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商標拒絶査定不服審判

2022-006216

ノムシリカ、ノム

審判番号
2022-006216
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2020-101368
請求日
2022年04月25日
審決日
2024年10月29日
公報発行日
2025年06月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社Qvou
  • 【請求人代理人】弁理士法人綾船国際特許事務所
  • 【請求人代理人】森本 聡
審判長/審判官
  • 審判長 大島 康浩
  • 審判官 阿曾 裕樹
  • 審判官 吉沢 恵美子
分類
T18 .13 -Z (W32) / T18 .17 -Z (W32)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法3条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項、特許法第150条第5項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2020-101368拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、「のむシリカ」の文字を標準文字で表してなり、第32類「シリカを含有する飲料水」を指定商品として、令和2年8月17日に登録出願されたものである。 原審では、令和3年8月12日付けで拒絶理由の通知、同年9月27日受付で意見書の提出、同4年1月20日付けで拒絶査定されたもので、これに対して同年4月25日に本件拒絶査定不服審判が請求されている。 当審では、令和5年9月14日受付で上申書の提出、同6年8月6日付けで証拠調べ通知書の通知、同年9月13日受付で意見書の提出がされている。 2 原査定の拒絶の理由(要旨) 本願商標は、「のむシリカ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「シリカ」の文字は、その指定商品との関係において、配合されている成分の名称を表示したものと容易に理解される。 ところで、本願商標の指定商品に係る業界においては、「のむ○○」、「飲む○○」(「○○」には成分や原材料の名称が入る。)の語が、○○が配合された飲み物や、飲むことで○○を摂取できることを特徴とする商品に使用されている実情がある。 そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「のむ」を「飲む(口に入れてかまずに食道の方に送る。)」と理解し、本願商標をその指定商品に使用しても、その商品が「シリカが配合された飲み物」であること、「飲むことでシリカを摂取することができる商品」であることといった、商品の品質、特徴を表示したものと認識するにとどまる。 したがって、本願商標は、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみよりなるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 3 当審における職権証拠調べ通知 当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲1及び別掲2のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。 4 上記通知に対する請求人の意見 (1)別掲1の事例より、シリカを含有することをうたう飲料があることは事実だが、そのような飲料のウェブサイトがあるからといって、シリカが体に欠かせない成分として注目を集めているとは推定できない。そのことを立証するのであれば、ウェブサイトのアクセス数が示されるべきだが、その記載はない。 (2)別掲2の商品は、各々特有の栄養成分を含んでおり、いずれもその栄養成分を摂取することを主目的とする「サプリメント」に該当する商品である。それらから導き出せる事実はあくまで「飲む○○」と称する「サプリメント」が販売されているということである。いくら「サプリメント」に関する事実を挙げたところで、本願商標の指定商品に係る「飲料水」が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かを判断する根拠とはならない。 5 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号について ア 本願商標は、「のむシリカ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「のむ」の文字部分は「口に入れて噛まずに食道の方に送る。喉に流し入れる。」の意味を有する「飲む」の語に通じ、「シリカ」の文字部分は「二酸化ケイ素の通称」の意味を有する語(参照:「広辞苑 第7版」岩波書店)である。 イ 本願商標の指定商品に係る取引分野において、別掲1のとおり、「シリカ」が体に欠かせない成分として注目されており、それを含有することをうたう飲料が広く流通している実情がある。 また、別掲2のとおり、例えば「飲むミネラル」、「飲むコラーゲン」、「飲む高濃度ビタミンC」、「飲むカルシウム」、「飲むヒアルロン酸」、「飲むセラミド」、「飲む乳酸菌」などのように、「飲む○○」と称する、経口で栄養成分などを摂取できる商品(飲料、サプリメントなど)が広く流通している実情もある。 ウ そうすると、本願商標は、その指定商品「シリカを含有する飲料水」に使用するときは、それに接する需要者及び取引者をして、「飲む(ことで経口で摂取できる)シリカ」程度の意味合いを認識、理解させるもので、単に商品の品質(摂取方法、成分)を表示するにすぎない。 エ(ア)請求人は、本願商標は請求人が作り出した造語であり、実際に取引者の間で「飲料水の商品名」として認知されているから、自他商品識別力を発揮し得る旨を主張する。 