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商標拒絶査定不服審判

2022-006536

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審判番号
2022-006536
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2020-122235
請求日
2022年04月28日
審決日
2023年06月09日
公報発行日
2023年09月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】神保電器株式会社
  • 【請求人代理人】松井 宏記
  • 【請求人代理人】宗助 智左子
  • 【請求人代理人】鈴木 行大
審判長/審判官
  • 審判長 小松 里美
  • 審判官 山田 啓之
  • 審判官 渡邉 あおい
分類
T18 .13 -Z (W09)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2020-122235拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和2年10月2日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年8月11日付け :拒絶理由通知書 令和3年9月16日付け :意見書、手続補正書の提出 令和4年1月31日付け :拒絶査定 令和4年4月28日付け :審判請求書の提出 令和4年12月27日付け:審尋 令和5年2月17日付け :回答書の提出 第2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、登録出願されたものであり、指定商品については、上記第1の手続補正書の提出により、第9類「電気スイッチ」に補正されたものである。 第3 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、図形商標であるところ、その図形は、「電気スイッチ」の写真の形状を図案化したものと容易に理解されるものであって、格別な特徴を有する特異な形態といえるものとはいえないものである。そうすると、本願商標を構成する図形は、指定商品である「電気スイッチ」の用途、機能から予測し難いような特異な形態や特別な印象を与える装飾的形態を備えているものとは認められず、指定商品の取引者、需要者は、本願商標を「電気スイッチ」において採用し得る機能又は美感の範囲内のものであると看取し、「電気スイッチ」の形状であると認識するにとどまるものというのが相当である。よって、本願商標は、指定商品の形状を普通に用いられる方法で表してなるものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第4 当審における審尋 当審において、令和4年12月27日付けで通知した審尋により、別掲2から7に示すとおりの事実を新たに示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の見解を示し、相当の期間を指定して請求人に意見を求めた。 第5 上記第4の審尋に対する請求人の意見の要旨 1 本願商標に係る電気スイッチは、左端の電気スイッチが「外側縦長長方形の四隅が直角であり、内側縦長長方形のスイッチの四隅も直角であり、内側縦長長方形の面積は小さく、その内側は上部3分の2、下部3分の1程度に分けられており、円形スイッチの5時方向にはやや大きな白丸、7時方向にはやや小さな白丸があり、そのスイッチ下にはPWMの文字が記載されており(PWMの認定についての審尋での判断に対しては争わない。)、下部のスイッチは傾斜のある押しスイッチで右側に上下に大きく表示灯が配置されている、というデザインであって、シンプル、ミニマル、角張った、クールなデザイン」であり、左から2列目の電気スイッチが「外側縦長長方形の四隅が直角であり、スイッチは、上が縦長長方形、下が横長長方形で四隅も直角であり、スイッチの面積は小さく、スイッチには右端に上下に渡って直線状の表示部が設けられており、スイッチは平板状でスイッチのオンオフは左右端を押し込むことにより行われるというデザインであって、シンプル、ミニマル、角張った、クールなデザイン」であり、左から3列目のスイッチは、「シンプルかつミニマルを基調」としたデザインであり、右端のスイッチは、「縦長長方形の中に、上方と下方に小さい丸スイッチがそれぞれ配されており、上方スイッチと下方スイッチには、機能が異なることを示す一対の模様が付されており、また、両スイッチの間には複数の横線が配されている、というデザインであって、シンプル、ミニマル、角張った、クールなデザイン」である。