2022-008607
空気調和装置及び室内ユニット
- 審判番号
- 2022-008607
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-002780外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年06月07日
- 審決日
- 2022年12月16日
- 公報発行日
- 2023年01月27日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ダイキン工業株式会社
- 【請求人代理人】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
- 分類
- P18 .121-WY (F24F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 23項目
第1 手続の経緯
本願は、平成29年1月11日の出願であって、令和2年10月30日付けで1回目の拒絶理由通知がされ、令和3年2月22日に意見書の提出と共に手続補正がされ、令和3年7月26日付けで2回目(最初)の拒絶理由通知がされ、令和3年10月4日に意見書の提出と共に手続補正がされ、令和4年2月28日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、令和4年6月7日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(令和4年2月28日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1-13に係る発明は、以下の引用文献1~8に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.国際公開第2016/208470号
2.特開平11-023104号公報(周知技術を示す文献)
3.中国実用新案第201191112号明細書(周知技術を示す文献)
4.実願平01-068368号(実開平3-010172号)のマイクロフィルム(周知技術を示す文献)
5.国際公開第2016/204194号
6.特開2012-013339号公報
7.特開平02-052967号公報
8.特開2002-022207号公報(周知技術を示す文献)
第3 本願発明
本願請求項1-13に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明13」という。)は、令和3年10月4日にした手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-13に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】室外ユニット(2)と、液冷媒連絡管(5)及びガス冷媒連絡管(6)と、前記液冷媒連絡管及び前記ガス冷媒連絡管を介して前記室外ユニットに接続されており、前記液冷媒連絡管及び前記ガス冷媒連絡管を通じて前記室外ユニットとやりとりされる冷媒と空調対象空間に送られる空気との熱交換を行う室内熱交換器(52a、52b、52c、52d)と、前記冷媒の減圧を行う室内膨張弁(51a、51b、51c、51d)と、前記室内熱交換器の液側と前記室内膨張弁との間を接続する熱交側室内液冷媒管(71a、71b、71c、71d)と、前記室内膨張弁と前記液冷媒連絡管との間を接続する連絡側室内液冷媒管(72a、72b、72c、72d)と、を有する前記空調対象空間に配置される室内ユニット(3a、3b、3c、3d)と、続きを表示(全69行)前記室内熱交換器のガス側に接続されるガス側遮断弁(58a、58b、58c、58d、59a、59b、59c、59d)と、前記冷媒の漏洩を検知する冷媒漏洩検知手段(57a、57b、57c、57d)と、制御部(19)と、を備えており、前記室内膨張弁と前記連絡側室内液冷媒管とは、ロウ付けによって接続されており、前記室内膨張弁と前記連絡側室内液冷媒管とのロウ付け部(82a、82b、82c、82d)には、コーティング材(11a、11b、11c、11d)が設けられており、前記制御部は、前記冷媒の漏洩時に前記冷媒漏洩検知手段の情報に基づいて、前記室内膨張弁及び前記ガス側遮断弁を閉止させる、空気調和装置(1)。【請求項2】前記連絡側室内液冷媒管は、前記室内膨張弁に接続される第1連絡側室内液冷媒管(74a、74b、74c、74d)と、前記液冷媒連絡管に接続される第2連絡側室内液冷媒管(75a、75b、75c、75d)と、前記第1連絡側室内液冷媒管と前記第2連絡側室内液冷媒管との間に接続されるフィルタ(73a、73b、73c、73d)と、を有しており、前記フィルタと前記第1連絡側室内液冷媒管及び前記第2連絡側室内液冷媒管とは、ロウ付けによって接続されており、前記フィルタと前記第1連絡側室内液冷媒管及び前記第2連絡側室内液冷媒管とのロウ付け部(85a、85b、85c、85d、86a、86b、86c、86d)にも、コーティング材(11a、11b、11c、11d、12a、12b、12c、12d)が設けられている、請求項1に記載の空気調和装置。【請求項3】前記室外ユニットは、室外熱交換器(23、23a、23b)と、液圧調整膨張弁(26)と、を有しており、前記制御部は、前記冷媒を前記室外熱交換器から前記液冷媒連絡管を通じて前記室内ユニットに送る際に、前記液冷媒連絡管を流れる前記冷媒を気液二相状態になるように減圧するように前記液圧調整膨張弁を制御するとともに、前記液圧調整膨張弁において減圧された前記冷媒を減圧するように前記室内膨張弁を制御する、請求項1又は2に記載の空気調和装置。【請求項4】前記室内ユニットは、複数あり、前記ガス側遮断弁は、前記各室内ユニットに対応して設けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載の空気調和装置。【請求項5】前記制御部は、前記冷媒の漏洩時に前記冷媒漏洩検知手段の情報に基づいて、前記複数の室内ユニットのうち前記冷媒の漏洩が発生した前記室内ユニットに対応する前記室内膨張弁及び前記ガス側遮断弁だけを閉止させる、請求項4に記載の空気調和装置。【請求項6】前記ガス冷媒連絡管には、前記ガス側遮断弁を有する外付け遮断弁ユニット(4a、4b)が設けられている、請求項1~5のいずれか1項に記載の空気調和装置。【請求項7】前記ガス側遮断弁は、前記ガス冷媒連絡管の前記室内ユニット側の部分に接続される室内側ガス接続管(66a、66b)、及び、前記ガス冷媒連絡管の前記室外ユニット側の部分に接続される室外側ガス接続管(67a、67b)にロウ付けによって接続されており、前記ガス側遮断弁と前記室外側ガス接続管とのロウ付け部(92a、92b)にも、コーティング材(13a、13b)が設けられている、請求項6に記載の空気調和装置。【請求項8】前記ガス冷媒連絡管には、前記複数の室内熱交換器を個別に前記冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させるように切り換える冷暖切換弁(58a、58b、58c、58d、59a、59b、59c、59d)を有する中継ユニット(4a、4b、4c、4d)が設けられており、前記制御部は、前記冷媒の漏洩時に前記冷媒漏洩検知手段の情報に基づいて、前記室内膨張弁及び前記ガス側遮断弁としての前記冷暖切換弁を閉止させる、請求項4又は5に記載の空気調和装置。