商標拒絶査定不服審判
2022-005518
マルチラベルプリンター、マルチレーベルプリンター、マルチラベル、マルチレーベル、ラベルプリンター、レーベルプリンター
- 審判番号
- 2022-005518
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-015747
- 請求日
- 2022年04月13日
- 審決日
- 2023年08月25日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】コクヨ株式会社
- 【請求人代理人】窪田 英一郎
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 山田 啓之
- 審判官 青野 紀子
- 分類
- T18 .13 -Z (W0916) / T18 .272-Z (W0916)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-15747拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第9類「電子応用機械器具及びその部品」及び第16類「あて名印刷機,印字用インクリボン,自動印紙はり付け機,事務用電動式ステープラ,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,文房具類」を指定商品として、令和3年2月10日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年8月31日付けで拒絶理由の通知がされ、同年10月11日に意見書が提出されたが、同4年1月14日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して、令和4年4月13日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、別掲2の証拠を提示した上で「本願商標は、「Multi Label Printer」の欧文字及び「マルチラベルプリンター」の片仮名を上下二段に書してなるところ、その構成中の「Multi」及び「マルチ」の文字は、「(接頭語として)「多数」「複数の」「多面的」の意を表す。」等を意味し、「Label Printer」及び「ラベルプリンター」の文字は、「ハガキや封筒などの宛名や、ラベルなどを印刷するためのプリンター。」を意味する語と認められる。そして、本願の指定商品を取り扱う分野において、「多用途」の商品を「マルチ○○」と称し、取引が行われている実情が認められる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者及び需要者は、該商品が「多用途のラベル等を印刷するためのプリンター」であると認識するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるといえる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品に照応しない商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
3 当審における審尋
当審において、令和5年3月27日付け審尋により、請求人に対し、別掲3に係る証拠を示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
4 審尋に対する請求人の意見(要旨)
請求人は、上記3の審尋に対し、令和5年5月10日受付の意見書を提出し、要旨以下のとおり意見を述べた。
(1)本願商標は、「Multi Label/マルチラベル」と「Printer/プリンター」又は「Multi/マルチ」と「Label Printer/ラベルプリンター」に区切って理解することも可能であり、いずれの区切り方であるかによって、本願商標から生じる意味合いは、全く異なるから、本願商標に接した取引者、需要者は、本願商標をある特定の具体的な意味合いに一義的に理解することはできない。
(2)「マルチラベルプリンター」の語が一般的に使用されているといった実情は存在しないことは、取引者、需要者が「多用途又は多機能のラベルプリンター」を意味する語として理解するものではないことを示している。
(3)「マルチラベルプリンタ」の使用例の証拠(別掲3の3(9))において、「マルチ」の語が、複数の用途を有することを指す語として使用されていることを示す記載は存在しないから、「マルチ」の語が必ずしも、「多用途又は多機能」の意味で使用されているとはいえない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、「Multi Label Printer」の欧文字及び「マルチラベルプリンター」の片仮名を一般的書体で二段に横書きしてなるところ、構成中の「Multi/マルチ」の文字は「多数、複数の、多面的」の意味を有し、「ラベル/Label」の文字は「ラベル、目的のための貼り紙」の意味を有し、「Printer/プリンター」の文字は「印刷機、(コンピュータ)プリンター」の意味を有する語(いずれも「広辞苑第七版」(株式会社岩波書店)、「ジーニアス英和辞典 第5版」(株式会社大修館書店))であって、本願商標は、これらの語を結合してなるものである。
そして、本願の指定商品を取り扱う分野において、別掲3の1のとおり、構成中の「Label Printer/ラベルプリンター」の文字は、「ラベル等を印刷するためのプリンター」の意味合いで一般に使用されており、また、別掲3の2のとおり、多用途又は多機能の商品が「マルチ○○」(○○は商品名)と称して取引されている実情が見受けられる。