また、本願商標の全体に係る電気スイッチとしては、「上述したようなデザインのスイッチが縦に4列並んでいるものであって、その各列の隙間にしても、各スイッチの幅の半分程度の幅をもっていて、横長長方形の土台の中に、縦長長方形のスイッチが縦に4列整然と整列しているというシンプルかつミニマルなデザイン」である。本願商標に係る電気スイッチは、そのデザインにより各種の賞を受賞、各種個人のウェブサイトでも特殊な形態のスイッチとして評価されており(資料4~資料6)、審尋で挙げたごく一般的な電気スイッチのデザインとは全く異なる印象を需要者に与えているのであるから、本願商標に接した需要者は、本願商標を、単に商品の形状の一類型を表したものと認識することはなく、出願人独自のデザインを有する電気スイッチに基づく図形商標であると認識するものである。 2 商品の形状を図形で表した他の商標が、使用による識別力を主張することなく登録されているところ(資料1、資料2)、本願商標はこれら登録商標とは何ら異なることのない図形商標であって、既に世の中において評価されているデザインなのであるから、自他商品識別力のある図形商標である。 第6 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号該当性について (1)本願商標について 本願商標は、別掲1のとおり、白色の長方形を横長に描き、その内側に、以下のアからエの図形を左から順番に4つ横に並べて描いてなるものである。 ア 左端の図形は、影様の黒色の線で縁取りした白色の縦長の長方形(以下「縦長長方形部分」という。)の内側に、上方に影様の黒色の線で縁取りした白色の円(以下「円形部分」という。)を配し、下方に影様の黒色の線で縁取りした白色の横長の長方形(以下「横長長方形部分」という。)を配し、上記円形部分の左下に小さい黒色の円、右下にやや大きい黒色の円を配し、円形部分の内側には、上記小さい黒色の円の位置に合わせるように円周から中心に向けて円形部分の半径の半分ほどの長さの灰色の線を描き、円形部分の右下周縁には影様の薄い灰色の線を配し、さらに円形部分の下に黒色の円、及びその下に、「パルス幅変調」等の意味を有する「PWM」の欧文字(「デジタル大辞泉」小学館)を黒色で横書きし、横長長方形部分の右側の辺には、影様の薄い灰色の線を配し、その左に上端から下端までの長さよりやや短く、縦に黒色の直線を描いた構成よりなるものである。 なお、上記のうち、円形部分の右下周縁の影様の薄い灰色の線及び横長長方形部分の右側の辺の影様の薄い灰色の線は、それぞれ、当該円形部分及び当該横長長方形部分の右側が手前に出っ張っている形状を立体的に表すために配したものと看取されるものである。 イ 左から2番目の図形は、縦長長方形部分の内側に、上方に黒色で縁取した白色の縦長長方形を、下方に上記アと同様の横長長方形部分を配してなり、当該各長方形の右側の辺に影様の薄い灰色の線を配し、その左にそれぞれの長方形の上端から下端までの長さよりやや短く縦に黒色の直線を描いた構成よりなるものである。 なお、上記のうち、縦長長方形及び横長長方形部分の右側の辺における影様の薄い灰色の線は、当該各長方形の右側が手前にやや出っ張っている形状を立体的に表すために配したものと看取されるものである。 ウ 左から3番目の図形は、縦長長方形部分の内側に、上下に3つの円を配置し、各円の右下周縁には影様の薄い灰色の線を配し、一番上の円の内側に「上向き矢印」の図及びその円の直下に「UP」の欧文字を、中央の円の内側に黒色の正方形及びその円の直下に「STOP」の欧文字を、また、一番下の円の内側に「下向き矢印」の図及びその円の直下に「DOWN」の欧文字を書した構成よりなるものである。 なお、上記のうち、上下に3つ並んだ各円の右下周縁の影様の薄い灰色の線は、当該各円が手前に出っ張っている形状を立体的に表すために配したものと看取されるものである。 エ 右端の図形は、縦長長方形部分の内側に、上下に2つの円を配置し、各円の右下周縁に影様の薄い灰色の線を配し、上の円の内側には、右上から左下の短い斜線を縦に4本並べた図を、下の円の内側には、左上から右下の短い斜線を縦に4本並べた図を表し、当該2つの円の間には、短い横線を上から縦に5本並べ、その左側に太陽とおぼしき図を表した構成よりなるものである。 なお、上記のうち、上下に2つ並んだ各円の右下周縁の影様の薄い灰色の線は、当該各円が手前に出っ張っている形状を立体的に表すために配したものと看取されるものである。 (2)本願商標の指定商品を取り扱う業界における取引の実情について 別掲2ないし別掲5のとおり、本願の指定商品である「電気スイッチ」を取り扱う業界において、略長方形の内側に、調光のための左右に回転する円形のつまみとオン・オフのための長方形の押しスイッチが上下に並んだ構成の電気スイッチ(別掲2)、略長方形の内側に、上下に2つ並んだ表示灯を施した長方形の押しスイッチを配した構成の電気スイッチ(別掲3)、略長方形の内側に、「上」及び「下」等、一方のボタンの機能が、他方のボタンの機能とは反対の機能を有する2つのボタン及びその間に「停止」する機能を有するボタンを上下に3つ配した構成の電気スイッチ(別掲4)、並びに、「開」及び「閉」、「オン」及び「オフ」等、一方のボタンの機能が、他方のボタンの機能とは反対の機能を有する2つのボタンを、当該機能を示す文字等をボタン等に表示し、上下に配した構成の電気スイッチ(別掲5)が多数取引されている実情が見受けられる。 また、外側の略長方形の内側に、各種機能を有する電気スイッチを複数個、横に並置した構成は、電気スイッチの構成として広く一般に用いられている構成であって、当該構成からなる電気スイッチ(別掲6)が多数取引されている実情も見受けられる。 さらに、同業界において、商品の機能性や美感等の向上の観点から、電気スイッチに各種の装飾等が施されることは一般的に行われているところ、光量の大きさを示す目印として、つまみ自体に短い線や、つまみの周縁に大小の円等を配置したり、暗い状態でも電気スイッチの位置が分かるようにするため、又は通電の状態を分かるようにするため等の機能を有する表示灯を押しスイッチの様々な箇所に施したり、「上」、「下」及び「停止」、「開」及び「閉」等の機能を有することが分かるように押しスイッチ部分若しくはその周辺に当該機能を示す文字又は図形が表示された電気スイッチも、広く一般に採択、使用されている実情が見受けられる。 加えて、本願商標の構成中の「PWM」の文字は、上記(1)のとおりの意味合いを有するところ、本願の指定商品である「電気スイッチ」との関係においては、照明制御システムにおける調光を行うための制御方式の種類の一つとして理解、認識されるものと認められる(別掲7)。 (3)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について 上記(2)によれば、本願商標の指定商品である「電気スイッチ」を取り扱う業界において、外側の略長方形の内側に、各種機能を有する電気スイッチを複数個、横に並置した構成の電気スイッチは、広く一般に採択、使用されているものといえる。 そうすると、本願商標を構成する図形は、その全体が、指定商品の取引者、需要者に、「電気スイッチ」の用途又は機能から予想し得る形状の一類型を立体的に表したものと容易に認識させるというのが相当であり、その構成中の各部分も、「PWM」は、照明制御システムにおける調光を行うための制御方式の種類の一つを表したもの、各長方形内の縦の黒色の直線や「PWM」の文字の上方に描かれた小さい黒色の円は、「電気スイッチ」の表示灯や装飾を表したもの、右端の縦長長方形部分の内側の上から縦に5本並べた短い横線及びその左側の太陽とおぼしき図は、室内の明るさの度合いを表示するためのもの、各長方形の右側の辺や円の右下周縁の影様の薄い灰色の線は、平面図を立体的に見せるための陰を表したものとそれぞれ認識させるにすぎないといえるものであって、「電気スイッチ」において採用し得る機能又は美感の範囲を超えて、出所識別機能を発揮し得る特殊性を有するものということはできない。 してみれば、本願商標をその指定商品「電気スイッチ」に使用したときには、取引者、需要者は、本願商標が、その商品の形状の一類型を平面図で立体的に表したものと認識するにとどまり、単に商品の形状を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認識するというのが相当である。 したがって、本願商標は、商品の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として、商標法第3条第1項第3号に該当する。 2 請求人の主張について (1)請求人は、「本願商標に係る電気スイッチは、左端の電気スイッチが「外側縦長長方形の四隅が直角であり、内側縦長長方形のスイッチの四隅も直角であり、内側縦長長方形の面積は小さく、その内側は上部3分の2、下部3分の1程度に分けられており、円形スイッチの5時方向にはやや大きな白丸、7時方向にはやや小さな白丸があり、そのスイッチ下にはPWMの文字が記載されており(PWMの認定についての審尋での判断に対しては争わない。)