【請求項9】前記冷暖切換弁は、前記ガス冷媒連絡管の前記室内ユニット側の部分に接続される室内側ガス接続管(66a、66b、66c、66d、68a、68b、68c、68d)、及び、前記ガス冷媒連絡管の前記室外ユニット側の部分に接続される室外側ガス接続管(67a、67b、67c、67d、69a、69b、69c、69d)にロウ付けによって接続されており、前記冷暖切換弁と前記室外側ガス接続管とのロウ付け部(92a、92b、92c、92d、94a、94b、94c、94d)にも、コーティング材(13a、13b、13c、13d、14a、14b、14c、14d)が設けられている、請求項8に記載の空気調和装置。【請求項10】前記ガス側遮断弁は、前記室内ユニットに設けられており、前記室内ユニットは、前記室内熱交換器のガス側と前記ガス側遮断弁との間を接続する熱交側室内ガス冷媒管(76a、76b)と、前記ガス側遮断弁と前記ガス冷媒連絡管との間を接続する連絡側室内ガス冷媒管(77a、77b)と、を有しており、前記ガス側遮断弁と前記連絡側室内ガス冷媒管とは、ロウ付けによって接続されており、前記ガス側遮断弁と前記連絡側室内ガス冷媒管とのロウ付け部(88a、88b)にも、コーティング材(15a、15b)が設けられている、請求項1~5のいずれか1項に記載の空気調和装置。【請求項11】前記コーティング材は、ウレタン樹脂である、請求項1~10のいずれか1項に記載の空気調和装置。【請求項12】液冷媒連絡管(5)及びガス冷媒連絡管(6)を介して室外ユニット(2)に接続されており、空調対象空間に配置される室内ユニットであって、前記液冷媒連絡管及び前記ガス冷媒連絡管を通じて前記室外ユニットとやりとりされる冷媒と前記空調対象空間に送られる空気との熱交換を行う室内熱交換器(52a、52b、52c、52d)と、前記冷媒の減圧を行う室内膨張弁(51a、51b、51c、51d)と、前記室内熱交換器の液側と前記室内膨張弁との間を接続する熱交側室内液冷媒管(71a、71b、71c、71d)と、前記室内膨張弁と前記液冷媒連絡管との間を接続する連絡側室内液冷媒管(72a、72b、72c、72d)と、を備えており、前記室内膨張弁と前記連絡側室内液冷媒管とは、ロウ付けによって接続されており、前記室内膨張弁と前記連絡側室内液冷媒管とのロウ付け部(82a、82b、82c、82d)には、コーティング材(11a、11b、11c、11d)が設けられている、室内ユニット(3a、3b、3c、3d)。【請求項13】前記室内熱交換器のガス側に接続されるガス側遮断弁(58a、58b、58c、58d)と、前記室内熱交換器のガス側と前記ガス側遮断弁との間を接続する熱交側室内ガス冷媒管(76a、76b)と、前記ガス側遮断弁と前記ガス冷媒連絡管との間を接続する連絡側室内ガス冷媒管(77a、77b)と、をさらに有しており、前記ガス側遮断弁と前記連絡側室内ガス冷媒管とは、ロウ付けによって接続されており、前記ガス側遮断弁と前記連絡側室内ガス冷媒管とのロウ付け部(88a、88b)にも、コーティング材(15a、15b)が設けられている、請求項12に記載の室内ユニット。」
第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された上記引用文献1には、「空気調和システム」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は、理解の一助のために当審が付与した。以下同様。)
「[0058] 室内熱交換器42は、冷媒と室内空気との熱交換を行うことで冷媒の蒸発器又は放熱器として機能する熱交換器である。」
「[0107] <第2実施形態>上記第1実施形態及びその変形例においては、1つの室内ユニット4が冷媒連絡管5、6を介して室外ユニット2に接続されており、この室内ユニット4に対応して液側遮断弁7及びガス側遮断弁8が液冷媒管50及びガス冷媒管60に設けられた構成(図1~図3、図5及び図7参照)が採用されている。[0108] しかし、複数の室内ユニットが冷媒連絡管5、6を介して室外ユニット2に接続され、各室内ユニットに対応して液側遮断弁及びガス側遮断弁が液冷媒管50及びガス冷媒管60に設けられた構成が採用される場合もある。[0109] このような構成として、例えば、図8~図10に示すように、複数(ここでは、2つ)の室内ユニット4a、4bが冷媒連絡管5、6を介して室外ユニット2に接続され、各室内ユニット4a、4bに対応して液側遮断弁7a、7b及びガス側遮断弁8a、8bが液冷媒管50及びガス冷媒管60に設けられた構成がある。続きを表示(全21行)[0110] (1)構成次に、複数の室内ユニット4a、4bを有する空気調和システム1の構成について、第1実施形態の1つの室内ユニット4が冷媒連絡管5、6を介して室外ユニット2に接続された構成と異なる部分を中心に説明する。[0111] 具体的には、複数の室内ユニット4a、4bを有する空気調和システム1は、第1実施形態と同様に、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって、ビル等の室内の冷房や暖房を行うシステムである。空気調和システム1は、主として、室外ユニット2と室内ユニット4a、4bとを液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6を介して接続することによって構成された蒸気圧縮式の冷媒回路10を含んでいる。そして、冷媒回路10には、冷媒として、R32のような微燃性を有する冷媒、又は、R290のような強燃性を有する冷媒が充填されている。[0112] 室外ユニット2は、室外に設置されており、第1実施形態と同様に、主として、圧縮機21及び室外熱交換器24を有している。ここで、室外ユニット2の構成は、第1実施形態の室外ユニット2と同様であるため、第1実施形態のものと同じ符号を付して、ここでは説明を省略する。[0113] 室内ユニット4aは、室内Aに設置されており、室内熱交換器42aを有しており、室内ユニット4bは、室内Bに設置されており、室内熱交換器42bを有している。ここで、室内ユニット4a、4bの構成は、第1実施形態の室内ユニット4と基本的には同様であるため、第1実施形態のものと同じ符号に添字「a」や「b」を付して、ここでは説明を省略する。但し、ここでは、第1実施形態とは異なり、各室内ユニット4a、4bにおいて、個別に冷房運転や暖房運転を行うことができるようにするために、室内ユニット4aの室内液冷媒管43aに室内膨張弁41aを設け、室内ユニット4bの室内液冷媒管43bに室内膨張弁41bを設けるようにしている。これらの室内膨張弁41a、41bは、開度制御が可能な電動膨張弁である。[0114] また、ここでは、液冷媒連絡管5を含めた室外ユニット2の液側端から室内熱交換器42a、42bの液側端に至るまでの液冷媒管50、及び、ガス冷媒連絡管6を含めた室外ユニット2のガス側端から室内熱交換器42a、42bのガス側端に至るまでのガス冷媒管60に対して冷媒の漏洩が検知された際に閉止される液側遮断弁7a、7b及びガス側遮断弁8a、8bが設けられている。ここで、液側遮断弁7aは、液冷媒管50のうち室内ユニット4aに対応して分岐している液冷媒分岐管50aに設けられており、液側遮断弁7bは、液冷媒管50のうち室内ユニット4bに対応して分岐している液冷媒分岐管50bに設けられている。また、ガス側遮断弁8aは、ガス冷媒管60のうち室内ユニット4aに対応して分岐しているガス冷媒分岐管60aに設けられており、ガス側遮断弁8bは、ガス冷媒管60のうち室内ユニット4bに対応して分岐しているガス冷媒分岐管60bに設けられている。これらの遮断弁7a、7b、8a、8bの構成は、第1実施形態の遮断弁7、8と同様であるため、第1実施形態のものと同じ符号に添字「a」や「b」を付して、ここでは説明を省略する。