また、別掲3の3のとおり、本願の指定商品を取り扱う分野において、多用途又は多機能のラベルプリンターが取引されており、そのような商品の中には「マルチラベルプリンタ」の文字が使用されている実情も見受けられる。
なお、一般に、「プリンター」が「プリンタ」とも表記されることは、公知の事実と解される。
そうすると、本願商標を、その指定商品中「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる「プリンター」、及び「あて名印刷機」に使用するときは、これに接する取引者及び需要者は、当該商品が「多用途又は多機能のラベル等を印刷するためのプリンター」であると認識するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、かつ、本願の指定商品中、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じるおそれがあるものである。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張
ア 請求人は、本願商標を、「Multi Label/マルチラベル」と「Printer/プリンター」に区切って理解することも、また、「Multi/マルチ」と「Label Printer/ラベルプリンター」に区切って理解することも可能であり、いずれかの一方の区切り方の方が、もう一方の区切り方よりも自然であるといった事情はない旨、そして、前者のように区切った場合には、本願商標は「マルチラベル(インクジェットプリンター、レーザープリンター、コピー機等の様々な種類のプリンターで印刷することができるラベル用紙)に印刷することができるプリンター」の意味合いに理解されるのに対し、後者のように区切った場合には、本願商標は「多用途又は多機能のラベルプリンター(ラベル等を印刷するためのプリンター)」の意味合いに理解され、いずれの区切り方であるかによって、本願商標から生じる意味合いは全く異なるから、本願商標に接した取引者、需要者をして、本願商標を、ある特定の具体的な意味合いに一義的に理解させることはできない旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願の指定商品を取り扱う分野において、「Label Printer/ラベルプリンター」の文字が「ラベル等を印刷するためのプリンター」の意味合いで一般的に使用されている事実があり、かつ、多用途又は多機能の商品が「マルチ○○」と称して取引されている実情、及び、多機能又は多用途のラベルプリンターが取引され、そのような商品には「マルチラベルプリンタ」の文字が使用されている実情が見受けられることを踏まえれば、本願商標をその指定商品中、上記(1)で挙げた商品に使用するときは、本願商標からは「多用途又は多機能のラベル等を印刷するためのプリンター」ほどの意味合いを容易に理解するというべきである。
なお、請求人が主張するように、本願商標を「Multi Label/マルチラベル」と「Printer/プリンター」に区切って把握した場合には、「マルチラベル(インクジェットプリンター、レーザープリンター、コピー機等の様々な種類のプリンターで印刷することができるラベル用紙)に印刷することができるプリンター」との意味合い、すなわち商品の品質を認識させるものであるから、結局、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当することに変わりはない。
イ 請求人は、「ラベルプリンター」が多用途又は多機能であることは、一般的であり、特別な属性であるとはいえないが、それにもかかわらず、かかる商品を指して「マルチラベルプリンター」の語が一般的に使用されてないことは、むしろ、取引者、需要者は「マルチラベルプリンター」の語を必ずしも「多用途または多機能のラベルプリンター」を意味する語として理解するものではないことを示している旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願の指定商品を取り扱う分野においては、実際に、ラベルプリンターについて「マルチラベルプリンタ」の文字が使用されている事例も見受けられる。
また、そもそも、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(平成12年(行ケ)第76号 平成12年9月4日 東京高等裁判所)。
したがって、仮に、本願商標を構成する一連の欧文字又は片仮名が現実に使用されていないとしても、上記(1)に記載のとおり、本願商標の構成文字及びその指定商品の分野における取引の実情等を考慮すれば、本願商標は、取引者、需要者をして、商標全体として「多用途又は多機能のラベル等を印刷するためのプリンター」ほどの意味合いを理解させるものであるから、本願商標は、商品の品質を表示したものと判断するのが相当である。
ウ 請求人は、審尋中の「マルチラベルプリンタ」の使用例の証拠(別掲3の3(9))においては、「おすすめの用途」として「物流倉庫等のロケーション管理ラベル、機器銘板ラベル、工作機械用取扱い説明ラベル」等が挙げられており、当該商品が複数の用途を有することが示されているが、「マルチラベルプリンタ」の商品名における「マルチ」の語が、かかる複数の用途を有することを指す語として使用されていることを示す記載は存在しないから、「マルチ」の語が必ずしも、「多用途又は多機能」の意味で使用されているとはいえない旨主張する。
しかしながら、別掲2及び3の全体を踏まえれば、上記(1)のとおり判断するのが相当である。
エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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