商標拒絶査定不服審判
2022-006180
アイオオテイブレーカシステム、イオトブレーカシステム、アイオオテイブレーカ、イオトブレーカ、アイオオテイ、イオト、ブレーカシステム、ブレーカ
- 審判番号
- 2022-006180
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-059654
- 請求日
- 2022年04月25日
- 審決日
- 2023年09月21日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】テンパール工業株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人藤本パートナーズ
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 山田 啓之
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T18 .13 -Z (W0942) / T18 .272-Z (W0942)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-59654拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年5月13日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年5月27日付け :拒絶理由通知書
令和3年7月28日付け :意見書の提出
令和3年12月22日付け:拒絶査定
令和4年4月25日付け :審判請求書の提出
令和5年6月5日付け :審尋
令和5年7月19日付け :意見書の提出
第2 本願商標
本願商標は、「IoTブレーカシステム」の文字を標準文字で表してなり、第9類「配線用遮断器,漏電遮断器,分電盤,通信機能付き遮断器,遮断器用ソフトウエア,電気通信機械器具」及び第42類「電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」を指定商品及び指定役務として、登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「IoTブレーカシステム」の文字を標準文字により表してなるところ、その構成中、「IoT」の文字は、「(internet of things)自動車・電化製品など、IT機器以外の『もの』が、インターネットにより相互に接続されているシステム。物のインターネット。」等を表す語であり、「ブレーカ」の文字は、「回路遮断器のこと。」を表す「ブレーカー」に通ずる語であり、「システム」の文字は、「複数の要素が有機的に関係しあい、全体としてまとまった機能を発揮している要素の集合体。組織。系統。仕組み。」(いずれも「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)等を表す語である。そして、遠隔操作が可能なブレーカーなどの「IoT技術を活用したブレーカー」が製造・販売されている実情及びブレーカーに関するシステムについて、「ブレーカーシステム」の語が使用されている実情が確認できる。そうすると、本願商標の構成中の「IoTブレーカ」の文字は、その指定商品・指定役務との関係において、「IoT技術を活用したブレーカー」ほどの意味合いが認識され、本願商標全体として、「IoT技術を活用したブレーカーシステム」ほどの意味合いが認識されるものである。以上によれば、本願商標をその指定商品・指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品・役務が「IoT技術を活用したブレーカーシステムに関する商品・役務」であることを認識するにとどまるから、本願商標は、単に商品・役務の品質・質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「IoT技術を活用したブレーカーシステムに関する商品・役務」以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審における審尋
当審において、令和5年6月5日付けで通知した審尋により、別掲1ないし別掲3に示すとおりの事実を新たに示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の見解を示し、相当の期間を指定して請求人に意見を求めた。
第5 審尋に対する請求人の意見(要旨)
本願商標が外観上一体不可分の構成からなること、「IoTブレーカシステム」は、辞書等に載録がないものであって特定の意味を有する成語には当たらないこと、本願指定商品等の分野において「IoTブレーカシステム」の文字が商品の具体的な品質等を直接的に表示するものとして一般に使用されている事実は存在しないこと等を考慮すると、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合に、「インターネットに接続され、相互に情報交換するブレーカーに関するシステム」ほどの意味合いを暗示させる場合があるとしても、いまだ抽象的で具体性を欠いた意味合いを理解させるにとどまるものである。したがって、本願商標「IoTブレーカシステム」は、その構成全体として、将来を含め、本願指定商品等の取引者、需要者に対し、直ちに特定の商品の品質、用途又は役務の質、用途等の特性を表示記述したものとはいい難く、むしろ、特定の意味を有しない一体不可分の造語として認識されると考えるのが相当である。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が、商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、指定商品又は指定役務との関係で、その商品の品質、その役務の質等その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品又は自他役務の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標がその指定商品又は指定役務との関係で、商品の品質、役務の質等その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、将来を含め、指定商品又は指定役務の取引者、需要者によって商品又は役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(最高裁昭和53年(行ツ)第129号判決、平成26年(行ケ)第10056号判決、平成27年(行ケ)第10107号判決、平成27年(行ケ)第10232号判決参照)。
