商標拒絶査定不服審判
2022-008155
- 審判番号
- 2022-008155
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-020790
- 請求日
- 2022年05月31日
- 審決日
- 2023年05月12日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ワールドワイド ダイヤモンド トレードマークス リミテッド
- 【請求人代理人】横井 幸喜
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T18 .16 -Z (W14)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第5条第4項、特許法第150条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-20790拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1(1)のとおりの構成からなり、商標法第5条第4項に基づく「商標の詳細な説明」を願書記載のとおりに記載して、第14類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和2年2月27日に位置商標として登録出願されたものである。
原審では、令和3年5月31日付けで拒絶理由の通知、同年8月20日付けで意見書及び手続補正書の提出、同4年2月28日付けで拒絶査定されたもので、これに対して同年5月31日に本件拒絶査定不服審判が請求されている。
本願商標の指定商品は、原審における上記の手続補正書により、第14類「非円形のダイヤモンド,非円形のダイヤモンドの身飾品」に、「商標の詳細な説明」は、別掲1(2)のとおりに補正された。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、別掲1(1)のとおりの構成からなる位置商標であり、その詳細な説明を参酌すると、非円形のダイヤモンドの表裏の一方の中央のハート型の図形と、他方の中央の矢印型の図形を表してなる。
そして、本願商標の指定商品を取り扱う業界においては、宝石のカットの方法により、スクエア、星型、ハート型など様々な模様やデザインが光の反射で映し出され、その模様やデザインは、ダイヤモンドの大きさや形状の他に、需要者が商品を選ぶための指標の一とされている実情がある。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、需要者は、単にハート型と矢印型の模様やデザインを商品の表裏の中央に表したものであると理解するにとどまり、自他商品の識別標識として機能し得ないから、本願商標は、何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
3 当審における証拠調べ通知(令和4年12月5日付け証拠調べ通知書)
本願商標が、その指定商品との関係において、商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2のとおりの事例を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条の規定に基づき通知し、意見を求めた。
4 上記通知に対する請求人の意見(要旨)
別掲2の事例は、すべて丸いダイヤモンドのみを描いた事例であり、請求人の丸くないトレードドレスとは区別されているから、本願商標がこれらとは区別されるユニークなものであることを明確に示す根拠となっている。
したがって、本願商標をその指定商品に使用しても、需要者は、証拠に示された商標とは異なるユニークな商標であると理解する。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性
ア 本願商標について
(ア)本願商標は、別掲1(1)及び(2)のとおり、(a)非円形のダイヤモンドの表裏の中央の位置に、(b)上下左右が対称となるように放射状に、外側にハート状の図形8個を、内側に矢尻状の図形8個を配置してなる図形(図柄)と、(c)その反対面に、上下左右が対称となるように放射状に、矢印型の図形と縦長三角形を組み合わせた図形8個を配置してなる図形(図柄)を表してなる位置商標である。
このように、本願商標は、一定のモチーフの図形を放射状に、上下左右が対称となるように規則的に組み合わせた図形(図柄)を描いてなるものであるから、その表示位置(ダイヤモンドの表裏中央)も相まって、構成全体をして、ダイヤモンドに表示又は描写された何らかの模様(幾何学模様)を表してなると看取できる。
(イ)そして、本願商標の指定商品と関連する宝飾品に係る取引業界においては、別掲2のとおり、一定のカット(ある範囲のプロポーションとある水準以上のシンメトリー)が施されたダイヤモンドには、本願商標とほぼ同一構成の「ハート&アロー」(又は「ハート&キューピッド」、「華標」など)と称される模様が浮かび上がることが知られており、当該模様の有無が、ダイヤモンド(カット)の品質評価にもつながる実情がある。
(ウ)そうすると、本願商標は、その構成及び位置を鑑みると、その指定商品に係る需要者をして、単に一定のカットが施された商品(ダイヤモンド)に浮かび上がる模様を表してなると認識、理解されるというべきであり、自他商品の出所識別標識たり得る特徴を備えるものではない。
イ 請求人の主張について
(ア)請求人は、本願商標は、日本国内においてダイヤモンドの模様等としてありふれたものとはいえず、特徴的な形状として取引者、需要者に強い印象を与えるもので、ハート&アローを単にダイヤモンドの模様やデザインとして広く利用している事実もないから、取引者、需要者は、本願商標をして請求人の業務に係る商品であることを認識して取引を行う旨を主張する。
しかしながら、上記ア(イ)のとおり、宝飾品に係る取引業界においては、一定のカットが施されたダイヤモンドには、本願商標とほぼ同一構成の模様が浮かび上がることが知られており、当該模様の有無が、ダイヤモンド(カット)の品質評価にもつながる実情がある。
そうすると、本願商標は、その構成及び位置を鑑みると、その指定商品に係る需要者をして、商品(ダイヤモンド)に浮かび上がる模様を表してなると認識、理解されるというべきで、そのダイヤモンド(カット)の品質評価につながり得るとしても、自他商品の出所識別標識たり得る特徴を備えるものではない。
(イ)請求人は、別掲2の事例は、すべて丸いダイヤモンドのみを描いた事例であり、請求人の丸くないトレードドレスとは区別されているから、本願商標がこれらとは区別されるユニークなものであることを明確に示す根拠となっている旨を主張する。
しかしながら、ダイヤモンドの形状が円形か非円形かに関わらず、本願商標がダイヤモンドに表示される模様である限りにおいて、商品(ダイヤモンド)に浮かび上がる模様を表してなることに相違ない。
そして、上記ア(イ)のとおり、宝飾品に係る取引業界においては、一定のカットが施されたダイヤモンドには、本願商標とほぼ同一構成の模様が浮かび上がることが知られていることを踏まえると、ダイヤモンドの形状が円形か非円形かに関わらず、本願商標は、ダイヤモンド(カット)の品質評価につながり得るような、商品(ダイヤモンド)に浮かび上がる模様を表してなるにすぎず、当該図形から他人の商品と請求人の商品を判別する等、自他商品の出所識別標識たり得る特徴を備えるものではない。
(2)まとめ
以上のとおり、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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