[0115] また、ここでは、室内ユニット4a側の冷媒の漏洩の有無を検知するために、冷媒漏洩検知装置9aが室内Aに設けられており、室内ユニット4b側の冷媒の漏洩の有無を検知するために、冷媒漏洩検知装置9bが室内Bに設けられている。ここで、冷媒漏洩検知装置9a、9bの構成は、第1実施形態の冷媒漏洩検知装置9と同様であるため、第1実施形態のものと同じ符号に添字「a」や「b」を付して、ここでは説明を省略する。[0116] そして、ここでは、液側遮断弁7a、7b及びガス側遮断弁8a、8bを含む構成機器を制御するシステム制御部11が設けられている。システム制御部11は、室外ユニット2の構成機器を制御する室外制御部20と、室内ユニット4a、4bの構成機器を制御する室内制御部40a、40bと、液側遮断弁7a、7bを制御する液側遮断制御部70a、70bと、ガス側遮断弁8a、8bを制御するガス側遮断制御部80a、80bと、が通信線を介して接続されることによって構成されている。室外制御部20は、室外ユニット2に設けられている。室内制御部40a、40bは、室内ユニット4a、4bに設けられている。液側遮断制御部70a、70bは、液側遮断弁7a、7bに設けられ、ガス側遮断制御部80a、80bは、ガス側遮断弁8a、8bに設けられている。また、システム制御部11には、冷媒漏洩検知装置9a、9bを制御する冷媒漏洩検知制御部90a、90bも接続されている。この冷媒漏洩検知制御部90a、90bは、冷媒漏洩検知装置9a、9bに設けられている。ここで、室外制御部20は、第1実施形態の室外制御部20と同様であるため、第1実施形態のものと同じ符号を付して、ここでは説明を省略する。また、制御部40a、40b、70a、70b、80a、80b、90a、90bは、第1実施形態の制御部40、70、80、90と同様であるため、第1実施形態のものと同じ符号に添字「a」や「b」を付して、ここでは説明を省略する。[0117] (2)動作-通常運転-ここでは、第1実施形態と同様に、通常運転として、冷房運転及び暖房運転が行われる。具体的には、室内制御部40a、40bの室内操作部144a、144b等を介してシステム制御部11に冷房運転や暖房運転の指示がなされると、室内CPU141a、141bの通常運転処理部146a、146bによって、第1実施形態と基本的には同様の冷房運転や暖房運転が実行される。但し、各室内ユニット4a、4bに室内膨張弁41a、41bが設けられており、冷房運転や暖房運転において開度制御が行われる点のみが異なる。[0118] -冷媒漏洩処理-上記の通常運転において、冷媒の漏洩が検知された場合には、室内への冷媒の漏洩量を低減するために、液側遮断弁7a、7b及びガス側遮断弁8a、8bの閉止等を行う必要がある。そこで、冷媒漏洩検知装置9a、9b(冷媒漏洩検知制御部90a、90b)から出力される冷媒の漏洩が発生していることを示す信号がシステム制御部11(室内制御部40a、40b)に入力されると、室内CPU141a、141bの冷媒漏洩処理部147a、147bによって、第1実施形態と同様の冷媒漏洩処理が実行される。[0119] 具体的には、液側遮断弁7a、7b及びガス側遮断弁8a、8bを閉止して、室外ユニット2から室内ユニット4a、4bへの冷媒の流れをなくす。また、圧縮機21も停止する。これにより、室内A、Bへの冷媒の漏洩量を低減することができ、ここでは、可燃性を有する冷媒が可燃濃度を超えないようにして、室内における着火事故の発生を抑えることができる。・・・[0131] (8)変形例6上記実施形態及び変形例1~5においては、液冷媒管50(50a、50b)に各室内ユニット4a、4bに対応する液側遮断弁7a、7bを設けるようにしている。しかし、ここでは、液冷媒管50(50a、50b)に各室内ユニット4a、4bに対応する室内膨張弁41a、41bが設けられているため、室内膨張弁41a、41bを閉状態にした場合の遮断性能(閉状態における弁漏れ量等)が遮断弁で必要な遮断性能を満たす場合には、室内膨張弁41a、41bを液側遮断弁7a、7bと兼用するようにしてもよい。」
「[0137]1 空気調和システム2 室外ユニット4、4a、4b 室内ユニット続きを表示(全23行)5 液冷媒連絡管6 ガス冷媒連絡管7、7a、7b 液側遮断弁8、8a、8b ガス側遮断弁9、9a、9b 冷媒漏洩検知装置10 冷媒回路11 システム制御部21 圧縮機24 室外熱交換器30 ガスバイパス管32 吸入戻し管35 吸入圧力センサ42、42a、42b 室内熱交換器45、45a、45b 室内ファン47、47a、47b 室内熱交液側温度センサ48、48a、48b 室内温度センサ50 液冷媒管60 ガス冷媒管149、149a、149b 模擬入力許可部」
「図8[図:0001393003000001.jpg]」
図8の機器の配置の図示から、室内ユニット4a、4bは、液冷媒連絡管5が各室内ユニットごとに分岐した箇所に液側遮断弁7a、7bが接続され、各液側遮断弁7a、7bの下流に液冷媒分岐管50a、50bが、各室内ユニット4a、4b内の室内膨張弁41a、41bまで延びて接続され、各室内膨張弁41a、41bの下流に、各室内熱交換器42a、42bが接続され、各室内熱交換器42a、42bからガス冷媒分岐管60a、60bに、ガス側遮断弁8a、8bを介してガス冷媒連絡管6に至るように冷媒流路が構成されていることが看取できる。
したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
[引用発明]
「室外ユニット2と、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6と、冷媒と室内空気との熱交換を行うことで冷媒の蒸発器又は放熱器として機能する室内熱交換器42a、42bと、冷房運転や暖房運転において開度制御が行われる室内膨張弁41a、41bと、液冷媒分岐管50a、50bと、を有する室内ユニット2と、ガス側遮断弁8a、8bと、冷媒漏洩検知装置9a、9bと、システム制御部11と、を備えており、前記室内ユニット4a、4bは、液冷媒連絡管5が各室内ユニットごとに分岐した箇所に液側遮断弁7a、7bが接続され、各液側遮断弁7a、7bの下流に液冷媒分岐管50a、50bが、各室内ユニット4a、4b内の室内膨張弁41a、41bまで延びて接続され、各室内膨張弁41a、41bの下流に、各室内熱交換器42a、42bが接続され、各室内熱交換器42a、42bからガス冷媒分岐管60a、60bに、ガス側遮断弁8a、8bを介してガス冷媒連絡管6に至るように冷媒流路が構成されており、前記システム制御部11は、前記冷媒漏洩検知装置9a、9bから出力される冷媒の漏洩が発生していることを示す信号が発生したことを受けて、液側遮断弁7a、7b及びガス側遮断弁8a、8bを閉止するものであって、室内膨張弁41a、41bを閉状態にした場合の遮断性能(閉状態における弁漏れ量等)が遮断弁で必要な遮断性能を満たす場合には、室内膨張弁41a、41bを液側遮断弁7a、7bと兼用し、該室内膨張弁41a、41bを該ガス側遮断弁8a、8bとともに閉止させる空気調和システム1。」
