商標拒絶査定不服審判
2022-006363
スモモ
- 審判番号
- 2022-006363
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-058936
- 請求日
- 2022年04月27日
- 審決日
- 2023年09月26日
- 公報発行日
- 2023年10月27日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社はとや
- 【請求人代理人】古岩 信嗣
- 【請求人代理人】古岩 信幸
- 審判長/審判官
- 審判長 冨澤 武志
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T18 .13 -WY (W43) / T18 .272-WY (W43)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-58936拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年5月14日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年10月19日付け:拒絶理由通知書
令和3年11月12日 :意見書の提出
令和4年2月17日付け :拒絶査定
令和4年4月27日 :審判請求書の提出
令和5年5月30日付け :証拠調べ通知
令和5年6月22日 :意見書の提出
令和5年7月4日付け :審尋
令和5年8月21日 :回答書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、「SUMOMO」の文字を標準文字で表してなり、第30類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、上記1の手続補正書により、第43類「飲食物の提供,カフェテリアにおける飲食物の提供,簡易食堂における飲食物の提供,喫茶店における飲食物の提供,軽食堂における飲食物の提供,ケーキの装飾,ケータリング(飲食物)」とされたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、「SUMOMO」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「バラ科サクラ属の落葉小高木。果実はモモ様で小さく、酸味を帯びる。生食、またジャムなどにする。」の意味を有する「すもも」の文字をローマ字表記したものと理解されるものである。
また、本願の指定商品の分野において、「すもも」は原材料として使用されている実情がある。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が「すももを使用した商品」であること、すなわち、商品の品質、原材料を表示したものとして認識するにとどまるというのが相当である。
また、上記認定によれば、本願商標を、その指定商品中、上記商品に照応する商品以外の商品に使用したときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審においてした証拠調べ
本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2及び3のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条の規定に基づき、請求人に対して、令和5年5月30日付けで、証拠調べの結果を通知し、期間を指定して、請求人の意見を求めた。
5 証拠調べに対する請求人の意見(要旨)
すももを含む果物の名称が欧文字で表記されている事実が存在したとしても、すももは、平仮名又は片仮名で表記されるのが通常である。したがって、すももを敢えて欧文字表記した本願商標に接する需要者は、これを単なる品質表示と認識するのではなく、一種の造語や何らかの商品の出所識別標識として認識し得るものである。
上記証拠調べ通知書に掲載の情報のうち、本願商標と関連するのは14件中僅か2件であって、このことから、むしろ、すももを欧文字表記することは極めて特殊であることが理解されるものである。
加えて、本願商標が40年の長期間に亘って、請求人の店舗名称として、九州地方を中心に親しまれてきており、また、本願商標を使用した商品が同店舗内において販売されている取引の実情に照らせば、本願指定商品の需要者は、本願商標が使用された商品について「「SUMOMO」という名称の店舗で製造・販売される商品」であると認識する、すなわち、本願商標について商品の出所識別標識と認識するのであり、間違っても、本願商標が品質表示と認識されることはない。
したがって、本願商標は、商品の品質、原材料を表示するものではなく、また、商品の品質の誤認を生じさせるものではないから、商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当するものではない。
6 当審においてした審尋
本願商標が、当審における補正前の本願の指定商品及び指定役務中、第30類に属する指定商品との関係において、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるという当審の暫定的見解を示すとともに、別掲1ないし3のとおりの事実を示した。
7 審尋に対する請求人の意見(要旨)
本願の指定商品及び指定役務について、第30類に属する指定商品を削除する補正を行った。
8 当審の判断
(1)本願の指定商品及び指定役務は、上記2のとおりに補正がされた結果、原査定の拒絶の理由に係る指定商品が全て削除されたものと認められる。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条1項16号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。
(2)本願商標は、「SUMOMO」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は「バラ科サクラ属の落葉小高木」の意味を有する「すもも」の語(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)を欧文字表記したものと容易に理解できるものであって、その実(果実)の名称を示す語としても一般に使用されているものである。
しかしながら、当審における職権調査によれば、「SUMOMO」の文字が、本願の指定役務を取り扱う業界において、役務の質等を表示するものとして、取引上一般に使用されている事実は発見できず、さらに本願商標に接する需要者が当該文字を役務の質等を表示したものと認識するというべき事情は発見できなかった。
そうすると、本願商標は、その指定役務との関係においては、役務の質等を表示したものと理解、認識させるものとはいい難い。
してみれば、本願商標をその指定役務に使用しても、役務の質等を普通に用いられる方法で表示する商標とはいえず、かつ、役務の質について誤認を生じるおそれもないというべきである。
したがって、本願商標は、その指定役務との関係において、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
(3)以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとはいえないから、これを理由として本願を拒絶した原査定は、取消を免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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