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商標拒絶査定不服審判

2022-006858

クリアアクネ、アクネ

審判番号
2022-006858
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2021-040738
請求日
2022年05月09日
審決日
2023年07月11日
公報発行日
2023年09月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社日本薬業
  • 【請求人代理人】涌井 謙一
  • 【請求人代理人】山本 典弘
  • 【請求人代理人】鈴木 一永
  • 【請求人代理人】工藤 貴宏
  • 【請求人代理人】三井 直人
審判長/審判官
  • 審判長 大森 友子
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 飯田 亜紀
分類
T18 .13 -Z (W05) / T18 .272-Z (W05)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2021- 40738拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和3年4月5日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年 9月15日付け:拒絶理由通知書 令和3年10月25日 :意見書の提出 令和4年 2月 7日付け:拒絶査定 令和4年 5月 9日 :審判請求書の提出 令和5年 2月 7日付け:審尋 令和5年 3月23日 :回答書の提出 2 本願商標 本願商標は、「クリアアクネ」の文字を標準文字で表してなり、第5類「薬剤」を指定商品として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要点 原審において、「本願商標は、「クリアアクネ」の文字を標準文字で表示してなるところ、その構成中、「クリア」の文字は「取り除く。きれいにする。」の意味を有する平易な英語を片仮名で表記したものであり、また、本願商標の指定商品である「薬剤」の分野では、「アクネ」の文字は、「にきび」の意味を有する外来語であることは広く知られているから、その構成全体からは、「にきびを取り除く」や「にきびをきれいにする」程の意味合いを容易に認識させる。そして、にきび予防・対策用の化粧品・せっけん類も製造・販売されており、「アクネ」と「クリア」との文字を組み合わせて「クリア アクネ」や「アクネクリア」等の語句も一般に使用されていることが認められる。そうすると、前記意味合いを容易に認識させる本願商標をその指定商品である「薬剤」に含まれる「にきび用の治療薬,にきび予防・対策用の医療用化粧品・せっけん類」に使用しても、これに接する取引者・需要者は、その商品の品質、用途及び効能を表示したものであると理解、認識するにとどまり、自他商品の識別標識とは認識しないというべきである。そして、本願商標は、標準文字で「クリアアクネ」と表示してなるから、普通に用いられる方法で表示するものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、前記商品以外の指定商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」と認定、判断し、拒絶したものである。 4 当審における審尋 当審において、上記1の審尋により、別掲1ないし別掲3に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。 5 審尋に対する請求人の回答(要旨) (1)「クリア」の語は、我が国でも比較的よく知られ、使用されている語であるが、日本語の辞書において審尋にあるような意味合いの記載はされておらず、英語の成語から生ずる多種多様な観念の一つとして、審尋認定の意味合いがあるとしても、「クリア」の語から我が国の一般的な需要者が、まず想起するであろう一般的な意味合いを考えれば、辞書上の語義のみをもって、本願商標に接する需要者が「にきびをきれいにする商品」「にきびが消える商品」といった意味合いを即座に想起するとする、主たる根拠になるとは考えられない。 (2)にきびや吹き出物を表す語と「クリア」の語が使用されていれば、どのような組み合わせであっても、識別力を欠く語であるとの判断は、審査基準に「商標が、商品又は役務の特徴等を間接的に表示する場合は、商品又は役務の特徴等を表示するものではないと判断する。」、言い換えれば商品の特徴等を直接的に表しているものでなければ商標法第3条第1項第3号には該当しないと限定していることからみても乱暴なものである。 (3)一定の語句が一定の並びで使用されている場合に、仮にこれが商品の特徴等を直接的に表す語であると認識されるとしても、これと異なる並びで使用された場合にも同様に商品の特長等を直接的に表していると言える証左はなく、「アクネクリア」が商品の品質を明確に表す語であるとしても、「クリアアクネ」をこれと同一視するためには、そうである特段の事情が存在するべきである。 (4)「薬剤」の販売に際しては、申請を行って承認を受ける必要があり、この際、販売名について「適応症、効能・効果をそのまま表すような名称、分類的名称」の採用は認められないことになっており、「クリアアクネクリームW」や「キズクリア」「喉クリアG」といった語について承認がなされている点に鑑みれば、「クリア」や「アクネ」の語の使用例があるからと言って、ほとんど使用例の見当たらない「クリアアクネ」までも商品の品質等を直接的に表す語であるとする判断は合理的な理由を欠く。 (5)したがって、仮に指定商品との関係で、「クリア」「アクネ」の語の使用例があるとしても、本願商標「クリアアクネ」の態様での使用例が非常に限定される事からすれば、本願商標は商品の品質を漠然と想起させる余地はあるとしても、いまだ商品の品質を直接的に表すとまではいえず、間接的に表示するにとどまる。 6 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本願商標は、前記2のとおり、「クリアアクネ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「クリア」の文字は「きれいにする。(肌の湿疹(しっしん)などが)消える。」等の意味を有する「clear」の英単語(「プログレッシブ英和中辞典」株式会社小学館)の読みを表したものと容易に看取され、「アクネ」の文字は「にきび」の意味を有する語(「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)として一般に知られていることから、本願商標は、「クリア」の文字と「アクネ」の文字よりなるものと容易に認識し得る。 そして、本願の指定商品を取り扱う業界では、にきび予防、対策用の商品が販売されているところ、当該商品において、「アクネ」の文字が「にきび」を意味する語として一般に使用されている(別掲3(1)参照)。また、前記商品の中には、「クリア」の文字と、「にきび、吹き出物」等を意味する「ピンプル(pimple)」(別掲1参照)の文字とを組み合わせた「ピンプルクリア」の文字が、「にきびをきれいにする」、「にきびが消える」程の意味合いを認識させる語として使用されている事実がうかがえる(別掲3(2)参照)。 加えて、商品の効能、用途において、前記商品と目的を同じくする、にきび予防、対策用の化粧品、せっけん類についても、「クリア」の文字と、「にきび、吹き出物」等を意味する「アクネ」、「スポット(spot)」、「ピンプル(pimple)」(別掲1参照)の文字とを組み合わせた「クリアアクネ」、「アクネクリア」、「クリアスポット」、「ピンプルクリア」等の文字が、「にきびをきれいにする」、「にきびが消える」程の意味合いを認識させる語として使用されている実情もうかがえる(別掲2及び別掲3(3)参照)。 そうすると、本願商標を構成する「クリア」及び「アクネ」の文字の語義並びに本願の指定商品や指定商品と目的を同じくする商品を取り扱う業界における当該文字の使用状況を見ても、本願商標を、その指定商品である「薬剤」に含まれる「にきびの治療薬,にきび予防・対策用の医療用化粧品・せっけん類」に使用するときは、これに接する取引者、需要者に、「にきびをきれいにする商品」、「にきびが消える商品」程の商品の品質、用途、効能を表示したものと認識、理解させるにとどまるというのが相当である。 したがって、本願商標は、商品の品質、用途、効能を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「にきび用の治療薬,にきび予防・対策用の医療用化粧品・せっけん類」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、「クリア」の語は、我が国でも比較的よく知られ、使用されている語であるが、日本語の辞書において審尋にあるような意味合いの記載はされておらず、英語の成語から生ずる多種多様な観念の一つとして、審尋認定の意味合いがあるとしても、「クリア」の語から我が国の一般的な需要者が、まず想起するであろう一般的な意味合いを考えれば、辞書上の語義のみをもって、本願商標に接する需要者が「にきびをきれいにする商品」「にきびが消える商品」といった意味合いを即座に想起するとする、主たる根拠になるとは考えられない旨主張する。 しかしながら、「クリア」の語が「きれいにする。(肌の湿疹(しっしん)などが)消える。」を意味するものとして日本語の辞書に記載されていないとしても、「にきび、吹き出物」等を意味する「アクネ」、「スポット(spot)」、「ピンプル(pimple)」等と組み合わせたときには、「にきびをきれいにする」、「にきびが消える」程の意味合いを認識するのは、前記(1)のとおりである。 イ 請求人は、過去の登録例を挙げ、本願もこれと同様に判断されるべきである旨主張する。 しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願については前記(1)のとおり判断するものであるから、請求人の挙げた登録例があることが、本願の判断を左右するものではない。 ウ したがって、請求人の前記主張は、いずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

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