2.引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された上記引用文献2には、「空気調和機」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0024】【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、本発明にかかる空気調和機の冷凍サイクルについて図2を用いて説明する。冷凍サイクルは、圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、膨張弁4、分流合流器8および室内熱交換器5を配管6、7、11a、11b、11c、11d、分流管9a、9b、9c、9d、で接続して構成されている。なお、本実施の形態では膨張弁4と分流合流器8との間の配管7は、ストレーナとオリフィス管を配管内に有するものである。【0025】冷房運転時には、圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四方弁2を介して室外熱交換器3に供給され、室外熱交換器3にてファン10aで送られる空気によって冷却されて凝縮し、高圧の液冷媒となる。この液冷媒が膨張弁4に流入し、室内熱交換器5にてファン10bで送られる室内空気から熱を奪い蒸発してガス冷媒となる。このガス冷媒は、四方弁を介して再び圧縮機1に戻る。一方、暖房運転時には四方弁2で冷媒の流れを逆方向にする。すなわち、冷媒は圧縮機1、四方弁2、室内熱交換器5、膨張弁4、室外熱交換器3、四方弁2、圧縮機1の順に流れる。」
「【0036】図4は本発明の一実施の形態であるロー付性を向上したオリフィス管(19、20)の形状および設置を示した図である。オリフィス管の材質が、膨張弁に接続されている冷媒配管6、7および膨張弁の継ぎ手管13、14の材質と異なる場合、例えばオリフィス管の材質が真鍮で、冷媒配管および継ぎ手管の材質がそれぞれ銅である場合、熱伝導率の相違からろう付け性が悪い。このためオリフィス管を膨張弁に接続されている冷媒配管6、7と膨張弁の継ぎ手管13、14で完全に覆い、配管内部に固定できる形状とした。すなわち、図4に示すように、オリフィスとそれに続くテーパ穴を有するオリフィス管の長手方向の中央部外周につばを設け、該つばに当接しテーパ穴側の外周を覆うように継ぎ手管を取付け、さらにオリフィス側にはオリフィス管からつばを経て継ぎ手管を覆うように先端を拡管した冷媒配管を取付け、三者をろう付け(23)する。あるいはつばを設ける代わりに、オリフィス管を、オリフィス側を太くテーパ穴側を細く加工して段付きとし、テーパ穴側に継ぎ手管を取付け、オリフィス側にはオリフィス管から継ぎ手管まで覆うように拡管した冷媒配管を取付け、そして三者をろう付けしてもよい。これによりオリフィス管の材質に関係なくろう付け性を向上でき、ろう付け不良による冷媒漏れ等もなくすことができる。」
「図2[図:0001393003000002.jpg]」
「図4[図:0001393003000003.jpg]」
したがって、上記引用文献2には、
「圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、膨張弁4、分流合流器8および室内熱交換器5を配管6、7、11a、11b、11c、11d、分流管9a、9b、9c、9d、で接続して構成された冷凍サイクルで構成される空気調和機であって、膨張弁4の継ぎ手管14の冷媒配管7への接続をろう付けで行う際、双方のろう付け性を高めろう付け不良による冷媒漏れをなくすよう、冷媒流路内に配置されるオリフィス管の長手方向中央部外周につばを設け、冷媒配管7の先端を、当該つばに当接しかつオリフィス管の外周を覆うい、つばを経てその先に配置される継ぎ手管を覆うよう先端を拡管させ、継ぎ手管14とオリフィス管と冷媒配管7の三者をろう付け(23)すること。」
という技術的事項(以下、「引用文献2記載事項」という。)が記載されていると認められる。
3.引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された上記引用文献3には、「空調機に用いる冷凍装置配管」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。(理解を助けるため当審にて日本語の仮訳表記とした。)
「図面の簡単な説明図1は本実用新案冷凍装置配管接続の構造概略図である;図2は本実用新案冷凍装置配管構造説明図とする;図3は別体式空調機の構造概略図である;続きを表示(全21行)発明を実施するための最良の形態・・・該冷凍装置配管はセパレート型エアコンに用いられ,図1及び図2に示すように,冷凍装置配管は鋼管101及びそれぞれ鋼管101 2の一端に接続される銅管102を含む。ここで,該鋼管101は低炭素ステンレス鋼管を用い,且つ鋼管101及び鋼管101と2銅管102との接続箇所はいずれも防食保護層で被覆される。該配管が圧縮機の排気管と還気管を接続するために用いられる場合,該配管における1つの銅管102の外側端は圧縮機に接続され,他の銅管102の外側端は切換弁に接続される。前記鋼管はU型管であり、かつその底部はその2つの側管の間を接続する円弧型管部分である。上記の鋼管は外径が4.6~10.6ミリメートルの細い鋼管を指し,それは一般的に冷間圧延帯鋼薄板コイル、溶接、亜鉛メッキで完成される。本実施例において,鋼管101の外径は9.52ミリメートルであり,肉厚t1は0.5ミリメートルである;鋼管101に接続される銅管102の一端はフレア構造を有するフレア部102aであり,フレア部102aの長さは約12ミリメートルである。銅管102の内径は9.52mm、肉厚t2は0.75mmである。鋼管101の外径は銅管フレア部102aの内径と摺動し,鋼管101は銅管102から銅管102のフレア部102aに挿入される。具体的には,該銅管と鋼管はスナップ嵌めによって接続されてもよく,それ以外に,銅管と鋼管は螺旋嵌めによって接続されてもよい。銅管102と鋼管101は抵抗溶接法によって溶接又はろう付けして接続され,ここでろう付けの溶接温度は200~400℃である。溶接溶融面104は、プラグ型継手の銅管102と鋼管101との接合面にあり、溶接溶融面104の幅は約8~12mmである。溶接された配管には異なる金属接触面電位差がなくガルバニック腐食が起こる。溶接後に配管の外表面を洗浄し,さらに鋼管101及び鋼管101と2本の銅管102との接続箇所にいずれも防食保護層を被覆し,具体的には鋼管101及び鋼管101と2本の銅管102との接続箇所の外表面に電気泳動耐候性粉末ポリエステル粉末吹き付けプロセス及び電気泳動耐候性粉末ポリエステル粉末吹き付けにさらに放射線架橋型熱収縮収縮スリーブプロセスを用いて製造することができ,防食保護層は配管を完全に被覆することが好ましく,鋼管101、銅管102と鋼管101との接続箇所のみを被覆する必要があり,銅管102 1の一端が圧縮機又は切換弁に溶接される時に清浄度を保証することができず,このように機械的遮蔽及び陰極保護の複合によって防食する。鋼管101の両端に溶接された銅管102の長さを決定し,銅管102の保留長さが短すぎると溶接時の鋼管101の温度が高すぎ,熱伝導によって鋼管101の表面の防食保護層を破壊する。大量の実験検証及びANSYS熱応力モードを結合して線形熱量損失分析により,銅管120の最適な長さが60~100mmの間にあることを確定する。」
「図1[図:0001393003000004.jpg]」
したがって、上記引用文献3には、
「冷凍装置の配管に、銅パイプ102と鋼管101がろう付けの接続によって一体化される際の電解腐食対策として、接続外面に耐候性粉末ポリエステル粉末噴射を加えること。」という技術的事項(以下、「引用文献3記載事項」という。)が記載されていると認められる。
4.引用文献4について
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された上記引用文献4には、「冷媒配管用ゴミ除去装置」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。
