商標拒絶査定不服審判
2022-008632
マスクコーシュー
- 審判番号
- 2022-008632
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-088457
- 請求日
- 2022年06月07日
- 審決日
- 2023年02月24日
- 公報発行日
- 2023年05月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】杉村 憲司
- 【請求人代理人】杉村 光嗣
- 【請求人代理人】藤本 一
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .13 -Z (W30) / T18 .272-Z (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020- 88457拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年7月16日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 7月19日付け:拒絶理由通知書
令和3年 9月 7日 :意見書の提出
令和4年 2月28日付け:拒絶査定
令和4年 6月 7日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「マスク口臭」の文字を標準文字で表してなり、別掲2に記載の商品を含む第30類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「マスク口臭」の文字を標準文字で表してなるものである。
そして、マスクを原因とする口臭やマスク着用によって自覚される口臭等、マスク着用に起因する口臭が「マスク口臭」と呼ばれ、その対策方法が注目される中、本願商標に係る指定商品を取り扱う業界においても、マスク着用に起因する口臭をふせぐための商品等が一般に製造、販売されている実情がある。
そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標から全体として、マスクを原因とする口臭やマスク着用によって自覚される口臭等、「マスク着用に起因する口臭」ほどの意味合いを容易に理解するものといえ、本願商標をその指定商品に使用したとしても、それが「マスク着用に起因する口臭を防ぐための商品」であること、すなわち、単に商品の品質を表示したものと認識するにとどまるものというのが相当であるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「マスク口臭」の文字を同書、同大、等間隔に一列に横書きしてなるものであるところ、これは「マスク」の語と「口臭」の語とを結合してなるものと、容易に理解できるものである。
そして、原審で提示した情報にあるように、「マスク口臭」の文字は、いわゆるコロナ禍の状況で、社会的にマスクの日常的な着用が求められている現状において、「マスク着用に起因する口臭」そのほかの「マスクを日常的に着用するようになったことによって意識されるようになった口臭(マスクの着用に関連して意識される口臭)」を指称する語として、近時一般に使用されている実情が認められる。
そして、原審で提示した情報のほか、別掲1の情報にあるように、菓子類や茶、食品香料を取り扱う分野において、口臭の緩和や予防をうたう商品が一般に製造販売、宣伝等されている実情が認められ、その中には「マスク着用時の口臭対策」等をうたう事例も見受けられる(別掲1(3)ないし(5))。
そうすれば、本願商標は、「マスクの着用に関連して意識される口臭」ほどの意味合いを表すものとして認識されるというのが相当であり、これをその指定商品中、別掲2に記載の商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、それが「マスクの着用に関連して意識される口臭対策のための商品」という、商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというべきであるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
また、本願商標を、その指定商品中、「マスクの着用に関連して意識される口臭対策のための商品」以外の別掲2記載の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「マスク口臭」との語は、辞書類に掲載された既成語ではなく、また、仮に本願商標が「マスク」及び「口臭」の各語の組合せであると認識されるとしても、それらが組み合わされた語全体について一義的な意味合いが理解されるわけではない旨主張する。
しかしながら、「マスク口臭」の文字が辞書類に掲載されていないとしても、上記(1)のとおり、当該文字は、「マスクを日常的に着用するようになったことによって意識されるようになった口臭(マスクの着用に関連して意識される口臭)」を指称する語として、近時一般に使用されている実情が認められるものであるから、これに接する取引者、需要者において、その意味合いが容易に理解、認識されるというのが相当である。
イ 請求人は、本願の指定商品の分野で「マスク口臭」の語が全体として一連に使用されていないことから、本願商標はその指定商品の特性を表示記述するものとして、取引に際して必要適切な表示とはいえない旨主張する。
しかしながら、本願商標は、その指定商品との関係において、それ自体としては使用例が見受けられないとしても、上記(1)のとおり、「マスク口臭」の語の一般的な使用の実情、及び、別掲2に記載の商品の取引の実情に照らせば、本願商標をその指定商品中、別掲2に記載の商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、それが「マスクの着用に関連して意識される口臭対策のための商品」という、商品の品質を表示したものと認識するものであり、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものというべきものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとともに、自他商品識別力を欠くものというのが相当である。
ウ 請求人は、過去の登録例や審決例を挙げ、本願商標も登録を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例や審決例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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