商標拒絶査定不服審判
2022-008734
エムテイ
- 審判番号
- 2022-008734
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-039263
- 請求日
- 2022年06月07日
- 審決日
- 2023年05月16日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】カモ井加工紙株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人森特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T18 .15 -WY (W16) / T18 .17 -WY (W16)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第5号、商標法第3条第2項、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-39263拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲のとおり、「mt」の欧文字を表してなるものであり、第16類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和3年4月1日に登録出願されたものである。
原審では、令和3年7月1日付けで拒絶理由の通知、同年11月12日付けで意見書の提出、同4年3月2日付けで拒絶査定されたもので、これに対して同年6月7日に本件拒絶査定不服審判が請求され、同日付けで手続補正書が提出されている。
本願商標の指定商品は、当審における上記の手続補正書により、第16類「文房具としての又は家庭用の接着テープ,マスキングテープ等の接着テープのディスペンサー,屋内外の壁や天井・床・扉・窓ガラス・家具・照明器具・家電製品等に貼り付けて装飾的に使用する再剥離可能な接着テープ」と補正された。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
(1)商標法第3条第1項第5号
本願商標は、別掲のとおり、「mt」の欧文字2文字を、横書きしてなる。
ところで、2文字の欧文字は、商品の品番、型番等を表示するための記号、符号等として類型的に採択、使用される。
また、本願商標の構成文字は、デザイン化されたものとはいえ、いまだ普通に用いられる方法の域を脱しない方法で表されたものである。
そうすると、本願商標をその指定商品について使用をするときは、これに接する需要者は、商品の品番、型番等を表示するための記号、符号等の一類型として看取、把握するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないから、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。
(2)商標法第3条第2項
提出証拠によっては、本願商標がすべての指定商品について全国的に自他商品識別力を獲得したといえる事実が存在するとはいえない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備しない。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第5号について
本願商標は、別掲のとおり、「mt」の欧文字を、セリフを配した端部を凹状にへこませたセリフ体の書体で、太字で横書きしてなるものであるところ、その文字の組み合わせや書体、形状に、特段の特徴があるわけではない。
また、一般に欧文字2字からなる標章は、商品の品番、型番、等級等を示す記号、符号等として用いられているところ、本願商標の指定商品と関連する業界においても、欧文字2字が商品の品番、型番、等級等を示す記号、符号等として用いられている。
そうすると、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第5号に該当する。
(2)商標法第3条第2項について
ア 請求人の主張及び提出証拠によれば、以下の事実が認められる。
(ア)請求人は、「mt」の名称のマスキングテープ(以下「請求人商品」という。)を、2007年11月に発売した(甲3)。
(イ)請求人商品のカタログによれば、請求人商品は、包装やロール内側に、本願商標と同様の書体で「mt」の文字が表示されている(甲34~甲47、甲49、甲51~甲53)。
(ウ)請求人商品の我が国における売上高は、2007年の発売以降は急速に増加し、2012年には約11億8千万円に達し、その後も増加して、2020年には約16億4千万となった(甲6)。
なお、マスキングテープの市場規模は20億円とされる中で、請求人商品は、OEM品を含めると約9割のシェアを占めるとされる(甲7)。
(エ)請求人商品の展示会や販売促進イベントは、2009年から2022年にかけて国内各所で開催されている(甲8、甲9、甲11)。
また、インターネット記事、新聞、雑誌又はテレビ番組などにおいて、請求人商品について言及、紹介する記事が掲載、放映されている(甲2、甲4、甲12、甲13、甲15、甲17、甲19~甲21)
イ 判断
以上を踏まえると、本願商標と同様の書体で「mt」の文字を表示する請求人商品は、2007年の発売以降、15年以上、継続した売上高を上げており、継続した相当規模の販売実績があるもので、当該商品の販売促進活動も継続して実施され、同商品に言及又は紹介するメディア報道や宣伝広告も継続して行われている。
そうすると、本願商標は、その指定商品に係る需要者の間においては、その構成文字及び書体で表示されるときは、単なる記号、符号等ではなく、我が国でも広く認知された請求人商品の名称(ロゴ)を表してなると認識されるというべきである。
したがって、本願商標は、請求人により使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものといえるから、商標法第3条第2項の要件を具備する。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第5項に該当するが、同条第2項の要件を具備するから、同条同項の要件を具備しないとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-008734