「本考案は、冷媒配管に用いるゴミ等の除去装置に関するものである。従来の技術従来の冷媒配管用ゴミ除去装置は、外筒の内部にフィルターを固着したものから成り、冷凍サイクル部品として冷媒配管途中にろう付けで接続されている。以下図面を参照しながら従来の冷媒配管用ゴミ除去装置について説明する。第3図は従来の冷媒配管用ゴミ除去装置の配管接続を施こしたときの断面図である。第3図において1はゴミ除去装置外筒部で、その両端口に配管2を各々さし込み、ろう付け部3によって接続される。ゴミ除去装置の内部はフィルター4が定着部5によって固着され、前記定着部5は前記ゴミ除去装置外筒部1の溝部6によって固着されている。」(明細書第1頁13行~第2頁9行)
「第3図[図:0001393003000005.jpg]」
したがって、上記引用文献4には、「互いにゴミ除去装置外筒部1にろう付けで接続される冷媒配管2の間に、フィルター4が定着部5によって固着されること。」という技術的事項(以下、「引用文献4記載事項」という。)が記載されていると認められる。
5.引用文献5について
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された上記引用文献5には、「空気調和装置」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。
「[0044] 室外ユニット2は、主として、圧縮機21と、室外熱交換器24と、を有している。また、室外ユニット2は、室外熱交換器24の液側端と液冷媒連絡管6とを接続する室外液冷媒管25と、圧縮機21の吸入側とガス冷媒連絡管7とを接続する室外ガス冷媒管26と、を有している。室外液冷媒管25の液冷媒連絡管6との接続部には、液側閉鎖弁27が設けられており、室外ガス冷媒管26のガス冷媒連絡管7との接続部には、ガス側閉鎖弁28が設けられている。液側閉鎖弁27及びガス側閉鎖弁28は、手動で開閉される弁である。」
「[0048] また、ここでは、室外液冷媒管25に、冷媒戻し管31が接続されており、冷媒冷却器35及び室外膨張弁36が設けられている。冷媒戻し管31は、室外液冷媒管25を流れる冷媒の一部を分岐して圧縮機21に戻す冷媒管である。冷媒冷却器35は、冷媒戻し管31を流れる冷媒によって室外液冷媒管25を流れる冷媒を冷却する熱交換器である。室外膨張弁36は、室外液冷媒管25のうち冷媒冷却器35よりも室外熱交換器24側の部分に設けられた電動膨張弁である。しかも、ここでは、室外液冷媒管25の冷媒冷却器35よりも液冷媒連絡管6側の部分(ここでは、冷媒冷却器35と液側閉鎖弁27との間の部分)に、液冷媒連絡管6を流れる冷媒が気液二相状態になるように、かつ、冷媒冷却器35の出口を流れる冷媒が液状態になるように、冷媒を減圧する液圧調整膨張弁37が設けられている。ここで、液圧調整膨張弁37は、電動膨張弁からなる。」
「[0058] 液圧調整膨張弁37に送られた冷媒は、液圧調整膨張弁37によって、液冷媒連絡管6を流れる冷媒が気液二相状態になるように、かつ、冷媒冷却器35の出口を流れる冷媒が液状態になるように減圧される(図1、3の点E、F参照)。ここで、制御部8は、室外液冷媒管25のうち冷媒冷却器35が設けられた部分における冷媒の圧力Polが目標液圧Poltになるように液圧調整膨張弁37の開度MVopを制御している。制御部8は、室外液冷媒管25のうち冷媒冷却器35が設けられた部分における冷媒の圧力Polを、冷媒冷却側センサ44が検出した冷媒の圧力から得る。目標液圧Poltは、冷媒冷却器35の出口を流れる冷媒が液状態になるように、極力高い値に設定されている。そして、制御部8は、冷媒の圧力Polが目標液圧Poltよりも高い場合に、液圧調整膨張弁37の開度MVopを大きくする制御を行い、冷媒の圧力Polが目標液圧Poltよりも低い場合に、液圧調整膨張弁37の開度MVopを小さくする制御を行っている。[0059] 液圧調整膨張弁37によって減圧された冷媒は、液側閉鎖弁27を通じて液冷媒連絡管6に送られる。このとき、液冷媒連絡管6を流れる冷媒が気液二相状態であるため、液冷媒連絡管6を流れる冷媒が液状態である場合(すなわち、特許文献3の構成を採用する場合)に比べて、冷媒連絡配管6が液状態の冷媒で満たされることがなくなり、その分だけ液冷媒連絡管6に存在する冷媒量を少なくできるようになっている。そして、液冷媒連絡管6に送られた冷媒は、その配管長さや配管径に応じた圧力損失によって減圧された後に、室内ユニット5a、5bに送られる(図1、3の点G参照)。[0060] 室内ユニット5a、5bに送られた冷媒は、室内膨張弁51a、51bによって冷凍サイクルの低圧付近まで減圧される(図1、3の点H参照)。室内膨張弁51a、51bによって減圧された後の冷媒は、室内熱交換器52a、52bの液側端に流入する。室内熱交換器52a、52bの液側端に流入した冷媒は、室内熱交換器52a、52bにおいて、室内ファン55a、55bによって供給される室内空気と熱交換を行って蒸発してガス状態の冷媒になり、室内熱交換器52a、52bのガス側端から流出する(図1、3の点I参照)。また、室内熱交換器52a、52bにおいて冷媒との熱交換によって冷却された室内空気は、室内に供給されて室内の冷房が行われる。ここで、制御部8は、室内熱交換器52a、52bのガス側端における冷媒の過熱度SHrが目標過熱度SHrtになるように、室内膨張弁51a、51bの開度MVrrを制御している。制御部8は、室内熱交換器52a、52bのガス側端における冷媒の過熱度SHrを、室内熱交ガス側センサ58a、58bが検出した冷媒の温度Trgから室内熱交液側センサ57a、57bが検出した冷媒の温度Trlを差し引くことによって得る。目標過熱度SHrtは、圧縮機21に吸入される冷媒(図1、3の点A参照)が湿り度の高い状態にならないように、3~10℃程度の値に設定されている。そして、制御部8は、過熱度SHrが目標過熱度SHrtよりも大きい場合に、室内膨張弁51a、51bの開度MVrrを大きくする制御を行い、過熱度SHrが目標過熱度SHrtよりも小さい場合に、室内膨張弁51a、51bの開度MVrrを小さくする制御を行っている。」
「図1[図:0001393003000006.jpg]」
「図3[図:0001393003000007.jpg]」
したがって、上記引用文献5には、「室外ユニットが、室外熱交換器と、液圧調整膨張弁と、を有しており、制御部が、冷媒を室外熱交換器から液冷媒連絡管を通じて室内ユニットに送る際に、液冷媒連絡管を流れる冷媒を気液二相状態になるように減圧するように液圧調整膨張弁を制御するとともに、液圧調整膨張弁において減圧された冷媒を減圧するように室内膨張弁を制御する技術。」という技術的事項(以下、「引用文献5記載事項」という。)が記載されていると認められる。
6.引用文献6について
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された上記引用文献6には、「空気調和機」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。
