商標拒絶査定不服審判
2022-006572
- 審判番号
- 2022-006572
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-142321
- 請求日
- 2022年04月28日
- 審決日
- 2023年03月03日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】岐阜プラスチック工業株式会社
- 【請求人代理人】中村 知公
- 【請求人代理人】小西 富雅
- 【請求人代理人】前田 大輔
- 【請求人代理人】伊藤 孝太郎
- 【請求人代理人】朝倉 美知
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T18 .13 -Z (W20) / T18 .17 -Z (W20)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項、特許法第150条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-142321拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第20類「プラスチック製包装容器,工具箱(金属製のものを除く。),収納箱(金属製のものを除く。)」を指定商品として、令和2年11月17日に立体商標として登録出願されたものである。
原審では、令和3年2月16日付けで拒絶理由の通知、同年7月5日付けで意見書の提出、同4年1月24日付けで拒絶査定されたもので、これに対して同年4月28日付けで本件拒絶査定不服審判が請求されている。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、別掲1のとおりの立体的形状からなるところ、この立体的形状は、その指定商品との関係において、商品の形状を立体的に表したものと容易に認識させる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、単にその商品の形状を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
3 当審による証拠調べ通知
当審において、本願商標が、その指定商品との関係において、商標法第3条第1項第3号に該当するか否か、また、同条第2項の要件を具備するかについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2及び別掲3のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。
4 上記通知に対する回答
請求人は、上記通知に対して、意見書を提出していない。
5 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性
ア 本願商標は、別掲1のとおり、(ア)持ち手及び蓋付きの箱形容器の立体的形状からなり、(イ)外装は平滑な表面を主として組み合わせてなるもの(底部には、格子状の線状突起を配している。)であるところ、構成全体をして、比較的すっきりとした、シンプルなデザインからなる、持ち手及び蓋付きの箱形容器(底部は補強されている。)の形状を表してなると認識できる。
イ そして、本願商標の指定商品を取り扱う業界においては、別掲2のとおり、平滑な外装表面からなる、シンプルなデザインの商品(蓋付き容器)が広く流通している実情があることに加えて、別掲3のとおり、容器の持ち上げを容易にする目的で、側面に持ち手状の部品(留め具と兼用のものを含む。)を備える商品も広く製造、販売されている実情もある。
ウ そうすると、本願商標は、その立体的形状の特徴及び取引の実情を踏まえると、商品の機能又は美観に資することを目的とする、又はその目的からの形状の選択であると予測し得る範囲の形状からなるものにすぎないから、商品の形状を普通に用いられる方法で表示してなる商標と認められる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
エ 請求人は、本願商標は、持ち手部である容器の本体と蓋の留め具を容器本体に備え、その留め具を蓋にかぶせることにより(アップロック式)、また、持ち上げた際に蓋が容器本体から外れることなく安全に持ち運び可能な機能とデザインを備えた容器の形状であるから、次回購入を検討する際に、購入又は非購入を決定する上で標識たる程度に十分特徴的である旨を主張する。
しかしながら、本願商標の指定商品を取り扱う業界においては、別掲3のとおり、容器の持ち上げを容易にする目的で、側面に持ち手状の部品(留め具と兼用のものを含む。)を備える商品も広く製造、販売されている実情もあるから、本願商標の形状は、留め具や持ち手についても、単に商品の機能に資することを目的とする形状、又はその目的からの形状の選択であると予測し得る範囲の形状からなるものにすぎない。
(2)本願商標の商標法第3条第2項の要件充足性
ア 請求人は、原審において提出した甲第1号証から甲第9号証(枝番号を含む。以下「甲○」と表記する。)を援用して、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備する旨を主張するところ、請求人の主張及び提出証拠によれば、以下のとおりである。
(ア)請求人は、プラスチック製の産業資材、工業部品、医療用部品の製造販売及び日用雑貨品の製造などを事業内容とする会社であるところ、同社を中心に複数の子会社で、リスのプラスチックグループを構成している(甲2の1、甲3)。
(イ)同グループの会社が取り扱う1998年に発売された「トランクカーゴ」と称する収納ボックスは、様々な形態のもの(蓋の上部が平滑ではないもの、持ち手状の部品がないものなど)がある中で、本願商標と同様に、持ち手及び蓋付きの箱形容器の立体的形状からなるもので、外装は平滑な表面を主として組み合わせてなる形状からなる商品(以下「本件使用商品」という。)がある(甲5、甲8の1)。
(ウ)本件使用商品は、自社販売やウェブサイトを通じて通信販売されているほか、OEM製品として、トラスコ中山株式会社、株式会社オートバックスセブン及び株式会社良品計画に供給されている(請求人の主張、甲6の1~3)。
(エ)本件使用商品は、2002年から2021年の間で、約51万6千個の販売実績があるとされる(請求人の主張)。
(オ)本件使用商品は、「DCM トランクカーゴ」、「リス トランクカーゴ」などとして、テレビ番組(メーテレ、あいテレビ愛媛エリア)や雑誌記事(男の隠れ家2021年6月号、マート2020年6・7月合併号)などにおいて商品紹介記事が放映、掲載されている(甲9の1~4)。
イ 上記の認定事実によれば、本願商標と共通する形状の特徴を備えてなる本件使用商品は、1998年の商品発売以降これまで約25年にわたる継続した、まとまった数量の販売実績があることは把握できるとしても、広告宣伝実績は大規模かつ全国的なものとはいい難いもので、また、本願商標の形状も、様々な形態のものがある「トランクカーゴ」の一類型として採択されているにすぎず、さらに、本件使用商品と同一形状をしたOEM商品が請求人以外のブランドの下で販売されている実情もある中においては、本願商標に係る立体的形状が単独で、請求人に係る出所識別標識として機能すること自体が考えにくい。
そうすると、本願商標は、その指定商品に係る需要者の間において、何人かの業務に係る出所識別標識として、全国的に周知、著名となり、広く知られるに至っているとは認められない。
ウ 以上のとおり、本願商標は、請求人により使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものとは認められないから、商標法第3条第2項の要件を具備しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、請求人による使用実績によっては、商標法第3条第2項の要件を具備しない。
よって、結論のとおり審決する。
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