その指定商品中「オレフィン」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものである。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標の構成中の「グリーン」の文字は多義語であるから、本願商標から「環境への負荷が少ないオレフィン」という観念のみが必ず理解されるとは限らず、また、仮に本願商標から「環境への負荷が少ないオレフィン」という意味合いが理解されたとしても、「環境への負荷が少ない」という観念が指し示す内容は依然として曖昧不明確であり、具体的ではない旨主張する。
しかしながら、本願の指定商品である「化学品」を取り扱う業界においては、「グリーン」の文字が、その後ろに「化学品」や「ケミカル」の文字、又は個別の化学品の名称を表す文字を伴って、「環境への負荷が少ない」ほどの意味合いで使用されていることは、上記1のとおりであり、また、同業界において、従来の商品とは異なる特徴を有するものとして、「グリーン化学品」、「グリーンケミカル」等と称して、「環境への負荷が少ないこと」を訴求するべく「グリーン」の文字が使用されている実情を鑑みれば、当該「グリーン」の文字は、同業界における従来の商品との対比において「環境への負荷が少ない」という商品の品質、特徴等を、取引者、需要者に十分に理解、認識させるものとみるのが相当である。
(2)請求人は、「グリーンオレフィン」の語が、指定商品の取引において広く一般的に使用されている事実、実情は存在せず、需要者がその商品の品質を一般に認識することができない旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであり(平成12年(行ケ)第76号 平成12年9月4日 東京高等裁判所)、たとえ、「グリーンオレフィン」の文字が、本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の品質等を表示するものとして使用されていないとしても、上記1のとおり、本願の指定商品である「化学品」を取り扱う業界において、本願商標の構成中の「グリーン」の文字は、その後ろに「化学品」、「ケミカル」等の文字を伴って、「環境への負荷が少ない」ほどの意味合いとして、商品の品質、特徴等を理解、認識させるといえるものであり、かつ、「オレフィン」は、「化学品」の範疇に属するものであるから、「グリーン」の文字と「オレフィン」の文字を組み合わせた本願商標は、取引者、需要者に商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標であると判断するのが相当である。
(3)請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の査定時又は審決時における取引の実情、当該商標の構成態様等に基づいて、個別具体的に検討、判断されるべきであり、過去の登録例に拘束されることなく判断されるべきであるから、これらの事例の存在が上記の判断を左右するものではない。
(4)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 結論
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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