「【実施例1】【0017】図1は、本発明の空気調和機の一実施例として挙げられるマルチ型の空気調和機(マルチエアコン)の冷凍サイクル構成図である。【0018】続きを表示(全24行)マルチ型の空気調和機(マルチエアコン)では、1台の室外ユニットAと複数台の室内ユニットa(a1,a2,・・・an),室内ユニットb(b1,b2,・・・bn)および各ユニットを接続するガス側冷媒配管E1,液側冷媒配管E2で構成されている。ガス側冷媒配管E1と液側冷媒配管E2は、ガス側分岐管8および液側分岐管9で分岐接続され、室内ユニットaと室内ユニットbに分配して冷媒を供給する。室外ユニットAの室外ガス側阻止弁1にガス側冷媒配管E1を接続し、室外ユニットAの室外液側阻止弁2に液側冷媒配管E2を接続することで、一つの冷凍サイクル系統を構成している。【0019】室内ユニットaは、機内に減圧装置(膨脹弁)を有する室内ユニット(パッケージエアコン)であり、室内送風機3,室内熱交換器4,室内膨張弁5で構成されている。室内ユニットbは、機内に減圧装置(膨脹弁)を持たない室内ユニット(ルームエアコン)であり、室内送風機3,室内熱交換器4で構成されている。【0020】また、室内ユニットaと室内ユニットbのガス側分岐管8および液側分岐管9と接続されるガス側冷媒配管E1,液側冷媒配管E2の途中には、各々に外部取付けの膨張弁6と電磁弁7で構成された外部取付け装置C(Ca1,Ca2,・・・Can,Cb1,Cb2,・・・Cbn)が接続される。なお、冷媒漏洩検知器Dは室内ユニットaと室内ユニットbの近傍に取付けされる。・・・【0023】本実施例では、外部取付け装置Cの下記の本来機能とは別に、冷媒漏洩遮断機能を付加している。(1)機内に減圧装置(室内膨脹弁5)を持たない室内ユニットb(ルームエアコン)と機内に減圧装置(室内膨脹弁5)を有する室内ユニットa(パッケージエアコン)との混在接続を可能とするための減圧機能および冷媒分岐機能や制御通信機能。(2)機内に減圧装置(室内膨脹弁5)を有する室内ユニットa(パッケージエアコン) の冷媒流動音や異音、振動を回避するための代替減圧機能や制御通信機能。・・・【0026】本実施例によると、外部取付け装置Cから室外ユニットAと室内ユニットaと室内ユニットbおよび上位の集中管理制御機器20やリモコン17に対して、冷媒漏洩の情報を指令することで、冷媒漏洩した当該室内機ユニットを容易に特定することができ、サービス性の向上することが可能となる。さらに当該室内機ユニットのみ運転を停止させ、他室内ユニットの運転を継続可能とさせることで、冷媒漏洩の早期修理、空気調和機の早期復旧が可能となる。【0027】ここで、具体例として、仮に室内ユニットa1にて冷媒漏洩が発生した場合、冷媒漏洩検知器Dで検知した冷媒漏洩の情報が、外部取付け装置Ca1の制御部25へ制御通信線22によって伝送される。その冷媒漏洩の情報により、外部取付け装置Ca1内の膨脹弁6と電磁弁7を全閉とさせることで、冷凍サイクル系統を完全に切り離し、室内ユニットa1からの冷媒漏洩を遮断する。・・・【0029】さらに、冷媒漏洩した当該室内ユニットa1のみ運転を停止し、室内ユニットa1の電源および制御通信をシャットダウンさせることで、室内ユニットa1を制御システム系統から完全に切り離すことができる。これにより、室内ユニットa1以外の全室内ユニットの運転を継続することができる。」
「【0030】図2は、本発明の空気調和機の一実施例として挙げられるマルチ型の空気調和機(マルチエアコン)の制御システム構成図である。【0031】17は室内ユニットaと室内ユニットbに制御指令(運転/停止,運転モード,温度,風量/風向などの設定)を与えるリモコン、18はリモコン線である。20はマルチ型の空気調和機全体の動作を制御する上位の集中管理制御機器であり、23は室外ユニットAの第1の制御部、24は室内ユニットaと室内ユニットbの第2の制御部、25は外部取付け装置Cの第3の制御部である。続きを表示(全22行)【0032】19は第1の制御部23と第2の制御部24と第3の制御部25を接続する伝送線、21は上位の集中管理制御機器20と前記制御部23を接続する集中管理制御伝送線、22は冷媒漏洩検知器Dと前記制御部25を接続する制御通信線であり、全てを接続することで、一つの制御システムを構成している。【0033】これにより室外ユニットA,室内ユニットa,室内ユニットb,外部取付け装置C,上位の集中管理制御機器20,リモコン17は、お互いに情報を交換し、予め記憶された制御プログラムに基づいて制御されることになる。【0034】なお、本実施例は冷媒漏洩検知器Dの検知手段や方法について言及していないが、冷媒ガス濃度検知またはサイクル温度や圧力変動検知など、如何なる検知手段や方法を問わず対応できる。要は冷媒漏洩検知器Dで検知した冷媒漏洩の情報を、外部取付け装置Cの制御部25へ制御通信線22によって伝送できれば良い。【実施例2】【0035】図3は、本発明の空気調和機の一実施例として挙げられるマルチ型の空気調和機(マルチエアコン)の冷凍サイクル構成図である。【0036】実施例1では外部取付け装置C(Ca1,Ca2,・・・Can,Cb1,Cb2,・・・Cbn)は個々の筐体で構成されているが、図3の実施例2のように一つの筐体内で構成されていても良い。過去の例では、一つの筐体内で膨張弁6を複数台有した外部取付け装置が存在するが、7の電磁弁を持たないため、冷媒漏洩遮断することができなかった。しかし、これに7の電磁弁を追加するのみで、冷媒漏洩遮断の機能を有することが可能であり、コストを抑えることができる。なお、各々の配管に電磁弁7を個々に有しているが、これを一つに纏めれば、更なるコストダウンを図ることができる。【実施例3】【0037】図4は、本発明の空気調和機の一実施例として挙げられるマルチ型の空気調和機(マルチエアコン)の冷凍サイクル構成図である。【0038】本実施例では、室内ユニットに冷房運転と暖房運転とを混在させることができる熱回収型の室外ユニットと複数台の室内ユニットに外部取付け装置とガス側冷媒配管E1を2本備える(高低圧が切り替わるガス配管と低圧ガス配管)。例えば、室内ユニットa1を冷房、室内ユニットb1を暖房とする場合、外部取付け装置内の膨張弁6a,6cを開、6bを閉とし、外部取付け装置内の膨張弁6e,6fを開、6dを閉とする。【0039】このマルチ型の空気調和機(マルチエアコン)においても、外部取付け装置の本来機能(室内ユニットの冷房と暖房の負荷状態に応じ、高圧ガスと低圧ガスを切り替えするための冷凍サイクル回路切替機能や制御通信機能)に、本来機能とは別の冷媒漏洩遮断機能を付加することで、上記と同じ効果が得られる。」
「【図1】[図:0001393003000008.jpg]」
「【図2】[図:0001393003000009.jpg]」
「【図3】[図:0001393003000010.jpg]」
「【図4】[図:0001393003000011.jpg]」
したがって、上記引用文献6には、「制御部が、冷媒の漏洩時に冷媒漏洩検知器からの情報に基づいて、複数の室内ユニットのうち冷媒の漏洩が発生した室内ユニットに対応する膨張弁及び電磁弁だけを閉止させる技術。」という技術的事項(以下、「引用文献6記載事項」という。)が記載されていると認められる。
7.引用文献7について
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された上記引用文献7には、「空気調和装置」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。
「第2図は本発明の他実施例を示すもので、一実施例と異なるのは液側分岐管(9a)(9b)(9c)の開閉弁(11a)(11b)(11c)と減圧器(7a)(7b)(7c)の代わりに冷媒減圧作用と冷媒遮断作用を有する電気式膨張弁(17a)(17b)(17c)を設けた点であり、例えば室内ユニット(5a)から冷媒ガスが漏れると一実施例と同様に制御手段(12a)が作動して開閉弁(10a)と電気式膨張弁(17a)とが閉塞し、冷媒ガスの漏れを最小限にくい止めるようになっている。尚、上記両実施例において、開閉弁(10a)(10b)(10c),(11a)(11b)(11c)及び電気式膨張弁(17a)(17b)(17c)を開閉させることにより室内ユニット(5a)(5b)(5c)の同時運転と単独運転との切換えを行なうことができる。」(公報第3ページ左上欄第7ないし20行)
