商標拒絶査定不服審判
2022-006905
ネウボラ
- 審判番号
- 2022-006905
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-080413
- 請求日
- 2022年05月09日
- 審決日
- 2023年06月26日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ミールソリューション株式会社
- 【請求人代理人】友野 英三
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T18 .13 -Z (W3541)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項7号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第7号、商標法第4条第1項第16号、特許法第150条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-80413拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「ネウボラ」の文字を標準文字で表してなり、第35類、第41類及び第43類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、令和2年6月30日に登録出願されたものである。
原審では、令和3年7月14日付けで拒絶理由の通知、同年9月28日付けで意見書及び手続補正書の提出、同4年2月3日付けで拒絶査定されたもので、これに対して同年5月9日付けで本件拒絶査定不服審判が請求され、同日付けで手続補正書が提出されている。
本願商標の指定役務は、原審及び当審における上記の手続補正書により、第35類及び第41類に属する別掲1のとおりの役務に補正された。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号
本願商標は、「ネウボラ」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「妊娠期から出産、子供の就学前までの間、母子とその家族を支援する目的で、地方自治体が設置、運営する拠点。また、出産・子育て支援制度のこと」を意味する語として、広く一般に親しまれている。
そして、ネウボラに関する事業及び講座が行われており、また、ネウボラを意識して食事の提供を行っている実情が見受けられる。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、当該役務が「ネウボラに関するもの」であることを認識するにとどまるから、本願商標は、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、前記の役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあり、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第7号
本願商標は、「ネウボラ」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「妊娠期から出産、子供の就学前までの間、母子とその家族を支援する目的で、地方自治体が設置、運営する拠点。また、出産・子育て支援制度のこと」を意味する語として、広く一般に親しまれている。
そして、地方公共団体及びNPO法人等がネウボラに関する事業等を多数行っている実情が見受けられることから、ネウボラは公益性が高い。
また、母子保健法の改正によって、ネウボラの考え方を取り入れた「子育て世代包括支援センター」の設置が自治体の努力義務とされたことを受け、数多くの自治体が産前産後の親子に対して支援を行っており、我が国のネウボラに対する国民意識は高まっている。
さらに、ネウボラは、フィンランド共和国の制度の一つとして広く一般に親しまれており、フィンランド共和国国民は、当該制度を支持している実情が見受けられる。
上記の事情を総合考慮すると、一私人である出願人が、本願商標を自己の商標として登録し、その指定役務について独占的に使用することは、ネウボラに関する事業を行う者の活動やネウボラを活用した公益的な取組を阻害するおそれがあり、さらに、フィンランド共和国及びフィンランド共和国国民の尊厳を損なうおそれもある。
したがって、本願商標は、公正な取引秩序を害し、社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念にも反するから、商標法第4条第1項第7号に該当する。
3 当審による証拠調べ通知
当審において、本願商標が、その指定商品との関係において、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2及び別掲3のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。
請求人は、上記通知に対して、相当の期間を経過した後も、何ら意見を述べていない。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
ア 本願商標は、「ネウボラ」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「フィンランドにおいて、妊娠期から出産、子供の就学前までの間、母子とその家族を支援する目的で、地方自治体が設置、運営する拠点。」の意味を有する外来語である(別掲2(1))。
イ 近年、当該フィンランド発祥の福祉制度を導入する自治体が日本でも増えており、「日本版ネウボラ」とも指称される「子育て世代包括支援センター」が全国各地に設置されている(別掲2(2)、(3))。
現に、例えば「きさらづネウボラ」(木更津市)、「なかとんネウボラ」(中頓別町)、「ネウボラのぼりべつ」(登別市)、「おおたけ版ネウボラ」(大竹市)、「ネウボラはつかいち」(廿日市市)、「三原版ネウボラ」(三原市)、「山元版ネウボラ」(山元町)、「秋田市版ネウボラ」(秋田市)、「鳴門市版ネウボラ」(鳴門市)、「渋谷区子育てネウボラ」(渋谷区)などのように、「○○(版)ネウボラ」や「ネウボラ○○」(○○には地名などが入る。)などと指称される子育て支援施設がある(別掲3)。
ウ そうすると、本願商標は、その指定役務中、例えば、第41類「知識又は技芸の教授」、「教育情報の提供」、「幼児教育」などに使用するときは、子育て支援施設としての「ネウボラ」を想起させるもので、単に役務の提供の場所又は質(提供主体)を表示するにすぎない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、同法第4条第1項第7号及び同項第16号該当性に言及するまでもなく、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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