商標拒絶査定不服審判
2022-006551
オーツプラス、オーツタス
- 審判番号
- 2022-006551
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-024017
- 請求日
- 2022年04月28日
- 審決日
- 2023年03月30日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】カゴメ株式会社
- 【請求人代理人】奥山 尚一
- 【請求人代理人】小川 護晃
- 【請求人代理人】高橋 菜穂恵
- 【請求人代理人】有原 幸一
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W32) / T18 .17 -Z (W32) / T18 .272-Z (W32)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法3条2項商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021- 24017拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年3月2日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 8月 5日 :拒絶理由通知書
令和3年 9月21日 :意見書の提出
令和4年 1月24日付け:拒絶査定
令和4年 4月28日 :審判請求書の提出
令和4年12月22日付け:審尋
2 本願商標
本願商標は、「OATS+」の文字を標準文字で表してなり、第32類「ビール,清涼飲料,トマトジュース,果実飲料,飲料用野菜ジュース,スムージー,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「OATS+」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「OATS」の文字は麦の1品種である「オーツ」を、「+」の記号は「あるものに他の材料や要素を加えること」程を意味する。そして、指定商品を含む飲料業界において、「○○+」、「○○プラス」及び「○○PLUS」等の文字(○○には、ビタミン・コラーゲン・塩分等、加える材料が入る。)が「○○を加えた」程を表すものとして、広く使用・理解されている実情があり、さらに、オーツを加えたビールが実際に製造・販売されている実情もある。そうすると、「OATS+」の文字を標準文字で表したにすぎない本願商標からは「オーツを加えた」程の意味合いを容易に認識できるものといえ、これをその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、それが「オーツを加えた商品」であること、すなわち、単にその商品の品質を表示しているものと、容易に認識するというのが相当である。また、本願商標を、本願の指定商品中「オーツを加えた商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、「商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」及び「商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標」に当たるから、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、令和4年12月22日付け審尋により、別掲1ないし別掲4に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答
請求人は、前記4の審尋に対し、指定した期間内に何ら意見を述べていない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「OATS+」の文字及び記号を標準文字で表してなるところ、その構成中、「OATS」の文字は「オーツ麦、燕麦」の意味を有し(別掲1)、そして、「+」の記号は「加えること。増すこと。あるものに他の材料や要素を加えること。」(別掲2)等の意味を有することは一般に知られているものであるから、本願商標の構成全体からは「オーツ麦、燕麦を加える」の意味合いを容易に認識し得るものといえる。
そして、本願の指定商品を含む飲料を取り扱う業界では、オーツ麦がビールやオーツミルク等の商品の原材料として知られ(別掲3)、また、「○○+」、若しくはこれに通ずる「○○プラス」及び「○○PLUS」等の文字(○○には、乳酸菌、グルコサミン等、加える材料が入る。)が「○○を加えた」程の意味合いで原材料の一つを表すものとして、広く使用、理解されている実情がうかがえる(別掲4)。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「オーツ麦、燕麦を加えた商品」であること、すなわち、「オーツ麦、燕麦を原材料とする商品」という商品の品質、原材料を表示したものと理解するにとどまるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「オーツ麦、燕麦を原材料とする商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)使用による識別性について
請求人は、甲第7号証ないし甲第13号証を提出し、本願商標は、請求人が提供する野菜果実ミックス飲料の名称として広く需要者に認識されている旨主張しているが、これが、使用による識別性(商標法第3条第2項)を有していることを主張しているのであれば、商標法第3条第2項の要件を具備するものとして登録を認められるのは、使用にかかる商標及び商品が、出願にかかる商標及び指定商品と同一のものに限られるところ、提出された証拠からは、商品「野菜生活」のブランドのサブブランドの名称として「Oats+」の文字が使用されていることはうかがえるとしても、「KAGOME」の文字や「野菜生活」の文字等、他の文字等と組み合わせて使用されているため、本願商標のみが使用されて識別性を獲得したとは判断することはできない。
また、提出された証拠からすれば、使用商品は、「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」のいずれかの(アルコール以外の)飲料に属する商品の可能性はあるが、商品の主たる原材料が不明なため、結局、使用商品が不明確であり、また、(ビール、トマトジュース、スムージー等の)上記商品以外の指定商品への使用は認められない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものということはできない。
(3)請求人の主張について
請求人は、過去の登録例を挙げ、本願も同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願については、前記(1)のとおりであるから、請求人の挙げた商標登録例があることが、本願の判断を左右するものではない。
したがって、請求人の前記主張は、採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであって、かつ、同法第3条第2項に規定する要件を具備するものではないから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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