「[図:0001393003000012.jpg]」
したがって、上記引用文献7には、「ガス側の開閉弁(遮断弁)を室内ユニットに設ける技術。」という技術的事項(以下、「引用文献7記載事項」という。)が記載されていると認められる。
8.引用文献8について
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された上記引用文献8には、「空気調和機の防食方法及び判定装置」に関して、次の事項が記載されている。
「【0004】【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような現状に鑑み、アンモニア等の腐食性物質に晒される環境下に設置される空気調和機、特に、空気調和機を構成する銅製冷媒配管、熱交換器、圧縮機、膨張弁、キャピラリーチューブ、アキュームレーター、その他の部材の優れた防食方法及びこの防食方法の適用の是否を決定するための判定装置を提供することをその課題とするものである。【0005】【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を解決するために、防食に用いる樹脂に着目して鋭意検討を重ねた結果、熱硬化性樹脂を用いることによって、アンモニアに晒される環境下に設置される空気調和機の優れた防食方法となるということを及びこの防食方法の適用の是否を決定するための判定装置を見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。続きを表示(全25行)【0006】すなわち、本発明によれば、空気調和機を構成する部材を、熱硬化性樹脂により被覆することを特徴とする空気調和機の防食方法及びこの防食方法の適用の是否を決定するための判定装置が提供される。【0007】【発明の実施の形態】空気調和機設備の冷媒循環経路には、冷媒ガスの種類により異なるが、代表的な冷媒HCFC-22の場合、冷媒の圧力が最大0.28Psがかかり、また、冷媒配管の肉厚は0.8~1.2mm程度であるため、銅製部材の僅かな腐食によっても、内部の冷媒ガスは外部に漏洩してしまうものである。【0008】図1は、冷媒サイクルの一例を示す図である。水冷式の場合は、凝縮器1は、水冷却による冷媒の凝縮器に変わり、全部が室内機となる。Aの部分は、完全にパッケージされた装置となっていて、Bの部分は、パッケージされた室外機となっている。図1のうち、圧縮機がBの部分に入り、室外機となる場合もある。A、B部分は、室外機となっている場合もあれば、室内機となっている場合もある空冷ヒートポンプ空気調和機のように、季節毎に吸熱、放熱の機器に変化させる場合もある。【0009】空気調和機にあっては、鉄と銅管、真鍮と銅管、銅管と銅管との接続は、銀ロウにフラックスを付けて火気により溶接することによってなされる。また、銅管と銅管の場合は、リン銅ロウを溶接機を用いて火気により溶接することが一般的である。この場合、高熱のため、銅部分が強酸化されて銅管の肉厚部が燃焼してさらに薄くなり、冷媒ガスの圧力に耐えられなくなり、冷媒ガスが漏洩することとなるのである。これは、配管を構成する部材として用いる銅がアンモニア水により、銅アンモニア錯塩を形成し、銅部材を溶解させ、銅管の肉厚を薄くさせたり、溶接部のロウ分を溶解させ、溶接形態を不完全にすることに起因するものである。【0010】本発明の防食方法は、このような状況下にある空気調和機に有効に適用されるものである。なお、本発明においては、主としてアンモニア冷媒を用いた場合について説明するが、アンモニア冷媒以外の他の冷媒を用いた場合においても、本発明の防食方法は有効に適用され、冷媒の種類によって左右されるものではない。以下に、本発明に係る防食方法の手順を説明する。〔空気調和機が既設の場合〕冷媒ガスの漏洩があるときは、冷凍機油が冷媒ガスと共に噴出し、配管及びその周囲が油分で汚染され、さらには塵埃等が付着して汚染が著しくなっている。また、圧縮機の出入口付近の銅管は、圧縮機の圧縮熱及びモーターの発熱により焼けて黒く変色している。【0011】このような状況において、本発明の防食方法は、例えば、次の手順をとるものであるが、この手順や部材に限定されるものではない。1.冷媒ガスの漏洩箇所を探知、特定する。2.ポンプダウンして、冷媒ガスを凝縮器に収集する。収集できないものは、下記3に移る。3.残留ガスは、ガス回収機により抜き取り、内圧を大気圧と等しくする。4.漏洩箇所にロウ材を用い、火気により溶接処理を施す。5.窒素ガス等により内圧をかけて、漏洩がないことを確認する。6.機器、配管等に付着した油分、塵埃を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を水で希釈したアルカリ性水溶液を用いて洗浄、脱脂する。7.弱酸性水溶液を用いて中和処理する。8.水洗を繰り返し、アルカリ、酸を除去する。9.乾燥する。この乾燥は、自然放置、自有ファン、別途用意した熱風乾燥機を用いる等のいずれの方法であってもよい。10.すでに侵食されている部分は、紙ヤスリ等により被覆部を磨き、付着した錯塩を除去する。摩擦粉は圧縮空気等により離散させる。11.アルカリ、酸洗浄ができない場合又は洗浄不十分な場合は、塩素系有機溶剤を用いて、ブラシ、ウェス等により油分や塵埃を拭き取る。12.乾燥後、熱硬化性樹脂を銅部材に筆、刷毛、ブラシ等で塗布し、乾燥することによって銅部材を被覆する。【0012】熱硬化性樹脂は、耐アンモニア性であって、空気調和機構成部材を侵すことのないものが好ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられるが、中でもエポキシ樹脂(以下、単に樹脂ということがある)が好適である。・・・」
したがって、上記引用文献8には、「空気調和機設備の冷媒配管に冷媒漏洩が生じた際、ロウ材で溶接を施し、その後熱硬化性樹脂で被覆をする技術であって、被覆材の材料としてウレタン樹脂を用いること。」という技術的事項(以下、「引用文献8記載事項」という。)が記載されていると認められる。
第5 対比・判断
1.本願発明1について
原査定では、本願発明1は、引用発明及び引用文献2、3に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとしている。そこで、本願発明1と引用発明とを対比する。
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明の「空気調和システム1」が備えるとする「室外ユニット2」、「液冷媒連絡管5」、「ガス冷媒連絡管6」、「室内ユニット2」、「ガス側遮断弁8a、8b」、「冷媒漏洩検知装置9a、9b」、「システム制御部11」は、それぞれ本願発明1の「空気調和装置」が備えるとする「室外ユニット」、「液冷媒連絡管」、「ガス冷媒連絡管」、「室内ユニット2」、「ガス側遮断弁」、「冷媒漏洩検知手段」、「制御部」に相当する。
イ 引用発明における「室内ユニット2」が有する「冷媒と室内空気との熱交換を行うことで冷媒の蒸発器又は放熱器として機能する室内熱交換器42a、42b」、「冷房運転や暖房運転において開度制御が行われる室内膨張弁41a、41b」は、それぞれ、本願発明1における「室内ユニット」が有する「前記液冷媒連絡管及び前記ガス冷媒連絡管を通じて前記室外ユニットとやりとりされる冷媒と空調対象空間に送られる空気との熱交換を行う室内熱交換器」、「前記冷媒の減圧を行う室内膨張弁」に相当する。
