審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
商標拒絶査定不服審判

2022-006517

キノービキョーセー、キノービ

審判番号
2022-006517
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2020-141690
請求日
2022年04月28日
審決日
2023年02月15日
公報発行日
2023年05月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】医療法人機能美会
  • 【請求人代理人】保屋野 光繁
審判長/審判官
  • 審判長 岩崎 安子
  • 審判官 馬場 秀敏
  • 審判官 茂木 祐輔
分類
T18 .13 -Z (W4144) / T18 .272-Z (W4144)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2020-141690拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、「機能美矯正」の文字を標準文字で表してなり、第41類及び第44類に属する別掲1に記載のとおりの役務を指定役務として、令和2年11月16日に登録出願されたものである。 本願は、令和3年9月28日付けで拒絶理由の通知がされ、同年11月1日に意見書が提出されたが、同4年2月25日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年4月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、「機能美矯正」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「機能美」の文字は「建築・工業製品などで、余分な装飾を排してむだのない形態・構造を追求した結果、自然にあらわれる美しさ。」を意味し、ウェブサイト情報によれば、歯科医業に関する分野において、機能美を重視していることを謳った矯正が紹介されている実情が見受けられる。そうすると、本願商標を、その指定役務中、「医療に関する訓練及び教育」、「矯正歯科医業」等の指定役務に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、「機能美を重視した矯正歯科医療に関する訓練及び教育」、「機能美を重視した矯正歯科医業」等のように、「機能美を重視した矯正に関する役務」であること、すなわち、単に役務の質、提供の場所を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「機能美を重視した矯正に関する役務」以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)本願商標を構成する文字の語義及び使用状況について 本願商標は、「機能美矯正」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標の構成中、「機能美」の文字は、「機能本位で余分な飾りもない所から感じられる美しさ。」を、「矯正」の文字は、「欠点をなおし、正しくすること。「歯並びを-する」」を意味する語である(いずれも「広辞苑第七版」)。そして、両文字がともに使用される事例は、インターネット情報において以下のとおり確認することができる。 ア 「飯田橋矯正歯科」のウェブサイトにおいて、「目指しているのは、機能美を目標とした矯正治療」の見出しの下、「よく患者さんから゛歯並びをもっとよくしたい゛゛口元を美しく見せたい゛とご相談いただきます。もちろん、矯正には゛見た目゛を改善する、という大切な役割もあります。しかし、゛見た目゛だけで本当に良いのでしょうか?/例えば、椅子などのプロダクトデザインや建築物は美しさだけではなく、実用品として機能することが求められます。また、両者を兼ね備えたものだけが後世に残り、評価されています。/この機能美は、矯正治療にも当てはまるというのが私の治療方針です。/歯並びや口元の美しさと、噛むという歯の本来の機能を最大限に発揮できること。それが、当院が求める理想的な矯正。゛美しさ゛と゛機能゛は本来、表裏一体のものであり、私が目標とする治療のゴールであると考えています。」の記載がある(https://www.iidabashi-ortho.com/15clinic/1045profile/post_29.html)。 イ 「いいやま歯科医院」のウェブサイトにおいて、「機能美」の見出しの下、「いいやま歯科では、審美歯科、矯正歯科にも豊富な実績がありますが、総合歯科として、単なる美しさだけでなく、口腔本来の「機能」を大切にした治療を行います。(略)歯列矯正においても、単に見かけの歯並びの良さだけでなく、よいかみ合わせで機能としてすぐれた治療結果を追い求めます。」の記載がある(https://www.iiyama-dc.com/medical/policy/beauty/)。 ウ 「木更津きらら歯科」のウェブサイトにおいて、「美しい歯列は機能美と健康美・審美を兼ね備える」の見出しの下、「歯列矯正で手に入れることのできる笑顔の美しさは、機能に裏付けられた機能美でもあります。正しい歯並びは自信をもたらし、しっかり噛むことは私たちのからだにとって様々な役割を果たしてくれるのです。」の記載がある(https://kisarazu-kirara.com/kirarablog/2946/)。 エ 「愛矯正歯科クリニック」のウェブサイトにおいて、トップページの「ごあいさつ」の小見出しの下、「「機能美」という言葉があります。機能的に優れているものは、見た目にも美しい。歯並びもまさにそのとおりです。正しいかみ合わせは、きれいな口元を呈すると同時に、口腔内そして全身の健康につながります。」の記載がある(http://www.ai-kyousei.com/)。 オ 「国立t歯科」のウェブサイトにおいて、「矯正歯科(大人・中学生以上)」の見出しの下、「Dr.たかみの機能美矯正療法は、一般的な矯正治療期間に比べると短期間で矯正治療が可能な場合が多くあります。」、「見た目だけでない「機能美矯正法」を実践/「機能美」という言葉のとおり、矯正治療は決して見た目だけの治療ではありません。お口の機能と健康、身体の影響を考えることが大切です。人の咬み合わせは、頭痛、めまい、姿勢、腰痛、免疫低下、運動機能低下、顎関節症など、思いもよらない所に関係しています。これらと歯並びの関係を意識せず矯正治療を行うと、時として最悪の自体を招いてしまう場合があります。(略)当院では機能回復に徹底的にこだわった矯正治療を行っています。」の記載がある(https://www.ichibankan-do.com/menu/orthodontics/)。 カ 「しろがね矯正歯科」のウェブサイトにおいて、トップページの「はじめに」の小見出しの下、「矯正歯科医にとって目標は、「機能美の追及」です。