商標拒絶査定不服審判
2022-006670
ムーンウオーク
- 審判番号
- 2022-006670
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-111554
- 請求日
- 2022年05月02日
- 審決日
- 2023年10月12日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】前山 善憲
- 【請求人代理人】金尾 良子
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 岩谷 禎枝
- 分類
- T18 .13 -Z (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-111554拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「ムーンウォーク」の片仮名と「MOON WALK」の欧文字を2段に書してなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、令和2年9月8日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年8月11日付けで拒絶理由が通知され、同年9月29日に意見書が提出され、本願の指定役務は、同日受付の手続補正書により、第41類「演芸又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,演芸の上演,スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),写真の撮影」(以下「原審補正役務」という。)に補正されたが、同4年1月27日付けで拒絶査定され、これに対し、同年5月2日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、本願商標は「後ろに歩いているのに前に歩いているように見えるダンスのステップ」を意味する「ムーンウォーク」と「MOON WALK」の文字を2段に書してなるものであるから、これを原審補正役務中、ムーンウォークに関する役務又はムーンウォークを内容とする役務に使用しても、前記意味合いを認識させるにとどまり、単に役務の質を表示するにすぎないから、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標を前記意味合いの役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における審尋
当審において、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、令和5年7月13日付け審尋により、別掲1及び別掲2のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めたが、請求人は、これに対し何ら回答をしていない。
第4 当審の判断
1 本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、上記第1のとおり、「ムーンウォーク」の片仮名と「MOON WALK」の欧文字を2段に書してなるところ、別掲1のとおり、「ムーンウォーク(moonwalk)」とは、「月面歩行」又は「ストリートダンスの技法の一。前向きに歩いているような動作をしながら後ろ向きに移動するもの。」の意味を有する語であり、とりわけ、ダンス分野では、故マイケル・ジャクソン氏によるパフォーマンスが世界的に有名であって、当該ストリートダンスの技法を表す名称として広く認知されていると認められるものであるから、例えば、原審補正役務中の「ストリートダンスを主たる内容とする演芸の興行の企画又は運営,ストリートダンスを主たる内容とする演芸の上演,ストリートダンスを主たる内容とする興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」との関係においては、当該役務の需要者は、「ムーンウォーク(MOON WALK)」と称するストリートダンスの一技法(前向きに歩いているような動作をしながら後ろ向きに移動するもの。)を表すものと認識、理解すると判断するのが相当である。
そして、別掲2のとおり、実際に、請求人が企画・運営するストリートダンスの一技法であるムーンウォークに特化したムーンウォーク世界大会と称する競技会も開催されている事実があることを踏まえると、本願商標を原審補正役務中、「ストリートダンスを主たる内容とする演芸の興行の企画又は運営,ストリートダンスを主たる内容とする演芸の上演,ストリートダンスを主たる内容とする興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に当該ダンスの内容がストリートダンスの一技法であるムーンウォークに関するものと理解するにとどまり、単に役務の質(ストリートダンスの内容)を表示するにすぎないものであるから、本願商標は、自他役務の識別標識とは認識しないというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、審判請求書にて、本願商標は「後ろに歩いているのに前に歩いているように見えるダンスのステップ」の意味合いを認識させることがあったとしても、「月面歩行」、「月面踏査」、「月面散歩」などを含む複数の意味合いを認識させるものであるから、本願商標は、構成全体として、「後ろに歩いているのに前に歩いているように見えるダンスのステップ」を直接的かつ一義的に表示したものではない旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、「ムーンウォーク(moonwalk)」の語は、「ストリートダンスの技法の一。前向きに歩いているような動作をしながら後ろ向きに移動するもの。」以外の意味を有する語であっても、とりわけダンス分野では、故マイケル・ジャクソン氏によるパフォーマンスが世界的に有名であって、当該ストリートダンスの技法を表す名称として広く認知されていることからすると、原審補正役務中の「ストリートダンスを主たる内容とする演芸の興行の企画又は運営,ストリートダンスを主たる内容とする演芸の上演,ストリートダンスを主たる内容とする興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」との関係においては、当該役務の需要者は、本願商標を「ムーンウォーク(MOON WALK)」と称するストリートダンスの一技法(前向きに歩いているような動作をしながら後ろ向きに移動するもの。)を表すものと認識、理解すると判断するのが相当である。
(2)請求人は、審判請求書にて、過去の登録例は、後の審査を拘束するものではないが、請求人に対してある種の指針となっており、ダンスのステップの名称におけるこれまでの登録例と整合性に欠ける結論が存在することは、審査における信頼性の観点から望ましいことではない旨主張する。
しかしながら、登録出願された商標が自他役務の識別機能を有するか否かは、当該登録出願の査定時又は審決時において、これに接する取引者、需要者の認識を基準として判断されるべきであり、当該商標の構成態様と指定役務との関係や取引の実情等を踏まえて、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではない。
(3)請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他の請求人の主張も採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-006670