商標拒絶査定不服審判
2022-007143
エンカクシリョクソクテー
- 審判番号
- 2022-007143
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-112801
- 請求日
- 2022年05月12日
- 審決日
- 2023年09月20日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社オンデーズ
- 【請求人代理人】小林 浩
- 【請求人代理人】岡田 貴子
- 【請求人代理人】瀧澤 文
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 岩谷 禎枝
- 分類
- T18 .13 -Z (W091035) / T18 .16 -Z (W091035)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-112801拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「遠隔視力測定」の文字を横書きしてなり、第9類及び第35類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和2年8月31日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年6月1日付けで拒絶理由が通知され、同年9月1日付けで意見書が提出され、本願の指定商品及び指定役務は、同日付けの手続補正書にて、第9類「眼鏡,サングラス,コンタクトレンズ,スポーツ用メガネ」及び第10類「矯正眼鏡等の眼鏡作成用の視力検査用器具」(以下「原審補正商品」という。)並びに第35類「オンラインによる眼鏡及びサングラスの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,眼鏡・サングラス及びコンタクトレンズの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「原審役務」という。)に補正されたが、同4年2月10日付けで拒絶査定され、これに対し、同年5月12日付けで拒絶査定不服審判が請求されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由
原査定は、要旨、以下の1及び2のとおりの認定、判断をし、本願を拒絶したものである。
1 本願商標は「遠隔視力測定」の文字を書してなるところ、その構成中「遠隔」は「遠くへだたっていること。かけはなれていること。」等を意味する語で、「視力」は「物を見る能力」を意味する語で、「測定」は「はかり定めること」を意味する語であり、構成全体として「遠隔での視力測定」ほどの意味合いを容易に理解させる。
そして、原審補正商品との関係において、遠隔での視力測定用の機器を用いて遠隔での視力測定を利用した眼鏡の販売が行われている。
そうすると、本願商標を原審補正商品に使用した場合、これに接する需要者は、当該商品が「遠隔での視力測定用の商品」あるいは「遠隔での視力測定を利用した商品」であることを容易に理解するにすぎないから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 本願商標は「遠隔視力測定」の文字を書してなるところ、これを原審役務に使用した場合、本願商標に接する需要者は、その取扱商品が「遠隔での視力測定を利用した商品」であることを認識するにすぎず、本願商標は、単に原審役務の取扱商品の品質を表示したものと認識させるにとどまり、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
第3 当審における審尋
当審において、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、令和5年6月22日付け審尋により、別掲1ないし別掲3のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めたが、請求人は、これに対し何ら回答をしていない。
第4 当審の判断
1 本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「遠隔視力測定」の文字を横書きしてなるところ、その構成中の「遠隔」の漢字は「遠くへだたっていること。」の意味を有する語であり、「視力」の漢字は「物を見る能力。」の意味を有する語であり、「測定」の漢字は「はかり定めること。」の意味を有する(いずれも「広辞苑 第7版」株式会社岩波書店)平易な日常語であり、これらの語を結合してなる本願商標は、構成全体として「遠隔による視力測定」といった意味合いを容易に認識、理解させるものである。
ところで、原審補正商品は、「矯正眼鏡、矯正サングラス、矯正コンタクトレンズ、スポーツ用矯正メガネ」等の視力の矯正を目的とする商品及び「視力の矯正を目的とする眼鏡の作製用の視力検査用器具」の商品を含むものであり、また、原審役務は「オンラインによる矯正眼鏡及び矯正サングラスの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,矯正眼鏡・矯正サングラス及び矯正コンタクトレンズの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含むものであるところ、別掲1のとおり、視力の矯正を目的とする商品の作製に密接な関係を有する眼科医療の分野において、遠隔医療に資する検査診断機器の研究開発が行われている事実があり、また、別掲2のとおり、眼科医療が遠隔(リモート)で行われている事実があることが確認できる。
そして、「矯正眼鏡、矯正サングラス、矯正コンタクトレンズ、スポーツ用矯正メガネ」等の視力の矯正を目的とする商品の作製にあたっては、事前に眼科又は眼鏡販売店等において視力検査を実施することが通常に行われているところ、別掲3のとおり、実際に、視力の矯正を目的とする商品を作製する工程において、遠隔(リモート)による視力検査を行い、視力の矯正を目的とする商品を作製している事実があることが確認できる。