しっかり物が咬める機能を備えたきれいな歯並びは、口腔内を回復し、また全身の健康に良い影響をもたらすことでしょう。患者さんに、調和し合った「美しい歯並び」「整った咬み合わせ」「口元の美」が得られること、さらに心身ともに健康となるよう、人生へのお手伝いができれば幸いです。」の記載がある(https://shirogane-ort.com/index.html)。 キ 「しみず歯科・矯正歯科」のウェブサイトにおいて、「診療案内」の見出しの下、「虫歯や歯周病が原因で歯を失ったり、生活習慣や態癖(略)などによって咬み合わせが崩れたりした場合、単にその場しのぎの局所単位の治療をしていてもお口の機能や審美性は回復できないことがあります。つまり、歯周病を治さずに歯を抜いてインプラントにしても根本的な改善にはならないということです。大切なのは、病気を治した上で審美的な見た目の美しさと、健康的に咬むことができるお口の機能との両立=機能美を実現させ、全身の健康へとつなげていくことなのです。」の記載がある(https://shimizu-shika.com/information/)。 ク 「高橋矯正歯科医院」のウェブサイトにおいて、「Dr.高橋が考える矯正治療とは」の見出しの下、「「機能美」を重視した治療(略)すべての患者様のお口が違うから、「きれいな歯並び」「正しい咬み合わせ」も一人ひとり違うのです。ですから当院では、歯の外見だけにとらわれた矯正治療は決してしません。(略)当院が目指すのは、外見だけの美しさではなく、本来の咬み合わせまで考えたトータルでの美しさ――つまり「機能美」です。すべての患者様に快適な咬み心地を取り戻していただき、「機能美」を実感していただくため、当院は全力を尽くします。」の記載がある(http://www.takahashi-kyousei.com/clinic/opinion.html)。 (2)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本願商標は、「機能美矯正」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「機能美」の文字は、上記(1)のとおり「機能本位で余分な飾りもない所から感じられる美しさ。」の意味を有する語であり、また、上記(1)アないしクの事例からすると、歯の矯正治療において、歯列等の見た目の美しさとの対比や両立を例にとりつつ、機能の回復、改善等によって生まれる美しさを「機能美」と称している実情がある。 さらに、各事例における「機能美」の用いられ方については、原審で示した事実(別掲2)と同様に、「機能美を目標とした矯正治療」((1)ア)、「この機能美は、・・・治療方針・・・理想的な矯正」(同ア)、「歯列矯正で手に入れる・・・機能に裏付けられた機能美」(同ウ)、「矯正歯科医にとって目標は、「機能美の追及」」(同カ)、「大切なのは、・・・機能美を実現させ」(同キ)、「当院が目指すのは、・・・「機能美」です。」(同ク)といったように、歯の矯正治療において、機能美に着目した治療等が行われ、また、そのことを治療の目標や方針として掲げている実情がある。 そうすると、「機能美矯正」の文字は、「機能美に着目した矯正」ほどの意味合いで用いられているものというべきであり、また、そのような意味合いで、実際に「機能美矯正」の文字が用いられている事例もある((1)オ)。 以上よりすれば、「機能美矯正」の文字は、「機能美に着目した矯正」、すなわち「機能美を重視した矯正」ほどの意味合いを理解させるものであるから、「機能美矯正」の文字よりなる本願商標を、その指定役務中、例えば、第41類「医療に関する訓練及び教育,継続的な医療の教育課程の提供,外科用、内科用、歯科用及び獣医科用の機器の使用における訓練,人材・チーム及び組織の開発のための訓練,職業に関する助言及び指導[訓練及び教育に関する助言],ビジネスに関する訓練の指導及び助言,健康及びフィットネスに関する訓練,教育に関する情報の提供,知識又は技芸の教授,資格の認定・付与,会議・議会・セミナー・シンポジウム・訓練講座・教室及び講義の手配及び運営,教育訓練及び娯楽の提供」又は第44類「矯正歯科医業,矯正歯科医業の分野における情報の提供,歯科医業,歯科医業に関する情報の提供,歯科医業に関する助言,歯科医療補助,医療に関する情報の提供,医療診断,医療補助,在宅者への医療,薬剤情報の提供,患者に対する投薬治療に関する情報の提供,健康診断に関する情報の提供,健康診断,医療のための行動解析,人の診断及び治療のための医療分析,患者に提供される個々の医療相談,医療のための心理検査,動物の歯科治療」について使用をするときには、これに接する取引者、需要者は、「機能美を重視した矯正に関する役務」であること、すなわち、提供する役務の質(内容)を表したものと理解するにすぎないというべきである。 したがって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、本願商標を、「機能美矯正」(機能美を重視した矯正)と関連のない本願の指定役務について使用をするときは、その役務があたかも「機能美を重視した矯正に関する役務」であるかの如く、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。 (3)請求人の主張について ア 請求人は、「機能美矯正」の語は、辞書に載録されておらず、使用例もほとんどない、また請求人が定義付けている矯正治療で使用されている使用例もなく、そもそも「機能美」の語は建築・工業製品の分野で使用される語であること等から、本願商標の構成全体から、直ちに特定の意味合いが生じるものではない旨主張する。 しかしながら、上記(2)のとおり、「機能美」は、矯正(歯科)の分野において、機能に着目した美しさを表すものとして使用され、また機能美を目標や方針とする矯正治療が行われている実情があることからすれば、本願商標全体から、「機能美を重視した矯正」ほどの意味合いが自然に生じるというべきである。 イ 請求人は、過去の登録例を挙げて本願商標も登録すべき旨主張する。 しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるか否かの判断は、登録査定時又は審決時において、当該商標の構成態様や指定役務の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるから、過去の登録例の存在によって、その判断が拘束されたり左右されたりすべきものではない。 ウ したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、これを登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2022-006517

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存