商標拒絶査定不服審判
2022-006735
リモートシカ、リモート
- 審判番号
- 2022-006735
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-124620
- 請求日
- 2022年05月06日
- 審決日
- 2023年06月27日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】宮野 敬士
- 【請求人代理人】弁理士法人深見特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 山田 啓之
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T18 .13 -Z (W44) / T18 .272-Z (W44)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-124620拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「リモート歯科」の文字を標準文字で表してなり、第44類「医療情報(歯科医療情報を含む)の提供,健康診断,歯科医業,調剤,医業・医療・健康診断・歯科医業・調剤に関する情報の提供,医業に関する助言,医療情報の提供に関する助言,健康診断に関する助言,調剤に関する助言,公衆の口腔衛生及び歯牙衛生に関する情報の提供,歯・歯茎等の口腔内の健康増進の指導,歯のクリーニング,歯のホワイトニング,歯科を主とする医療情報の提供,歯科医院に関する情報の提供,歯科医院の紹介,歯科医院の予約の媒介又は取次ぎ,歯科医院の予約状況に関する情報の提供,歯科医業・歯科医療情報の提供,歯科医業に関する助言,歯科医業に関する情報の提供,歯科医業及びこれに関する指導・助言,歯科医療情報の提供,歯科医療相談,歯科健康診断,他人のためにする医療用または歯科用機器設備の管理・操作,入れ歯に関する情報の提供,入れ歯に関する相談,歯の健康管理に関するコンサルティング,歯科医療用の機械器具並びにその部品及び付属品の貸与,歯科技工用機械器具の貸与」を指定役務として、令和2年10月8日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年8月31日付けで拒絶の理由が通知され、同年10月15日付けで意見書が提出されたが、同4年2月2日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年5月6日付けで拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、「リモート歯科」の文字を標準文字で表してなるところ、オンラインによる歯科に関する診療及び相談の役務並びに服薬指導等の役務が遠隔で行われている実情を踏まえると、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する需要者は「遠隔での診療等を行う歯科」に関する役務であることを認識するにとどまるというのが相当であり、本願商標は、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するものと認められるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標をその指定役務中「遠隔での診療等を行う歯科」に関するもの以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 本願商標について
本願商標は、上記第1のとおり、「リモート歯科」の文字を標準文字で表してるものである。
2 商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号が、「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」について商標登録の要件を欠くと規定しているのは、このような商標は、指定役務との関係で、その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他役務の識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、商標が、指定役務について役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、商標が指定役務との関係で役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、当該商標が当該指定役務に使用された場合に、取引者、需要者によって、将来を含め、役務の質を表示したものとして一般に認識されるものであれば足りるものであって、必ずしも当該商標が現実に当該指定役務に使用されていることを要しないと解される(令和3年(行ケ)第10100号判決)。
そして、当該商標の取引者、需要者によって当該指定役務に使用された場合に役務の質を表示したものと一般に認識されるかどうかは、当該商標の構成やその指定役務に関する取引の事情を考慮して判断すべきである(令和3年(行ケ)第10113号判決)。
3 本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
(1)本願商標は、「リモート歯科」の文字を標準文字で表してなるものであり、文字種の違いから、「リモート」の片仮名と「歯科」の漢字とを結合させたものと容易に認識されるものである。そして、「リモート」の文字(語)は「遠隔の意」を、「歯科」の文字(語)は「医学の一分科。歯及びその支持組織の治療・矯正・加工などを扱う。」をそれぞれ意味し(いずれも「広辞苑第7版」)、一般に親しまれている語である。
(2)職権による調査によれば、インターネット上のウェブサイトにおいて、歯科医業の分野について別掲1のとおりの記載があることが認められ、また、歯科医業以外の医業の分野について別掲2のとおりの記載があることが認められる。
これらの記載によれば、次の事実が認められる。
ア 歯科医業を含めた医業の分野においては、オンライン形式を含むリモート形式により、診察、治療、相談等が広く行われている。
イ 歯科医業の分野では、オンライン形式を含むリモート形式による診察、治療、相談等において、「リモート歯科治療」、「リモート歯科診療」、「リモート歯科保健」及び「オンライン診療」といった文字(語)が使用されている。
ウ 歯科医業以外の医業の分野では、オンライン形式を含むリモート形式による診察、治療、相談等において、「リモート外科手術」、「リモート診療」、「リモート診察」、「オンライン内科」、「オンライン皮膚科」、「オンライン診療」及び「オンライン診察」といった文字(語)が使用されている。
(3)上記(2)で認定した事実によれば、歯科医業を含めた医業の分野においては、オンライン形式を含むリモート形式により、診察、治療、相談等が広く行われており、当該オンライン形式を含むリモート形式による診察、治療、相談等においては、「リモート○○」又は「オンライン○○」(○○は、各種の診療行為等)といった文字(語)が使用されているものであり、また、「オンライン」と診療科名を結合させた「オンライン内科」及び「オンライン皮膚科」といった文字(語)も使用されているものである。
そうすると、歯科医業の分野においては、「リモート歯科」の文字は、「リモートによる診察、治療、相談等を行う歯科」といった役務の質を表したものと認識されるとみるのが相当である。
してみると、「リモート歯科」の文字からなる本願商標は、これをその指定役務中、歯科に関する役務(例えば「歯科医療情報の提供,歯科に関する健康診断,歯科医業,歯科に関する調剤」等)に使用するときは、これに接する取引者、需要者によって、「リモートによる診察、治療、相談等を行う歯科」といった役務の質を表示したものと一般に認識されるというべきである。
したがって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(4)また、本願商標は、これをその指定役務中、歯科に関する役務以外の役務に使用するときは、当該役務が、あたかも歯科に関する役務であるかのように、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4 請求人の主張について
(1)請求人は、「リモート○○」との語が用いられる場合には、「○○」の部分には遠隔で行う「行為」を表す語が用いられることが一般的であるとした上で、「リモート歯科」は、「リモート」でどのような行為を行うのか、「リモート」の語と「歯科」の語との関係性が明確とはいえず、取引者、需要者に特定の意味合いを直接的に看守させるとはいえない旨主張している。
ところで、上記2のとおり、商標が、指定役務について役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、商標が指定役務との関係で役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、当該商標が当該指定役務に使用された場合に、取引者、需要者によって、将来を含め、役務の質を表示したものとして一般に認識されるものであれば足りると解される。
そして、上記3(3)のとおり、歯科医業を含めた医業の分野においては、オンライン形式を含むリモート形式により、診察、治療、相談等が広く行われており、当該オンライン形式を含むリモート形式による診察、治療、相談等においては、「リモート○○」又は「オンライン○○」(○○は、各種の診療行為等)といった文字(語)が使用されているものであり、また、「オンライン」と診療科名を結合させた「オンライン内科」及び「オンライン皮膚科」といった文字(語)も使用されているものである。
そうすると、「リモート歯科」の文字からなる本願商標は、これをその指定役務中、歯科に関する役務(例えば「歯科医療情報の提供,歯科に関する健康診断,歯科医業,歯科に関する調剤」等)に使用するときは、これに接する取引者、需要者によって、「リモートによる診察、治療、相談等を行う歯科」といった役務の質を表示したものと一般に認識されるというべきである。
(2)請求人は、いくつかの「リモート○○」の文字からなる登録例を挙げ、これらの登録例に鑑みれば、本願商標のみが登録性を否定される特段の事情はない旨主張している。
しかしながら、これらの登録例があるとしても、本願商標にあっては、上記3のとおり判断するのが相当である。
5 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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