2 本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
(1)本願商標を構成する文字について
本願商標は、「IoTブレーカシステム」の文字を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であると認められる。
また、本願商標の構成文字の語義、並びに「IoT」等の文字及び「システム」の文字の使用状況に関し、別掲1ないし別掲3のとおりの事実が認められる。これら事実によれば、本願商標の構成中の「IoT」の文字は、「さまざまなモノがインターネットに接続され、相互に情報交換する仕組みのこと」を意味する語として、「ブレーカ」の文字は、「回路遮断器」を意味する「ブレーカー」と同義の語として、「システム」の文字は、「複数の要素が有機的に関係しあい、全体としてまとまった機能を発揮している要素の集合体。組織。系統。仕組み。」を意味する語として、いずれも一般的に知られているものと認められる。
そして、別掲2のとおり、「IoT家電」の語が、「インターネットに接続することでさまざまな機能を手に入れた家電」といった意味で(別掲2(1))、「IoTセンサ」の語が、「インターネット通信をおこない情報収集・管理するセンサ」といった意味で(同(2))、「IoT仮設分電盤」の語が、スマートフォンやパソコンからスイッチの遠隔操作が可能な、通信モジュールとブレーカーを備えた分電盤といった意味で(同(3))、「IoT分電盤」の語が、「インターネット接続を可能にした仮設分電盤」といった意味で(同(4))、それぞれ使用されていることからすると、「IoT」の語に商品の一般的名称が続いた場合は、当該「IoT」は、「インターネットに接続され、相互に情報交換する」との趣旨で使用され、また、そのような使用法が、本願商標の指定商品の分野を含め、一般的に受け入れられているものと認められる。
さらに、別掲3のとおり、「IoTブレーカシステム」の語が、インターネットにつながる端末からブレーカを監視、制御できるIoTブレーカに関するシステムといった意味合いで(別掲3(1))、「IoTディスプレイシステム」の語が、クラウドやビッグデータ、AIを基に、様々なIoT端末への映像と情報の配信、またそれらを活用したサービスの提供が可能なIoTディスプレイに関するシステムといった意味合いで(同(2))、「IoTセンサーシステム」の語が、検知と同時に情報を通知する機能を有するIoTセンサーに関するシステムといった意味合いで(同3(3))それぞれ使用されていることからすると、「IoT」の語に商品の一般的名称が続き、さらに「システム」の語が続いた場合、その構成文字の全体は、「インターネットに接続され、相互に情報交換する商品に関するシステム」との趣旨で使用され、また、そのような使用法が、本願商標の指定商品の分野を含め、一般的に受け入れられているものと認められる。
(2)判断
上記(1)の認定事実によれば、「IoT」の語に、商品の一般的名称である「ブレーカー」の語と同義の「ブレーカ」の語が続き、さらに「システム」の語が続いた「IoTブレーカシステム」の文字からなる本願商標は、本願商標の指定商品及び指定役務の取引者及び需要者によって、将来を含め、「インターネットに接続され、相互に情報交換するブレーカーに関するシステム」という商品の品質、用途又は役務の質、用途等の特性を表示記述したものとして、一般に認識されるものというのが相当であり、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、自他商品又は自他役務の識別力を欠くというべきである。
また、上記(1)のとおり、本願商標は、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
したがって、本願商標は、その指定商品の品質、用途又は役務の質、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として、商標法第3条第1項第3号に該当する。
さらに、本願商標を、その指定商品又は指定役務中、「インターネットに接続され、相互に情報交換するブレーカーに関するシステム」と関連のない商品又は役務について使用をするときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
3 請求人の主張について
請求人は、「本願商標が外観上一体不可分の構成からなること、「IoTブレーカシステム」は、辞書等に載録がなく特定の意味を有する成語には当たらないこと、本願指定商品等の分野において「IoTブレーカシステム」の文字が商品の具体的な品質等を直接的に表示するものとして一般に使用されている事実は存在しないこと等を考慮すると、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合に、「インターネットに接続され、相互に情報交換するブレーカーに関するシステム」ほどの意味合いを暗示させる場合があるとしても、いまだ抽象的で具体性を欠いた意味合いを理解させるにとどまるものであるから、本願商標は、将来を含め、本願指定商品等の取引者、需要者に対し、直ちに特定の商品の品質、用途又は役務の質、用途等の特性を表示記述したものとはいい難く、むしろ、特定の意味を有しない一体不可分の造語として認識されると考えるのが相当である。」旨主張する。
しかしながら、たとえ、「IoTブレーカシステム」の語が成語として辞書類に載録されていないものであるとしても、上記2のとおりの、「IoT」「ブレーカ」「システム」の各語の語義や使用状況に照らせば、「IoT」の語に商品の一般的名称が続き、さらに「システム」の語が続いた場合、その構成文字の全体は、「インターネットに接続され、相互に情報交換する商品に関するシステム」との趣旨で使用され、また、そのような使用法が、本願商標の指定商品の分野を含め、一般的に受け入れられているものと認められるから、「IoT」の語に、商品の一般的名称である「ブレーカー」の語と同義の「ブレーカ」の語が続き、さらに「システム」の語が続いた「IoTブレーカシステム」の文字からなる本願商標は、本願商標の指定商品及び指定役務の取引者及び需要者によって、将来を含め、「インターネットに接続され、相互に情報交換するブレーカーに関するシステム」という商品の品質、用途又は役務の質、用途等の特性を表示記述したものとして、一般に認識されるものというのが相当であり、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、自他商品又は自他役務の識別力を欠くというべきである。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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