しかしながら、本願商標の指定商品に係る取引分野において、上記イのとおり、「シリカ」を含有することをうたう飲料が広く流通している取引の実情があり、また、「飲む○○」と称する、経口で栄養成分などを摂取できる商品(飲料、サプリメントなど)が広く流通している取引の実情もあることを踏まえると、本願商標は、その指定商品に使用するときは、それに接する需要者及び取引者をして、造語というよりは、「飲む(ことで経口で摂取できる)シリカ」程度の意味合いを認識、理解させるもので、単に商品の品質を表示するにすぎない。 (イ)請求人は、別掲2の事例は「サプリメント」に該当する商品であり、本願商標の指定商品「シリカを含有する飲料水」についての商標法第3条第1項第3号該当性の判断の根拠とはならない旨を主張する。 しかしながら、別掲2の事例によれば、上記イのとおり、「飲む○○」と称する、経口で栄養成分などを摂取できる商品(飲料、サプリメントなど)が広く流通している取引の実情があることが分かるところ、それら商品と本願商標の指定商品「シリカを含有する飲料水」はいずれも健康食品として取引市場や需要者層は共通している。 そうすると、本願商標は、上記取引の実情を踏まえると、それに接する需要者及び取引者をして、「飲む(ことで経口で摂取できる)シリカ」程度の意味合いを認識、理解させるというべきである。 オ 以上のとおり、本願商標は、その指定商品について、商品の品質(摂取方法、成分)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)商標法第3条第2項について ア 請求人は、甲第1号証から甲第14号証(枝番号あり。以下「甲○」と表記する。)を提出し、本願商標は、請求人により長年にわたって使用されており、請求人の取り扱う商品を表示する商標として取引者及び需要者に広く認識されているため、自他商品の出所識別標識としての機能を果たす旨を主張するため、本願商標の商標法第3条第2項該当性について以下のとおり検討する。 (ア)請求人の主張及び提出証拠によれば、以下のとおりである。 a 請求人が、2017年4月に発売した「のむシリカ」(以下「請求人商品」という。)は、ミネラルの一種であるシリカの含有量が多い「ナチュラルミネラルウォーター」である(甲12の1)。 b 請求人商品は、その容器ラベルに、「霧島天然水」、「のむ」及び「シリカ」の文字のほか、「シリカ 97mg」の文字が表示されている(甲3)。 c 請求人商品は、主にネット通販市場で販売されていたが、2022年12月からは小売店頭(コンビニ、スーパーなど)でも販売を開始し、その売上高は、2022年夏に5千万本を超え、2023年7月に1億本を超えた(甲12の10)。 d 請求人商品は、年間数十億円をかけて、ネットをはじめ様々なメディアでプロモーションを展開していた(甲12の10)。 e 雑誌(2020年から2022年にかけて発行されたもの)やオンライン記事(DIAMOND Chain Store online)などにおいて、請求人商品を紹介する記事情報が掲載されている(甲6の1~53、甲12の1~10)。 それら記事情報においては、「霧島連山が生んだ極上の「シリカ水」!」(甲6の1)、「からだにいいシリカがたっぷりだから」(甲6の3)、「その名のとおり、ミネラルの一種、シリカの含有量が驚くほど多い。」(甲12の1)、「「のむシリカ」の最大の魅力は、その名が示すとおり、ミネラルの一種、シリカの含有量が驚くほど多いことだ。」(甲12の4)、「シリカ含有量 世界トップクラス!!」(甲12の5)、「「のむシリカ」は、ミネラル成分をバランスよく含み、特にシリカの含有量が多い点が特徴だ。」(甲12の7)、「天然ミネラルが豊富 シリカ含有量は世界トップ水準」(甲12の9)などのように、請求人商品がシリカを成分に含む飲料であることが強調されている。 f 請求人商品のテレビCMの複数の動画が、YouTubeにアップロードされている(甲5)。また、請求人商品と関連するイベントが複数回開催されている(甲7の1~3)。さらに、請求人は2020年以降、「月刊のむシリカ」と称する購入者に配布する冊子を作成している(甲8の1~24)。 (イ)以上を踏まえると、請求人商品は、本願商標の構成文字「のむシリカ」を商品名とする、その指定商品である「シリカを含有する飲料水」に相当する商品であるところ、2017年4月以降、約7年程度の販売期間があり、2022年まではネット通販を通じて年平均で約1千万本、2022年から2023年の間は小売店頭なども通じて約5千万本の販売実績があり、また、2020年以降を中心として、雑誌やテレビCM、イベントなどを通じて継続的に広告宣伝活動がされていることが確認できる。 しかしながら、本願商標の指定商品に係る飲料水の需要者は、広く一般の需要者であるところ、請求人商品の販売実績は、飲料水の取引市場を基準とすれば、必ずしも長期間かつ大規模な販売数量があるとまではいえず、また、広告宣伝実績にしても、全国的な取引市場を前提とすれば、一般需要者に向けて広く、網羅的に到達するほどの広告宣伝規模とまでは直ちに評価し難く、さらに、広告宣伝費の裏付けやそれを使用した広告媒体ごとの内訳なども明らかではない。 加えて、請求人商品の容器ラベルや雑誌等の広告宣伝では、シリカを成分に含む飲料であることが強調されているから、それら商品購入者や広告に接する者は、「のむシリカ」の表示を商品の種別(成分や摂取方法)を示す表示として通常は認識、理解すると考えられ、出所識別標識たる商品名として認識、記憶しているかは必ずしも明らかではない。 その他、本願商標について、一般需要者の間における、請求人の自他商品の出所識別標識としての認知度や知名度の程度を直接的かつ客観的に示すような証拠は提出されていない。 そうすると、本願商標「のむシリカ」は、請求人提出の証拠によっては、請求人に係るブランド名として、その指定商品に係る一般需要者の間において、広く知られるに至っていると認めることはできない。 したがって、本願商標は、請求人により使用された結果、何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものになったとはいえず、商標法第3条第2項の要件を具備しない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、同条第2項の要件を具備しないから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-006216

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