商標拒絶査定不服審判
2022-007404
アイスシャインマスカット、アイス
- 審判番号
- 2022-007404
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-088705
- 請求日
- 2022年05月17日
- 審決日
- 2023年06月28日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社日本グルメ市場
- 【請求人代理人】大池 聞平
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 藤村 浩二
- 分類
- T18 .13 -Z (W29) / T18 .272-Z (W29)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-88705拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年7月15日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年1月5日付け:拒絶理由通知書
令和4年2月15日 :意見書の提出
令和4年3月8日付け:拒絶査定
令和4年5月17日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「アイスシャインマスカット」の文字を標準文字で表してなり、第29類「冷凍果実」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「アイスシャインマスカット」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「アイス」の文字は、「〈物を〉凍らせる、氷結させる。」等を表す語であり、また、その構成中の「シャインマスカット」の文字は、「ブドウの品種のひとつ。」を表す語として一般に使用されているものである。そして、本願指定商品の関係において、冷凍したシャインマスカットや冷凍したシャインマスカットを使用した商品が販売されている実情があるから、本願商標全体として、「凍らせたシャインマスカット品種のブドウ」程度の意味合いを容易に理解、認識させるものである。そうすると、本願商標は、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は「凍らせたシャインマスカット品種のブドウ」程の意味を認識、理解するにとどまり、単に、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、その指定商品中「凍らせたシャインマスカット品種のブドウ」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審においてした証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、本願商標がその指定商品との関係において、同各項各号に該当すると認めるに足りる事実を、新たに別掲2のとおり発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、令和5年3月31日付けで、証拠調べの結果を通知し、相当の期間を指定して、意見を申し立てる機会を与えた。
5 証拠調べ通知に対する意見
請求人は、上記4の証拠調べ通知に対して、令和5年5月11日受付の意見書において、要旨以下のように述べた。
冷凍果実について、「アイス」の語が“凍らせた”との意味で使用されているといえる商標の使用事例は存在していない。本願商標は、冷凍果実について、通常は「冷凍みかん」のように「冷凍」の語が使用されているのに対し、あえて「アイス」を使用した独自の造語といえるものであり、本願指定商品に使用されたときに、商品の特徴を表示するものと一般に認識されることはない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、上記2のとおり、「アイスシャインマスカット」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「アイス」の文字は「〈物を〉凍らせる、氷結させる。」の意味を表す英語「ice」(ランダムハウス英和大辞典、小学館)を片仮名表記したものであり、その構成中の「シャインマスカット」の文字は、別掲1の事実のとおり、「ブドウの品種のひとつ。」を表す語として一般に使用されているものである。
また、冷凍したシャインマスカットや冷凍したシャインマスカットを使用した商品が販売されている実情があることに加え、別掲2のとおり、本願商標の指定商品である「冷凍果実」について、凍らせた果実を「アイス○○(○○は果物を表す一般名称)」と称することが一般的に行われている事実があることも鑑みれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者、取引者に「凍らせたシャインマスカット品種のブドウ」の意味を容易に理解、認識させるものである。
そして、本願商標は、標準文字で表されているから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであることは明らかである。
よって、本願商標をその指定商品中「凍らせたシャインマスカット品種のブドウ」に使用する場合は、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものとみるのが相当である。また、本願商標を「凍らせたシャインマスカット品種のブドウ」以外の指定商品に使用する場合には、本願商標は、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、冷凍果実について、「アイス」の語が“凍らせた”との意味で使用されているといえる商標の使用事例は存在しておらず、本願商標は、独自の造語といえるものであり、本願指定商品に使用された時に、商品の特徴を表示するものと一般に認識されることはない旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであるから(平成12年(行ケ)第76号 平成12年9月4日東京高等裁判所判決参照)、たとえ「アイスシャインマスカット」の文字が、請求人によって「冷凍」の語の代わりに「アイス」の語を使用するものとして採択されたとしても、その構成文字から生じる意味、本願商標の指定商品との関係及び別掲2の事実によれば、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表すものと認められ、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。
したがって、請求人の上記主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであって、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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