商標拒絶査定不服審判
2022-007764
フレグランスラベンダー、フレグランス、ラベンダー
- 審判番号
- 2022-007764
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-117606
- 請求日
- 2022年05月24日
- 審決日
- 2023年05月30日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】山田 威一郎
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 分類
- T18 .16 -Z (W010305)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項第3号、商標法第3条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-117606拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び本願の手続きの経緯
本願商標は、「フレグランスラベンダー」の文字を標準文字で表してなり、第1類、第3類及び第5類に属する別掲1に記載のとおりの商品を指定商品として、令和2年9月24日に登録出願されたものです。
本願は、令和3年10月20日付けで拒絶理由の通知がされ、同年11月8日に意見書が提出されたが、同4年2月21日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年5月24日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、本願商標は「フレグランスラベンダー」の文字を標準文字で表してなるところ、構成中「フレグランス」の文字は「香り。芳香。また、香水などの芳香化粧品」の意味を有し、「ラベンダー」の文字は「シソ科の木質常緑多年草」の意味を有する語で、本願の指定商品を取り扱う業界においては、「フレグランス」及び「ラベンダー」の文字が「ラベンダーの香りを有した芳香性商品」に使用され、販売取引されている実情が確認できるため、本願商標をその指定商品中「除菌剤(洗濯用のもの及び薬剤に属するものを除く。),洗濯用除菌剤,洗濯用柔軟剤,芳香洗浄剤,その他のせっけん類,歯磨き,化粧品,香料,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料」等の「芳香性商品」に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が「ラベンダーの香りを有した芳香性商品」あるいは「ラベンダーの香りを有した芳香性化粧品」であること、すなわち、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまり、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における審尋
当審において、令和5年3月31日付け審尋(以下「審尋」という。)により、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、別掲2のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
第4 審尋に対する請求人の回答(要旨)
請求人は、上記第3の審尋に対し、令和5年4月5日付け回答書(以下「回答書」という。)を提出し、回答書において、要旨、以下、1及び2のとおりの意見を述べた。
1 本願商標が一体不可分の造語又は商品の品質を暗示的に示す表示にすぎないという判断であれば、そのような商標に対して、自他商品識別力に関する包括規定である商標法第3条第1項第6号を適用することは妥当ではない。
2 請求人は、本願商標をトイレ用洗剤(ブランド名:ブルーレットスタンピー)のサブブランド名として採用し、商品の包装にも本願商標を付して使用しているため、現実の取引の場で、本願商標に接し、商品パッケージを目にした取引者、需要者は、本願商標を請求人の商品の出所識別標識として認識するといえる。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「フレグランスラベンダー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「フレグランス」の語は「香水など、香りを楽しむ商品の総称」を意味する語(出典:知恵蔵(朝日新聞社))であり、また、構成中の「ラベンダー」は「シソ科の木質常緑多年草。地中海沿岸原産。高さ60センチメートル、葉は線形、白粉を帯びる。夏、頂に穂状をなして青紫色の小花をつける。花を蒸留して揮発性のラベンダー油をとり、香料・薬用とする。北海道などで栽培。ラワンデル。」を意味する英語「lavender」(出典:広辞苑第7版(株式会社岩波書店))を片仮名で表記したものと容易に認識できるものであるから、本願商標は、これらの文字の意味合いから、構成文字全体として、ラベンダーの香りの商品のような意味合いを容易に理解するといえる。
そして、別掲2のとおり、本願の指定商品中の「芳香性を有する商品」(例えば、化粧品、香料、消臭芳香剤(身体用のものを除く。)、芳香消臭剤(工業用・身体用及び動物用消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。)等)の分野において、ラベンダーの香りの商品に関する宣伝や紹介記事において、「フレグランス」及び「ラベンダー」の文字が使用されていることが確認できる。
そうすると、本願商標は、これを本願の指定商品中の「芳香性を有する商品」に使用しても、これに接する需要者、取引者は、「ラベンダーの香りの商品」の宣伝や紹介であることを認識するにすぎないものであって、本願商標を自他商品の識別標識として認識しないものと判断するのが相当である。
よって、本願商標を本願の指定商品中の「芳香性を有する商品」に使用しても、自他商品の識別標識と認識し得る構成要素を有さないことから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない商標である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、回答書において、本願商標が一体不可分の造語又は商品の品質を暗示的に示す表示にすぎないという判断であれば、そのような商標に対して、自他商品識別力に関する包括規定である商標法第3条第1項第6号を適用することは妥当ではない旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標は、構成文字全体として、ラベンダーの香りの商品のような意味合いを容易に理解するものであり、別掲2のとおり、「芳香性を有する商品」の分野において、ラベンダーの香りの商品に関する宣伝や紹介記事において、「フレグランス」及び「ラベンダー」の文字が使用されていることが確認できることからすると、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を有さないものと判断すべきものである。
なお、本願商標が商標法第3条第1第6号に該当すると判断したのは、上記のとおり、本願商標が本願の指定商品中の「芳香性を有する商品」について、自他商品の識別標識としての機能を有さないものと判断したものであり、本願商標が一体不可分の造語又は商品の品質を暗示的に示す表示にすぎないと判断したものではない。
(2)請求人は、回答書において、本願商標をトイレ用洗剤(ブランド名:ブルーレットスタンピー)のサブブランド名として採用し、商品の包装にも本願商標を付して使用しているため、現実の取引の場で、本願商標に接し、商品パッケージを目にした取引者、需要者は、本願商標を請求人の商品の出所識別標識として認識するといえる旨主張する。
確かに、請求人が、「フレグランスラベンダー」の文字をトイレ用洗剤に使用していることは回答書の記載から確認できる。
しかしながら、請求人の主張のとおり、請求人が取り扱うトイレ用洗剤には、「ブルーレットスタンピー」の商品名が使用されており、「フレグランスラベンダー」の文字は、当該商品がラベンダーの香りであることを表しているにすぎないものと判断するのが相当である。
また、請求人の取り扱うトイレ用洗剤についての売上高、宣伝広告の方法市場占有率等が明らかでないことからすると、現実の取引の場で、本願商標に接し、商品パッケージを目にした取引者、需要者は、本願商標を請求人の商品の出所識別標識として認識するという請求人の主張は採用することができない。
(3)請求人は、審判請求書において、本願商標の自他商品識別力の有無の判断に当たって、過去の審決例や登録例と異なった判断基準を採用する合理性はない旨主張する。
しかしながら、登録出願された商標が自他商品の識別機能を有するか否かは、当該登録出願の査定時又は審決時において、これに接する取引者、需要者の認識を基準として判断されるべきであり、当該商標の構成態様と指定商品との関係や商品の取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるものであって、請求人が提示した先例の存在によって、本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性の判断が左右されるものではなく、平等原則及び信義則の観点にもとるものではない。
(4)請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、また、その他の請求人の主張も、採用するべき事情はない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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