商標拒絶査定不服審判
2022-006062
キンガシンネンコトブキ、キンガシンネン、コトブキ
- 審判番号
- 2022-006062
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-095256
- 請求日
- 2022年04月21日
- 審決日
- 2024年11月18日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】たいまつ食品株式会社
- 【請求人代理人】岩田 敏
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 勉
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .16 -Z (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-95256拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年8月1日の登録出願であって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。
令和3年 8月 6日付け:拒絶理由通知書
令和3年11月30日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 1月18日付け:拒絶査定
令和4年 4月21日 :審判請求書の提出
令和6年 8月19日付け:証拠調べ通知書
令和6年10月 2日 :意見書の提出
第2 本願商標
本願商標は、第30類「鏡餅」を指定商品として、願書に記載のとおりの構成からなる立体商標として登録出願され、その後、前記第1の原審における手続補正書により、別掲1のとおりの構成からなる立体商標に補正されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標の構成中の立体的形状は、本願の指定商品に係る業界において、鏡餅の飾りとして、御幣や水引を有するものを用いることや、海老を中央に配置して装飾したものを用いることが広く一般に知られており、その指定商品との関係においては、その飾りの形状の一形態を表したものとして理解されるにとどまり、自他商品識別標識として認識され得ない。
そして、本願商標の構成中の「謹賀新年」及び「寿」の文字は、新年の挨拶の言葉や祝言として用いられるものであることは広く一般に知られており、正月に飾る鏡餅に使用したとしても、単に新年の挨拶や祝言を表したものとして理解されるにとどまり、自他商品の識別標識として認識され得ない。
以上から、本願商標を構成する立体的形状及び文字のいずれもが自他商品の識別標識として認識されないから、これらを組み合わせたにすぎない本願商標は、構成全体としても、自他商品の識別標識としての機能を有するところがないから、これを本願の指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
第4 当審における証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲2(5)ないし(17)のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、上記第1の証拠調べ通知書によって通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 証拠調べに対する請求人の回答の要旨
請求人は、上記第4の証拠調べ通知書に対し、意見書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
本願商標の立体的形状部分は、御幣と海老が看者の目をひき、これを装飾した鏡餅は、他の一般的な鏡餅と異なる印象を与え、容易に区別させるものとなっており、その印象的な立体的形状から請求人の鏡餅として食品流通・販売業界(いわゆる当業者)では広く認知されたものとなっている。
よって、本願商標は、鏡餅の形状の一形態を表したものとして理解されるにとどまらず、自他商品識別標識として認識され得るものである。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号の該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、御幣、水引及び海老を組み合わせた立体的形状並びに当該立体的形状部分の中央やや下方に「謹賀新年」及び「寿」の文字を書してなるものである。
そして、本願商標の構成中の立体的形状は、別掲2(1)ないし(3)のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、鏡餅の飾りとして、御幣や水引を有するものを用いることや、海老を中央に配置して装飾したものを用いることが広く一般に知られ、別掲2(4)ないし(17)のとおり、現に、海老等の縁起が良いとされる事物を模した装飾や水引、御幣を含め、様々な装飾が付されていることからすると、本願商標の構成中の立体的形状は、需要者をして、鏡餅の装飾としての機能又は美観上の理由による配色又は形状等と予想し得る範囲のものであるというべきであって、鏡餅の装飾としての機能又は美観に資する目的のために採用されたものと認められる。
また、本願商標の構成中の「謹賀新年」及び「寿」の文字は、新年の挨拶の言葉や祝言として用いられるものであることは広く一般に知られており、例えば別掲2(4)、(7)、(8)、(14)ないし(17)のとおり、同業界において、鏡餅の飾りの中には「謹賀新年」及び「寿」の文字を含め、新年の挨拶の言葉や祝言の文字が付された商品が取引されている事実が認められるから、正月に飾る鏡餅に使用したとしても、単に新年の挨拶や祝言を表したものとして理解されるにとどまり、自他商品の識別標識として認識され得ない。
そうすると、本願商標は、これに接する需要者に、商品の美感又は機能に資することを目的とするデザイン手法に則して、商品(鏡餅)に付される装飾と認識されるにとどまるというべきであり、その立体的形状及び文字には、直ちに出所識別標識として認識されるような顕著な特徴があるとはいえないから、これを本願の指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標の立体的形状部分は、御幣と海老等が看者の目をひき、これを装飾した鏡餅は、他の一般的な鏡餅と異なる印象を与え、容易に区別させるものである旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、鏡餅の飾りとして、御幣や水引を有するものを用いることや、海老を中央に配置して装飾したものを用いることが広く一般に知られ、現に、海老等の縁起が良いとされる事物を模した装飾や水引、御幣を含め、様々な装飾が付されていることからすると、本願商標の構成中の立体的形状は、需要者をして、鏡餅の装飾としての機能又は美観上の理由による配色又は形状等と予想し得る範囲のものであるというべきであって、鏡餅の装飾としての機能又は美観に資する目的のために採用されたものと認められる。
よって、本願商標の立体的形状は、本願商標の指定商品である鏡餅の飾りの形状の一形態を表したものとみるのが相当である。
(2)請求人は、本願商標を付した鏡餅を約15年前から毎年継続的に製造・販売しており、その印象的な立体的形状から出願人の鏡餅として当業者では広く認知されたものとなっている旨主張する。
しかしながら、証拠によれば、請求人は、本願商標の立体的形状を、請求人の取扱いに係る一部の商品に数次にわたり使用したことは見受けられるものの、その使用開始時期及び使用期間は不明確であり、また、その立体的形状を使用した商品の売上高やその多寡は不明である。
その他、本願商標が、請求人に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く知られていることを客観的に把握できる証拠は見いだせない。
そうすると、本願商標は、請求人提出の証拠によっては、我が国の需要者の間において、請求人の業務に係る商品を表示するものとして、広く認識されるに至っているものと認めることはできない。
(3)したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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