また、引用発明の「室内ユニット2」と「液冷媒連絡管4」及び「ガス冷媒連絡管6」との間の冷媒流路構成に関する「前記室内ユニット4a、4bは、液冷媒連絡管5が各室内ユニットごとに分岐した箇所に液側遮断弁7a、7bが接続され、各液側遮断弁7a、7bの下流に液冷媒分岐管50a、50bが、各室内ユニット4a、4b内の室内膨張弁41a、41bまで延びて接続され、各室内膨張弁41a、41bの下流に、各室内熱交換器42a、42bが接続され、各室内熱交換器42a、42bからガス冷媒分岐管60a、60bに、ガス側遮断弁8a、8bを介してガス冷媒連絡管6に至るように冷媒流路が構成され」るとした事項は、本願発明1の「前記液冷媒連絡管及び前記ガス冷媒連絡管を介して前記室外ユニットに接続されており」及び「前記室内熱交換器の液側と前記室内膨張弁との間を接続する熱交側室内液冷媒管」とされる点、並びに「前記室内膨張弁と前記液冷媒連絡管との間を接続する連絡側室内液冷媒管」と「を有する」点、「ガス側遮断弁」が「前記室内熱交換器のガス側に接続される」点に相当する。
ウ 引用発明の「システム制御部11」が「前記冷媒漏洩検知装置9a、9bから出力される冷媒の漏洩が発生していることを示す信号が発生したことを受けて、液側遮断弁7a、7b及びガス側遮断弁8a、8bを閉止するものであって、室内膨張弁41a、41bを閉状態にした場合の遮断性能(閉状態における弁漏れ量等)が遮断弁で必要な遮断性能を満たす場合には、室内膨張弁41a、41bを液側遮断弁7a、7bと兼用し、該室内膨張弁41a、41bを該ガス側遮断弁8a、8bとともに閉止させる」点と、本願発明1の「制御部」が「前記冷媒の漏洩時に前記冷媒漏洩検知手段の情報に基づいて、前記室内膨張弁及び前記ガス側遮断弁を閉止させる」点とは、「前記冷媒の漏洩時に前記冷媒漏洩検知手段の情報に基づいて、前記室内膨張弁及び前記ガス側遮断弁を閉止させる」限りで一致する。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「室外ユニットと、液冷媒連絡管及びガス冷媒連絡管と、前記液冷媒連絡管及び前記ガス冷媒連絡管を介して前記室外ユニットに接続されており、前記液冷媒連絡管及び前記ガス冷媒連絡管を通じて前記室外ユニットとやりとりされる冷媒と空調対象空間に送られる空気との熱交換を行う室内熱交換器と、前記冷媒の減圧を行う室内膨張弁と、前記室内熱交換器の液側と前記室内膨張弁との間を接続する熱交側室内液冷媒管と、前記室内膨張弁と前記液冷媒連絡管との間を接続する連絡側室内液冷媒管と、を有する前記空調対象空間に配置される室内ユニットと、前記室内熱交換器のガス側に接続されるガス側遮断弁と、前記冷媒の漏洩を検知する冷媒漏洩検知手段と、制御部と、を備えており、前記制御部は、前記冷媒の漏洩時に前記冷媒漏洩検知手段の情報に基づいて、前記室内膨張弁及び前記ガス側遮断弁を閉止させる、空気調和装置。」
(相違点)
(相違点1)本願発明1は「前記室内膨張弁と前記連絡側室内液冷媒管とは、ロウ付けによって接続されており、前記室内膨張弁と前記連絡側室内液冷媒管とのロウ付け部には、コーティング材が設けられて」いるという構成を備えるのに対し、引用発明はそのような構成を備えていない点。
(相違点2)「ガス側遮断弁を閉止させる」ことに関して、本願発明1では、「制御部」が「前記制御部は、前記冷媒の漏洩時に前記冷媒漏洩検知手段の情報に基づいて、前記室内膨張弁及び前記ガス側遮断弁を閉止させる」のに対して、引用発明では「室内膨張弁41a、41bを閉状態にした場合の遮断性能(閉状態における弁漏れ量等)が遮断弁で必要な遮断性能を満たす場合には、室内膨張弁41a、41bを液側遮断弁7a、7bと兼用」するとの条件付きで実行されている点。
(2)相違点についての判断
上記相違点1、2について検討する。
[相違点1について]
引用文献2記載事項は、「圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、膨張弁4、分流合流器8および室内熱交換器5を配管6、7、11a、11b、11c、11d、分流管9a、9b、9c、9d、で接続して構成された冷凍サイクルで構成される空気調和機であって、
膨張弁4の継ぎ手管14の冷媒配管7への接続をろう付けで行う際、双方のろう付け性を高めろう付け不良による冷媒漏れをなくすよう、冷媒流路内に配置されるオリフィス管の長手方向中央部外周につばを設け、冷媒配管7の先端を、当該つばに当接しかつオリフィス管の外周を覆うい、つばを経てその先に配置される継ぎ手管を覆うよう先端を拡管させ、継ぎ手管14とオリフィス管と冷媒配管7の三者をろう付け(23)すること。」であり、
引用文献3記載事項は、
「冷凍装置の配管に、銅パイプ102と鋼管101がろう付けの接続によって一体化される際の電解腐食対策として、接続外面に耐候性粉末ポリエステル粉末噴射を加えること。」であるところ、
引用文献2記載事項は、「前記室内膨張弁と前記連絡側室内液冷媒管とのロウ付け部には、コーティング材が設けられて」いるという事項を示しておらず、
引用文献3記載事項は、「前記室内膨張弁と前記連絡側室内液冷媒管とのロウ付け」に関するものでないから、引用文献2記載事項、及び引用文献3記載事項は、相違点1に係る本願発明1の発明特定事項である、「前記室内膨張弁と前記連絡側室内液冷媒管とは、ロウ付けによって接続されており、前記室内膨張弁と前記連絡側室内液冷媒管とのロウ付け部には、コーティング材が設けられて」いるという事項について示していない。
また、引用文献3記載事項は、銅パイプ102と鋼管101との、異種金属のロウ付けにおいて、電解腐食対策のために、銅パイプ102と鋼管101との接続外面に耐候性粉末ポリエステル粉末噴射を加えることに関するものであるが、
引用発明において、室内膨張弁41a、41bと液冷媒分岐管50a、50bとを接続するにあたって、異種金属のロウ付けを行うことにつき記載や示唆がなく、室内膨張弁41a、41bと液冷媒分岐管50a、50bとを接続するにあたって、異種金属のロウ付けを行うことが技術常識であるともいえないから、引用発明に引用文献3記載事項を適用する動機付けを見出すことはできない。
そうすると、相違点2について検討するまでもなく、引用発明に、引用文献2記載事項及び引用文献3記載事項を適用して、本願発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たとはいえない。
また、引用文献4ないし8においても、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項について記載や示唆がされていないため、引用発明に、引用文献2ないし8記載事項を適用して、本願発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たとはいえない。
2.本願発明2ないし13について
本願発明2ないし13は、上記相違点1に係る本願発明1の「前記室内膨張弁と前記連絡側室内液冷媒管とは、ロウ付けによって接続されており、前記室内膨張弁と前記連絡側室内液冷媒管とのロウ付け部には、コーティング材が設けられて」いることを発明特定事項として含むものであるから、上記1.で判断したとおり、本願発明2ないし13は、引用発明に、引用文献2ないし8記載事項を適用することにより、当業者が容易になし得たとはいえない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明1-13は、当業者が引用発明及び引用文献2ないし8に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-008607