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商標拒絶査定不服審判

2022-007474

ゴシキソウメン、ゴシキソーメン、ゴシキ、ゴショク

審判番号
2022-007474
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2021-032883
請求日
2022年04月22日
審決日
2024年08月29日
公報発行日
2024年11月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】五色そうめん株式会社
審判長/審判官
  • 審判長 大島 康浩
  • 審判官 阿曾 裕樹
  • 審判官 吉沢 恵美子
分類
T18 .13 -Z (W30) / T18 .17 -Z (W30)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法3条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項、特許法第150条第5項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2021-32883拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第30類「そうめんの麺」を指定商品として、令和3年3月5日に登録出願されたものである。 原審では、令和3年5月14日付けで拒絶理由の通知、同年6月30日付けで意見書の提出、同4年1月18日付けで拒絶査定されたもので、これに対して同年4月22日に本件拒絶査定不服審判が請求されている。 2 原査定の拒絶の理由(要旨) 本願商標は、「五色そうめん」の文字を毛筆体で表してなるところ、毛筆風の書体で文字を表記することは、商品パッケージ等においてしばしば用いられる方法だから、格別に特殊な態様とまではいえず、商品の取引上、一般に用いられる範囲にとどまる。 本願商標の構成中「五色」の文字は、「5種類の色」を意味する語であり、「そうめん」の文字は、「小麦粉に食塩水を加えてこね、これに植物油を塗って細く引き伸ばし、日光にさらして乾した食品」を意味する語だから、本願商標は全体として「5種類の色のそうめん」ほどの意味合いを理解させる。 そして、本願商標に係る指定商品を取り扱う業界においては、そうめんに着色を施すことが行われており、三種類の色のそうめんを「三色そうめん」、四種類の色のそうめんを「四色そうめん」と称して取り扱われていることに加え、五種類の色のそうめんを「五色そうめん」などと称して販売されている実情もある。 そうすると、本願商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「五種類の色のそうめんの麺」であることを認識するにすぎないから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 3 当審における証拠調べ通知 当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2及び別掲3のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。 4 上記通知に対する請求人の意見 (1)郷土料理として「五色そうめん」又は「五色素麺」の名称で松山市内の旅館、飲食店等で提供されているのは、材料として請求人のブランド商品である「五色そうめん」の乾麺を使用しているからであり、「五色そうめん」の乾麺を請求人以外の業者が製造販売していた記録はなく、そうめんの麺としては「五色そうめん」の名称で提供しているのは請求人だけである。 (2)別掲2の事例は、いずれも単純に5種類の色の素麺が販売されているだけであり、商品名に請求人のブランドである「五色そうめん」は使われていない。 5 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号について ア 本願商標は、別掲1のとおり、「五色そうめん」の文字を、筆書き風の書体で横書きしてなる。 イ 本願商標の構成中、「五色」の文字部分は「5種類の色」の意味を、「そうめん」の文字部分は「小麦粉に食塩水を加えてこね、これに植物油を塗って細く引き伸ばし、日光にさらして乾した食品」の意味を有する語(参照:「広辞苑 第7版」岩波書店)であり、構成文字全体として、別掲2の辞書やウェブサイトなどでも記載、紹介されているように、伊予の名産でもある「5色に染めわけたそうめん」を指称する語(前掲書参照)として親しまれている。 また、本願商標の指定商品と関連して、別掲3のとおり、5色に染め分けたそうめんが一般に販売されている実情もある。 ウ そうすると、本願商標は、その指定商品「そうめんの麺」に使用するときは、それに接する需要者、取引者をして、「5色に染め分けたそうめん」程度の意味合いを認識、理解させるもので、商品の品質(種別、色数)を表示するにすぎない。 エ 請求人は、「五色」は「5種類の色」のみを意味する語ではないから、「五色そうめん」は一種の造語であり、「五色そうめん」を一体不可分な造語として毛筆風にデザインした本願商標は、自他商品識別力を十分に発揮し得る旨を主張する。 しかしながら、本願商標「五色そうめん」は、上記イのとおり、伊予の名産でもある「5色に染めわけたそうめん」を指称する語として親しまれており、また、5色に染め分けたそうめんが一般に販売されている実情もあることを踏まえると、それに接する需要者、取引者をして、「5色に染め分けたそうめん」程度の意味合いを認識、理解させるもので、単に商品の品質(種別、色数)を表示するにすぎない。 さらに、本願商標の筆書き風の書体は、それ自体に独立した出所識別標識として機能するほどの特徴はなく、品質表示などをする際に普通に用いられる範ちゅうのものにすぎない。 オ 以上によれば、本願商標は、その指定商品について、商品の品質(種別、色数)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)商標法第3条第2項について 請求人は、資料1から資料22(枝番号あり。以下「甲○」と表記する。)を提出し、本願商標は、長期かつ広範囲に使用された結果、需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識できるに至っている旨を主張するため、以下のとおり検討する。 ア 請求人の提出証拠及び主張によれば、以下のとおりである。 (ア)請求人は、1635年に創業した、麺類の製造、販売をする会社であり、昭和46年に「五色そうめん株式会社森川」に組織変更し、2021年12月に現名称である「五色そうめん株式会社」に社名変更した(甲4の1、甲8、請求人の主張)。 (イ)請求人関係者の先祖である長門屋市左衛門が、1722年に色麺を開発、松山藩の参勤交代の献上品となり、将軍や朝廷から評価されるようになった結果、幕末頃の民謡「伊予節」に「音に名高き五色そうめん」とうたわれ、伊予の名物として庶民にも広く知られるようになり、明治時代の松山出身の俳人には「文月のものよ五色の糸そうめん」の句を詠まれたとされる(甲4の1、2)。 そして、松山の五色そうめんは、愛媛県を代表する名産の一つになっており、辞書や観光案内などにも「伊予の名産」、「愛媛県松山の郷土料理」、「愛媛県松山の特産品」、「松山名物のひとつ」、「愛媛県松山市の名産品」、「江戸時代から続く伝統を誇る味」などとして掲載されている(甲7の1、別掲2)。 (ウ)請求人の取り扱う「五色そうめん」(以下「請求人商品」という。)は、白、黄、緑、赤、茶の麺であり、色を付けるために玉子やそば、梅、抹茶の天然色素を練りこんだ製品である(甲6の2)。 (エ)請求人の商品カタログには、本件商標と同様の筆書き風の書体で「五色そうめん」の文字を横書きした標章(以下「請求人商標」という。)が表示されており、「手延そうめん 五色の糸」や「手延五色そうめん」の商品紹介の項に、「五色 50g×10束」、「白・五色 各50g×6束」などの表示があり、「手延」及び「五色そうめん」の文字を筆書き風の書体で縦書きした包装箱の写真や、彩色したそうめんの写真が掲載されている(甲8)。 (オ)請求人の商品は、ECサイトを通じた通信販売や、デパートやスーパーなどを通じて販売されており、その売上高は、食品卸業界上位6社向けの取引で約3千5百万円(2020年10月~2021年9月)、通信販売では約2千百万円(2021年1月~12月)とされる(甲10、甲11の1、2)。 (カ)請求人は、愛媛新聞において2021年及び2022年に、広告を掲載している(甲14の1、甲16の2)。 (キ)請求人の商品は、新聞や雑誌記事において商品紹介記事が掲載されている(甲6の1、2、甲7の1~4、甲19の1、2)。 それら記事情報では、「森川の五色そうめんは、松山市で昔から親しまれている名産品だ」(甲6の1)、「・・・赤・黄・緑・茶・白と五色にいろどられたそうめんは、松山「森川」の五色そうめんだけで、江戸時代から続く老舗の味は同時に目も楽しませてくれる」(甲7の1)などと紹介されている。 (ク)請求人は、愛媛県の放送局を通じて2021年及び2022年に、テレビCMを放映している(甲14の4~6、甲17の1、2)。 イ(ア)以上を踏まえると、「五色そうめん」は、江戸時代に起源のある伊予の名物であり、民謡や俳句などでもうたわれ、現在では愛媛県松山を代表する名産品や郷土料理の一つに位置づけられ、商品の種別を表示する語として慣用されている実情がある。そのような状況の中、請求人は、「五色そうめん」の文字を含む商号の下で、請求人商品を製造、そのカタログには請求人商標を表示し、当該名産品として請求人商品を製造、販売、広告宣伝をしてはいる。 しかしながら、請求人商標に接する需要者のうち、伊予の名物である「五色そうめん」を認知している者であれば、それが商品の種別を示す表示であると通常は理解すると考えられ、また、当該名物を認知していない者であっても、請求人商品自体が「5色に染め分けたそうめん」に相当することを踏まえると、当該色彩(色数)を表記したものと理解すると考えられるから、請求人商品の販売実績により、請求人商標の出所識別標識としての認知度が直ちに向上するとは考えにくい。 また、請求人商品の販売実績も、古くから長期間にわたる販売実績があるとは考えられるものの、最近の売上高は年間で約5千6百万円程度であり、広告宣伝実績にしても、雑誌やテレビ番組等における商品紹介実績が多少はあるが、雑誌広告やテレビCMは愛媛県内を対象にするものが中心であるから、その指定商品に係る我が国の全国的な範囲の一般需要者を前提とした取引市場において、大規模かつ広範囲な販売実績や広告宣伝実績があったものとは評価し難い。 なお、雑誌等の記事情報においては、請求人商品について、「森川の五色そうめん」などとして、他の語と組み合わせた態様で紹介する記事情報もあり、また、請求人の名称を現名称に社名変更してから3年も経過していないから、愛媛県近辺においても、請求人商標や「五色そうめん」の表記単独で、請求人商品を特定する表示として認知されているかについては疑問もある。 その他、請求人商標について、請求人固有の出所識別標識としての知名度の向上に直接寄与するような証拠や、一般需要者の間における知名度を直接示すような証拠は提出されていない。 そうすると、請求人提出の証拠によっては、本願商標(請求人商標)について、その指定商品に係る一般需要者の間において、請求人固有の出所識別標識として、広く知られるに至っていたと認めることはできない。 (イ)請求人は、本願商標の指定商品の分野において、商品名として「五色そうめん」を使用している者は、請求人以外には見当たらない旨を主張する。 しかしながら、伊予の名物である「五色そうめん」の請求人以外の製造事業者の存否や数にかかわらず、当該そうめんは現在では、上記イ(ア)のとおり、愛媛県松山を代表する名産品や郷土料理の一つに位置づけられ、商品の種別を表示する語として慣用されている実情がある。 また、別掲3のとおり、5色に染め分けたそうめんが一般に販売されている実情があるから、「五色そうめん」(五色に染め分けたそうめん)であること自体は、請求人商品や伊予の名物である「五色そうめん」だけが備える固有の特徴でもない。 そうすると、「五色そうめん」の表示及び請求人商標は、請求人による使用実績を考慮したとしても、通常は、商品の種別(愛媛県松山の名産品)又は商品の色彩(色数)を表示する語と理解されると考えられ、自他商品の出所識別標識としての機能を備えるに至っているとはいえない。 (ウ)以上によれば、本願商標は、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものではなく、商標法第3条第2項の要件を具備しない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、同条第2項の要件を具備しないから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-007474

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