商標拒絶査定不服審判
2022-007455
バーチャルマーケット、バーチャル
- 審判番号
- 2022-007455
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-135522
- 請求日
- 2022年05月18日
- 審決日
- 2023年06月30日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社HIKKY
- 【請求人代理人】IPTech弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 岩谷 禎枝
- 分類
- T18 .13 -Z (W354142) / T18 .272-Z (W354142)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-135522拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「バーチャルマーケット」の文字を標準文字で表してなり、第35類、第41類及び第42類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務(別掲1)として、令和2年11月2日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年10月5日付けで拒絶理由の通知がされ、同年11月11日に意見書が提出されたが、同4年2月17日付けで拒絶査定され、これに対し、同年5月18日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、本願商標は「仮想的なマーケット」の意味合いを容易に認識させる「バーチャルマーケット」の文字を標準文字で表してなるところ、バーチャル空間において商品の販売・購入等を行うことができ、仮想的(バーチャル)な市場・店舗等を活用した事業・イベント等が行われている実情があり、「バーチャルマーケット」及び「バーチャルなマーケット」の文字が「仮想的なマーケット」の意味合いで使用されている実情があることから、本願商標をその指定役務に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、「仮想的なマーケットに関するもの」であることを認識するにとどまり、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示したにすぎず、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるため、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における審尋
当審において、令和5年3月10日付け審尋(以下「審尋」という。)により、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、別掲2及び別掲3のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めたが、請求人は、これに対し何ら回答をしていない。
第4 当審の判断
1 本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「バーチャルマーケット」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成は、「バーチャル」の文字と「マーケット」の文字を組み合わせてなるものであると容易に理解できるものである。
そして、本願商標の構成中の「バーチャル」の文字は、「広辞苑 第七版」(株式会社岩波書店発行)によれば、「仮想的。虚像の。」の意味を有し、その解説として「バーチャルリアリティ」の項目を参照する旨の記載があるところ、「バーチャルリアリティ」については「コンピューターの作り出す仮想の空間を現実であるかのように知覚させること。人間が行けない場所でのロボット操作などにも応用する。仮想現実。仮想現実感。」と記載されている。
また、仮想空間や仮想現実(VR)を活用して提供される各種イベント等において、イベント等を表す語に「バーチャル」の語を冠した「バーチャル競馬場」、「バーチャルシネマ」、「バーチャル観光」、「バーチャルファッションショー」等のように「バーチャル○○」の語が一般に使用されていること(別掲2)からすると、「バーチャル」の語は、単に「仮想的。虚像の。」といった意味合いで理解されるだけでなく、「バーチャルリアリティ」すなわち「コンピューターの作り出す仮想の空間を現実であるかのように知覚させること。仮想現実(VR)。」ほどの意味合いをも容易に理解されると判断するのが相当である。
さらに、本願商標の構成中の「マーケット」の文字は、「常設の設備があって、おもに日用品・食料品を販売する所。」の意味を有する「市場(いちば)」又は「売手と買手が特定の商品を規則的に取引する場所。広義には、一定の場所・時間に関係なく相互に競合する無数の需要・供給間に存在する交換関係をいう。」の意味を有する「市場(しじょう)」の意味(いずれも前掲書)を有する語として広く一般に知られているものであるから、本願商標は、その構成文字全体より「仮想空間上のマーケット」又は「仮想現実(VR)を活用したマーケット」ほどの意味合いを容易に理解させるというべきである。
加えて、別掲3のとおり、「仮想空間上のマーケット」や「仮想現実(VR)を活用したマーケット」において商品の展示会や商品の売買等の役務が提供されている事実があるほか、それらがオンラインやインターネットなどを通じて提供されていることも認められる。
そうすると、本願商標は、その構成文字全体より、「仮想空間上のマーケット」又は「仮想現実(VR)を活用したマーケット」ほどの意味合いを容易に理解させるものであり、これをその指定役務中、例えば、「仮想空間上における被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,仮想空間上における身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,仮想空間上におけるかばん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,仮想空間上における電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,仮想空間上におけるコンピュータソフトウエアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,インターネットにおける商品の展示即売会の企画・運営又は開催,オンラインによる仮想見本市の実施,インターネットによる商品の通信販売の媒介又は取次ぎ,仮想空間内での興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),インターネットでの興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),仮想空間内におけるスポーツの興行の企画・運営又は開催,仮想空間内における映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,仮想空間内における競馬の企画・運営又は開催,仮想空間内における競輪の企画・運営又は開催,仮想空間内における競艇の企画・運営又は開催,仮想空間内における小型自動車競走の企画・運営又は開催,インターネットによる娯楽の提供,ウェブサイト上における仮想現実(バーチャルリアリティ)空間で遊ぶゲームの提供,通信(携帯電話による通信を含む)を利用した仮想現実(バーチャルリアリティ)空間における疑似体験をさせる娯楽施設の提供」等の「仮想空間上のマーケットにおいて提供される各種役務」又は「仮想現実(VR)を活用したマーケットにおいて提供される各種役務」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に役務の質(内容)又は役務の提供の場所を表示したものと理解するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「仮想空間上のマーケットにおいて提供される各種役務」又は「仮想現実(VR)を活用したマーケットにおいて提供される各種役務」以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、審判請求書において、「バーチャルマーケット」という名称のみからは、消費者はそこで提供されているサービス内容を具体的に理解することが不可能であり、そこでどのようなサービスを受けられるか認識することができない以上、本願商標は、役務の質を表しているということはできない旨主張する。
しかしながら、本願商標は、その構成文字全体より、「仮想空間上のマーケット」又は「仮想現実(VR)を活用したマーケット」ほどの意味合いを容易に理解させるものであり、別掲3のとおり、「仮想空間上のマーケット」や「仮想現実(VR)を活用したマーケット」において商品の展示会や商品の売買等の役務が提供されている事実があることからすると、本願の指定役務中「仮想空間上のマーケットにおいて提供される各種役務」又は「仮想現実(VR)を活用したマーケットにおいて提供される各種役務」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に役務の質(内容)又は役務の提供の場所を表示したものと理解するにとどまると判断するのが相当である。
(2)請求人は、審判請求書において、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願された商標が自他役務の識別機能を有するか否かは、当該登録出願の査定時又は審決時において、これに接する取引者、需要者の認識を基準として判断されるべきであり、当該商標の構成態様と指定役務との関係や役務の取引の実情も踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるから、他の登録例の存在が、上記判断を左右するものではない。
(3)請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他の請求人の主張も採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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