商標拒絶査定不服審判
2022-008420
ベンリナツカイキリ
- 審判番号
- 2022-008420
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-091033
- 請求日
- 2022年06月02日
- 審決日
- 2023年05月30日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ヤマキ株式会社
- 【請求人代理人】八木田 智
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .16 -Z (W2930)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、特許法第150条第5項、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021- 91033拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年7月20日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 9月21日付け:拒絶理由通知書
令和3年12月 1日 :意見書の提出
令和4年 2月22日付け:拒絶査定
令和4年 6月 2日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第29類「加工水産物,お茶漬けのり,ふりかけ」及び第30類「調味料」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、文字をありふれた輪郭で囲んだりすることは、食品を取り扱う業界においては普通に採択、使用されているから、いまだ普通に用いられる域を出ない方法で表されているものといえる。本願商標の構成中、「便利」の文字は、「都合のよいこと。うまく役立つこと。」等の意味を有する語である。そして、本願の指定商品を始め食品関係を取り扱う業界において、最適な量を使い切るのに便利な商品について、「使い切り」、「便利な使い切り」等の文字が使用されている事実がある。そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、商品の品質を簡潔に表した宣伝広告の一種であると理解するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知
審判長は、本願商標が、商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲3に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、令和4年12月16日付け証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。
5 証拠調べ通知に対する請求人の意見(要旨)
請求人は、前記4の証拠調べ通知に対し、令和5年2月13日付け意見書を提出し、要旨以下のように主張した。
(1)本願商標は、上下方向に延びる黄色で着色した雲形の図案の中に「便利な使い切り」の文字を縦に書してなり、前記雲形の図案は、単に上下方向に延びているだけでなく、上から下にかけて徐々に僅かに幅が狭くなるようにデザインされたものであり、これに合わせて雲形図案の中に書した文字も上から下に掛けて徐々に僅かに小さくなるように表示されている。このような雲形図形は見ることはない。
(2)証拠調べにおいて挙げられた別掲3(1)について、上から下に掛けて徐々に幅が狭くなるようにデザインされた雲形図形である点で本願商標の図形と一致しているが、当該図形は雲の印象を強くするために図形を白色として輪郭をぼやかしている点で、雲形図形を黄色で着色して輪郭をはっきりさせた本願商標の図形とは明らかに異なる。
(3)証拠調べにおいて挙げられた別掲3(2)ないし(9)について、上から下にかけて徐々に僅かに幅が狭くなるようにデザインされた本願商標の図形とは明らかに異なる。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、曲線により構成された黄色地の縦長輪郭図形内に、「便利な使い切り」の文字を赤色で縦書きしてなるところ、その構成中、「便利」の文字は「都合のよいこと。うまく役立つこと。」等の意味を有し(「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)、「使い切り」の文字は「全部使ってしまうこと。一度で使い切れる大きさの包装などにもいう。」等の意味を有する語(「デジタル大辞泉」株式会社小学館)であるから、その構成文字全体からは「都合よく全部使う」、「都合のよい一度で使い切れる大きさの包装」の意味合いを容易に認識し得るものである。
そして、本願の指定商品を含む食品を取り扱う業界では、最適な量を使い切るのに便利な商品、都合良く一度で使い切れる大きさの包装からなる商品を「便利な使い切り」のように称し、販売されている事実があることは、別掲2の用例から裏付けられる。
また、本願の指定商品を含む食品を取り扱う業界では、縦書き、横書きの相違はあるとしても、商品を需要者に訴求したり、文字を目立たせるために、色彩を用いて文字を表したり、曲線により構成された輪郭図形で文字を囲むことが一般に行われていることは、別掲3のとおりであるから、本願商標の縦長輪郭図形は、図形内の文字を印象付けるために配されているものであって、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認められない。
以上の内容を踏まえると、本願商標は、「最適な量を使い切るのに便利な商品」、「都合良く一度で使い切れる大きさの包装からなる商品」という商品の品質若しくは特徴を表す文字とそれを印象づけるための輪郭図形により構成されるにすぎないものであるから、本願商標に接する取引者、需要者は、商品の品質若しくは特徴を簡潔に表した宣伝広告の一種であると理解するにとどまるというのが相当である。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、上下方向に延びる黄色で着色した雲形の図案の中に「便利な使い切り」の文字を縦に書してなり、前記雲形の図案は、単に上下方向に延びているだけでなく、上から下にかけて徐々に僅かに幅が狭くなるようにデザインされたものであり、これに合わせて雲形図案の中に書した文字も上から下に掛けて徐々に僅かに小さくなるように表示されている。このような雲形図形は見ることはない旨主張する。
しかしながら、本願商標の文字部分及び曲線からなる輪郭図形が、上から下にかけて徐々に僅かに幅が狭くなるようにデザインされたものであることを一見して視認し得るものとはいい難く、本願の指定商品を含む食品を取り扱う業界において、縦書き、横書きの相違はあるとしても、商品を需要者に訴求したり、文字を目立たせるために、曲線により構成された輪郭図形で文字を囲むことが一般に行われていることは別掲(3)のとおりであるから、本願商標における黄色地の輪郭図形は、このような図形の類型の一つと認識されるにすぎない。
イ 請求人は、過去の登録例を挙げ、本願も同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項各号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本件については、前記(1)のとおりであるから、請求人の挙げた商標登録例があることが、本件の判断を左右するものではない。
ウ したがって、請求人の前記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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