、下部のスイッチは傾斜のある押しスイッチで右側に上下に大きく表示灯が配置されている、というデザインであって、シンプル、ミニマル、角張った、クールなデザイン」であり、左から2列目の電気スイッチが「外側縦長長方形の四隅が直角であり、スイッチは、上が縦長長方形、下が横長長方形で四隅も直角であり、スイッチの面積は小さく、スイッチには右端に上下に渡って直線状の表示部が設けられており、スイッチは平板状でスイッチのオンオフは左右端を押し込むことにより行われるというデザインであって、シンプル、ミニマル、角張った、クールなデザイン」であり、左から3列目のスイッチは、「シンプルかつミニマルを基調」としたデザインであり、右端のスイッチは、「縦長長方形の中に、上方と下方に小さい丸スイッチがそれぞれ配されており、上方スイッチと下方スイッチには、機能が異なることを示す一対の模様が付されており、また、両スイッチの間には複数の横線が配されている、というデザインであって、シンプル、ミニマル、角張った、クールなデザイン」である。また、本願商標の全体に係る電気スイッチとしては、「上述したようなデザインのスイッチが縦に4列並んでいるものであって、その各列の隙間にしても、各スイッチの幅の半分程度の幅をもっていて、横長長方形の土台の中に、縦長長方形のスイッチが縦に4列整然と整列しているというシンプルかつミニマルなデザイン」である。本願商標に係る電気スイッチは、そのデザインにより各種の賞を受賞、各種個人のウェブサイトでも特殊な形態のスイッチとして評価されており(資料4~資料6)、審尋で挙げたごく一般的な電気スイッチのデザインとは全く異なる印象を需要者に与えているのであるから、本願商標に接した需要者は、本願商標を、単に商品の形状の一類型を表したものと認識することはなく、出願人独自のデザインを有する電気スイッチに基づく図形商標であると認識するものである」旨主張している。 しかしながら、請求人の業務に係る「電気スイッチ」がそのデザインにより受賞歴等があるとしても、本願商標を構成する図形は、一見して何を表すか容易に把握・理解がされなかったり多義的な把握・理解がされるような性質の図形とは異なり、上記1のとおり、当該図形全体が、その指定商品との関係において、「電気スイッチ」の用途、機能から予想し得る形状の一類型を平面図で立体的に表したものと認識されることが明らかであるし、請求人が主張する上記デザインに該当する各部分を観察しても、「電気スイッチ」において採用し得る機能又は美感の範囲の形状にとどまるものというべきであり、本願商標が、かかる域を超えて、何らかの特徴的な意味を持つ出所識別機能を発揮する図形として認識されるというのは困難である。 このことは、別掲2から6のとおり、指定商品「電気スイッチ」を取り扱う業界において、請求人が主張する上記デザインのように、シンプルで角張ったデザインであるとの印象を与え得る、外側と内側の縦長長方形の四隅が直角なデザインの商品(別掲2(6)、(11)、別掲3(4)、(5)、(7)、別掲6(5)、(9))や、スイッチの面積が比較的小さいデザインの商品(別掲2(6)、(11)、別掲3(4)、(5)、別掲6(5))が見られることからも、確認できるものである。 (2)請求人は、商品の形状を図形で表した他の商標が、使用による識別力を主張することなく登録されているところ、本願商標はこれら登録商標とは何ら異なることのない図形商標であって、既に世の中において評価されているデザインなのであるから、自他商品識別力のある図形商標である旨主張する。 しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の構成態様と指定商品又は指定役務とに基づいて、個別具体的に検討・判断されるべきものであって、請求人の主張に係る各事例が存在するからといって、本願商標が同号に該当することを否定することはできず、また、本願商標についての同号該当性の判断が、これらの各事例によって左右されるものでもない。 そして、本願商標と、請求人の主張に係る登録された他の図形商標は、その構成及び指定商品の分野が全く異なるものであることは明らかである。 また、請求人の業務に係る「電気スイッチ」に受賞歴等があることによって、商標法第3条第1項第3号に該当するという判断を覆すことができないことは上記(1)のとおりであるし、かかる受賞歴等のみをもって、本願商標が使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったということもできない。 (3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。 3 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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