そうすると、本願商標を原審補正商品及び原審役務中の第10類「矯正眼鏡等の眼鏡作成用の視力検査用器具」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「視力の矯正を目的とする商品の作製ため、遠隔(リモート)による視力測定を行うことが可能な視力検査用器具」であること、すなわち、単に商品の品質、用途を表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、上記1のとおり、その構成文字全体より「遠隔による視力測定」ほどの意味合いを容易に認識、理解させるものであるところ、別掲1のとおり、視力の矯正を目的とする商品の作製に密接な関係を有する眼科医療の分野において、遠隔医療に資する検査診断機器の研究開発が行われている事実があり、また、別掲2のとおり、眼科医療が遠隔(リモート)で行われている事実があることが確認できる。
そして、別掲3のとおり、実際に、視力の矯正を目的とする商品を作製する工程において、遠隔(リモート)による視力検査を行い、視力の矯正を目的とする商品を作製している事実があることが確認できる。
そうすると、本願商標を原審補正商品中の第9類「眼鏡,サングラス,コンタクトレンズ,スポーツ用メガネ」及び原審役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「矯正眼鏡、矯正サングラス、矯正コンタクトレンズ、スポーツ用矯正メガネ」等の視力の矯正を目的とする商品を購入するにあたり、事前の視力検査が遠隔(リモート)で行えることを理解するにとどまることから、本願商標は、「矯正眼鏡,矯正サングラス,矯正コンタクトレンズ,スポーツ用矯正メガネ」等の視力の矯正を目的とする商品の購入に関心を持たせるため、あるいは、請求人が同業他社に比べて、優位性(最新鋭の機器を導入している等)を有していることを示す宣伝広告の一類型であると理解させるものである。
よって、本願商標は、原審補正商品中の第9類「眼鏡,サングラス,コンタクトレンズ,スポーツ用メガネ」及び原審役務について、何人もその使用を欲するといい得るものであり、自他商品及び自他役務の識別力を欠くとともに、商標としての機能を果たし得ないものであるから、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標と判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、審判請求書において、「遠隔視力測定」の語は、「遠く隔たった場所で視力を測る」といった意味合いで、商品又は役務の特徴等を間接的に表示するにすぎない旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標は、その構成文字全体より「遠隔による視力測定」ほどの意味合いを容易に認識、理解させるものであり、眼科医療の分野において、遠隔医療に資する検査診断機器の研究開発が行われている事実、眼科医療が遠隔(リモート)で行われている事実及び視力の矯正を目的とする商品を作製する工程において、遠隔(リモート)による視力検査を行い、視力の矯正を目的とする商品を作製している事実があることからすると、本願商標を原審補正商品及び原審役務中の第10類「矯正眼鏡等の眼鏡作成用の視力検査用器具」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「視力の矯正を目的とする商品の作製ため、遠隔(リモート)による視力測定を行うことが可能な視力検査用器具」であること、すなわち、単に商品の品質、用途を表示したものと理解するにとどまと判断するのが相当である。
また、本願商標を原審補正商品中の第9類「眼鏡,サングラス,コンタクトレンズ,スポーツ用メガネ」及び原審役務に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、本願商標より「矯正眼鏡、矯正サングラス、矯正コンタクトレンズ、スポーツ用矯正メガネ」等の視力の矯正を目的とする商品を購入するにあたり、事前の視力検査が遠隔(リモート)で行えることを理解するにとどまることから、本願商標は、「矯正眼鏡,矯正サングラス,矯正コンタクトレンズ,スポーツ用矯正メガネ」等の視力の矯正を目的とする商品の購入に関心を持たせるため、あるいは、請求人が同業他社に比べて、優位性(最新鋭の機器を導入している等)を有していることを示す宣伝広告の一類型であると理解されるものであって、何人もその使用を欲するといい得るものであり、自他商品及び自他役務の識別力を欠くとともに、商標としての機能を果たし得ないものであるから、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標と判断するのが相当である。
(2)請求人は、審判請求書において、本願商標は、請求人のウェブサイトや日本全国175カ所ある請求人の店舗の多くにおいて、本願商標を用いた宣伝ビデオを放映したことにより、需要者は請求人の業務に係る商品役務の出所表示として認識している旨主張する。
しかしながら、本願商標が需要者の間において請求人の業務に係る商品及び役務の出所表示として認識されている旨主張するウェブサイトは、請求人の名称である「オンディーズ」や「OWNDAYS」の文字とともに使用されているものである。
また、請求人は、本願商標が、原審補正商品及び原審役務との関係において、需要者の間で広く認識されていることを客観的に判断するための証拠を提出していないことから、本願商標が使用された結果、本願商標に接する需要者が、これを請求人の業務に係る商品及び役務であることを認識する商標であると認めることはできない。
(3)請求人は、審判請求書において、「遠隔」の語と識別力のない語との組み合わせであったとしても、商品又は役務の特徴等を間接的に表示するにすぎない場合には、自他商品識別力がある商標として、登録が認められていることから、本願商標もこれらの登録例と同様に登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願された商標が自他商品及び自他役務の識別機能を有するか否かは、当該登録出願の査定時又は審決時において、これに接する取引者、需要者の認識を基準として判断されるべきであり、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務との関係や商品及び役務の取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではない。
(4)請求人の上記各主張は、いずれも採用することができず、また、その他の請求人の主張についても採用することはできない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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