商標拒絶査定不服審判
2022-007699
トッキョドージツーヤク、ドージツーヤク
- 審判番号
- 2022-007699
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-085694
- 請求日
- 2022年05月23日
- 審決日
- 2023年07月05日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】正林 真之
- 【請求人代理人】林 栄二
- 【請求人代理人】篠田 貴子
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 山田 啓之
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .13 -Z (W09163536414245) / T18 .272-Z (W09163536414245)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-85694拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年7月10日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 8月 4日付け:拒絶理由通知書
令和3年 9月21日付け:意見書、手続補正書
令和4年 2月 7日付け:拒絶査定
令和4年 5月23日付け:審判請求書
令和5年 3月13日付け:審尋
令和5年 4月24日付け:意見書
第2 本願商標
本願商標は、「特許同時通訳」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第16類、第35類、第36類、第41類、第42類及び第45類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、上記第1の手続補正により、別掲1に記載のとおりの指定商品及び指定役務に補正されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標は、「特許同時通訳」の文字を標準文字で表してなるところ、この文字は、広く親しまれた「特許」の語及び「同時通訳」の語から構成されているものと容易に把握されるものである。
そして、「特許」の語は、知的財産権の一つを表すものであり、特許に関する通訳が、一般的に「特許通訳」と称されている実情がうかがえるとともに、本願商標に係る補正後の指定商品・指定役務中の教育業界においては、通訳に関するセミナー・資格試験・知識の教授等の役務が提供されている実情がうかがえる。
そうすると、本願商標を補正後の指定商品・指定役務中、第41類「その他のセミナー・シンポジウム・会議・講演会の企画・運営又は開催,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授」等に使用しても、これに接する需要者・取引者は、「特許に関する同時通訳を内容とする役務」と認識するにすぎず、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示する商標と判断するのが相当である。
したがって、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
第4 当審における審尋
当審において、本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について、請求人に対し、審尋で、別掲3ないし6のとおりの事実を示すとともに、当審における合議体の暫定的見解について通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 審尋に対する請求人の回答の要旨
請求人は、上記第4の審尋に対し、意見書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
原審及び当審における審尋で示されている事実は、通訳及び翻訳に関する商品及び役務であり、本願商標に係る指定商品及び指定役務とは異にするものであって、自他商品等識別力を有さないとの根拠にはなりえず、審尋での認定に誤りがある。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、「特許同時通訳」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「特許」の文字は、知的財産権の一つを表すものであり、「同時通訳」の文字は、「通訳にあたる者が話し手の発言とほぼ同時に通訳する方式。」(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)を意味する語であるから、本願商標は全体として「特許に関する同時通訳」ほどの意味合いが容易に理解されるものである。
そして、別掲2のとおり、事業活動のグローバル化を背景に、特許に関する通訳が、一般的に「特許通訳」等と称されている実情が認められる。
また、別掲3のとおり、電子機器やコンピュータソフトウェアを取り扱う業界において、通訳機能や同時通訳機能を有する機器、アプリケーション及びそのための役務が提供されている実情や、別掲4のとおり、書籍を取り扱う業界において、通訳に関する書籍が販売されている実情が認められる。
さらに、別掲5のとおり、教育業界においては、通訳に関するセミナー・資格試験・知識の教授等の役務が提供されている実情が認められる。
加えて、別掲6のとおり、工業所有権に関する手続の代理等を取り扱う業界において、提供する役務に付随して通訳が提供されることがあることもうかがえるものである。
そうすると、「特許同時通訳」の文字からなる本願商標を、その指定商品及び指定役務中、別掲7のとおりの指定商品及び指定役務に使用したときには、これに接する取引者、需要者は、「特許の同時通訳のための商品、特許の同時通訳を内容とする商品、特許の同時通訳に関する商品、特許の同時通訳のための役務、特許の同時通訳を内容とする役務、特許の同時通訳に関する役務、特許の同時通訳が付随して提供される役務」であると認識するにとどまり、本願商標は、商品の品質、用途、役務の質、用途を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、本願商標を「特許の同時通訳のための商品、特許の同時通訳を内容とする商品、特許の同時通訳に関する商品、特許の同時通訳のための役務、特許の同時通訳を内容とする役務、特許の同時通訳に関する役務、特許の同時通訳が付随して提供される役務」以外の別掲7の商品又は役務に使用したときには、これに接する取引者、需要者は、その商品又は役務があたかも「特許の同時通訳のための商品、特許の同時通訳を内容とする商品、特許の同時通訳に関する商品、特許の同時通訳のための役務、特許の同時通訳を内容とする役務、特許の同時通訳に関する役務、特許の同時通訳が付随して提供される役務」であるかのように、商品の品質又は役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるため、商標法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、本願商標の指定役務において、第41類「通訳,翻訳」は指定されておらず、原審及び当審における審尋で示されている事実は、通訳及び翻訳に関する商品及び役務であり、本願商標に係る指定商品及び指定役務とは異にするものであって、自他商品等識別力を有さないとの根拠にはなりえず、認定に誤りがある旨主張する。
しかしながら、本願商標は、上記1のとおりの事実及び認定からすれば、別掲7のとおりの指定商品及び指定役務に使用したときには、これに接する取引者、需要者は、「特許の同時通訳のための商品、特許の同時通訳を内容とする商品、特許の同時通訳に関する商品、特許の同時通訳のための役務、特許の同時通訳を内容とする役務、特許の同時通訳に関する役務、特許の同時通訳が付随して提供される役務」であると認識するにとどまり、本願商標は、結局、商品の品質、用途、役務の質、用途を普通に用いられる方法で表示したものとして認識されるというべきである。
したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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