商標拒絶査定不服審判
2022-006265
フラワーイソフラボン、フラワー、イソフラボン
- 審判番号
- 2022-006265
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-098408
- 請求日
- 2022年04月25日
- 審決日
- 2022年09月22日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社日本薬健
- 審判長/審判官
- 審判長 森山 啓
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 荻野 瑞樹
- 分類
- T18 .13 -Z (W03) / T18 .272-Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-98408拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「フラワーイソフラボン」の文字を標準文字で表してなり、第3類「化粧品,せっけん類」を指定商品として、令和3年8月6日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年1月14日付けで拒絶理由の通知がされ、同年2月15日に意見書が提出されたが、同年3月14日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して、令和4年4月25日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、「フラワーイソフラボン」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「フラワー」の文字は、「花」の意味を有し、「イソフラボン」の文字は、「大豆胚芽に多く含まれるフラボン族化合物の一種。」の意味を有する語である。そして、大豆由来のイソフラボンのみならず、花由来のイソフラボンが存在し、本願の指定商品との関係において、イソフラボンを含有する商品が製造、販売されていることに加え、「○○イソフラボン」の文字が、「○○由来のイソフラボン」ほどの意味合いで使用されている実情が認められる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、「花由来のイソフラボンを含有する商品」であると認識するにすぎないから、本願商標は、商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「フラワーイソフラボン」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「フラワー」の文字は、「花」の意味を有する我が国において広く一般に親しまれた平易な語であり、「イソフラボン」の文字は、「大豆胚芽に多く含まれるフラボン族化合物の一種。」等の意味(いずれも「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)を有するものである。
そして、原審における証拠及び別掲1のとおり、イソフラボンには、大豆を由来とするイソフラボンのみならず、「葛の花」や「赤詰草の花(レッドクローバー)」などの「花を由来とするイソフラボン」が存在している事実が認められる。
また、本願の指定商品を取り扱う業界においては、原審における証拠及び別掲2のとおり、イソフラボンを含有する商品が製造、販売されており、配合された「○○を由来とするイソフラボン」のことを、「○○イソフラボン」と称している事実が認められる。
そうすると、「フラワーイソフラボン」の文字は、「花を由来とするイソフラボン」の意味合いを認識、把握させるものであって、「フラワーイソフラボン」の文字からなる本願商標を、その指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、「花を由来とするイソフラボンを含有する商品」を表したものと認識、把握し、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎないものと認識すると判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、かつ、上記「花を由来とするイソフラボンを含有する商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じるおそれがあるものである。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願の指定商品である「化粧品、せっけん類」は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下「薬機法」という。)の規定により、全成分名を表示しなければ販売することができず、この全成分表示は、日本化粧品工業連合会が作成している「化粧品の成分表示名称リスト」に具体的に表されているところ、当該リストにおいては、成分の名称として、どの植物の「フラワー」かが特定されていない名称は一切記載されていないことから、「フラワー」は抽象的な概念であり、本願の指定商品の品質等を表すものとはいえない旨主張する。
しかしながら、薬機法に基づく化粧品等の全成分表示における成分の名称は、商品に含まれている成分に関する正確な情報が伝わるものであることが必要であるから、どの植物の「フラワー」なのかを具体的に特定することが求められる一方、商標法において出願に係る商標が商品の品質を表すものというためには、薬機法に基づく全成分表示における成分の名称まで求められるものではなく、当該商標が、需要者、取引者によって、当該商品の品質を表すものであろうと一般に認識されることをもって足りるというべきである。したがって、「化粧品の成分表示名称リスト」において、どの植物の「フラワー」かが具体的に特定されていない名称が一切記載されていないことをもって、本願商標が、指定商品の品質等を表すものとして認識されることを否定できるものではない。
(2)請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張する。
しかしながら、請求人が挙げる登録例は、本願商標とは、一段書きと二段書きで構成態様が相違するもののほか、指定商品が相違するものなど、事案を異にするものであり、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例に拘束されることなく判断されるべきであるから、これらの事例の存在が上記の判断を左右するものではない。
(3)請求人は、「フラワーイソフラボン」の語は、本願の指定商品を取り扱う分野において請求人以外による使用は確認できないから、取引者、需要者は、「フラワーイソフラボン」の語を商品の品質等の表示として認識しない旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであり(平成12年(行ケ)第76号 平成12年9月4日 東京高等裁判所)、本願商標の「フラワーイソフラボン」の文字は、上記1のとおり、「花を由来とするイソフラボン」を認識させるものであるから、取引者、需要者に商品の品質等を示すものとして認識され得る商標であると判断するのが相当である。
したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 結論
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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