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商標拒絶査定不服審判

2022-005431

ツクダノツクダニ、ツクダノ、ツクダ

審判番号
2022-005431
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2020-068690
請求日
2022年04月12日
審決日
2023年06月27日
公報発行日
2023年09月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】佃食品株式会社
  • 【請求人代理人】松田 忠秋
審判長/審判官
  • 審判長 冨澤 武志
  • 審判官 馬場 秀敏
  • 審判官 須田 亮一
分類
T18 .13 -Z (W29)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2020- 68690拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和2年6月3日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年6月9日付け:拒絶理由通知書 令和3年8月25日 :意見書の提出 令和4年1月4日付け:拒絶査定 令和4年4月12日 :審判請求書の提出 第2 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第29類「佃煮を含んでなる菓子,くるみを主材とする佃煮,木の実を主材とする佃煮,肉の佃煮,水産物の佃煮,海苔の佃煮,野菜を主材とする佃煮,加工野菜を主材とする佃煮,加工果実を主材とする佃煮,山菜を主材とする佃煮,お茶漬け用の佃煮,魚・えび・いか・かつお節又はさば節を主材とする佃煮」を指定商品として、登録出願されたものである。 第3 原査定の拒絶の理由(要点) 本願商標は、「佃の佃煮」の文字を毛筆体で横書きしてなるところ、当該構成態様は、本願の指定商品を取り扱う業界においてことさら特殊なものではなく、一般的に使用される構成態様の域を出ないものである。 そして、本願商標を構成する「佃」の文字は、「東京都中央区東部。」の「佃地区」を表す語であり、当該佃地区が佃煮の発祥地とされているほか、上記地区に残る老舗により現在も佃煮の製造が続けられていることからすれば、とりわけ、本願の指定商品との関係においては、上記地区の名称を容易に理解させるものというべきである。 そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「東京都中央区佃地区を産地、販売地とする佃煮」又はこれを含む商品であることを認識するにとどまり、自他商品の識別標識として認識し得ないものというのが相当である。 したがって、本願商標は、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標にあたるので、商標法第3条第1項第3号に該当する。 第4 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、別掲のとおり、「佃の佃煮」の漢字及び平仮名を筆書き風の書体で横書きしてなるところ、その構成中「佃」の文字は「佃島の略」(「大辞泉 第二版」株式会社小学館)、「東京都中央区東部、隅田川河口にある佃島を中心とする地区」(「コンサイス日本地名辞典 第3版」株式会社三省堂)等の意味を有する語であり、また、「佃煮」の文字は、「(もと江戸佃島で製造したのでこの名がある)魚介・野菜・のりなどをしょうゆ・みりん・砂糖で味濃く煮しめた保存食品。」等の意味を有する語(「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)である。そして、本願商標は、「佃」の文字と「佃煮」の文字を、連帯格を示す助詞であって場所を示す「の」(前掲「広辞苑 第七版」)で結合してなるものであるから、全体として「佃島で生産された佃煮」程の意味合いを容易に認識させるものである。 そうすると、本願商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「佃島で生産された佃煮」又は「佃島で生産された佃煮を含む商品」であるという商品の品質、産地を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 2 請求人の主張について (1)請求人は、「佃」の文字について、本来複数の意味を有すること、請求人会社の会社名の頭初の文字であり、請求人会社の社長の姓を表わすこと、東京都中央区にある佃地区以外の地を「佃煮」の発祥の地とする説があること、さらに地名として、東京都中央区、大阪市西淀川区、青森市に所在の各地区名の存在を挙げて、「佃」の文字は、東京都中央区の「佃地区」の名称のみを一義的に理解させるものではない旨を主張している。 しかしながら、上記1のとおり、「佃」の文字は、「佃島の略」、「東京都中央区東部、隅田川河口にある佃島を中心とする地区」の意味を有する語であり、「佃煮」の名の由来が「もと江戸佃島で製造した」ことであることからすれば、本願の指定商品との関係においては、本願商標の構成中の「佃」の文字は「東京都中央区にある佃地区」を容易に認識させるものと判断するのが相当である。 また、東京都中央区以外に「佃」という地名があることや東京都中央区にある佃地区以外の地を「佃煮」の発祥の地とする説があることから、本願商標をその指定商品について使用したときに、東京都中央区以外の佃の地を指すものと理解、認識することがあるとしても、結局、本願商標全体としては「東京都中央区以外の佃の地で生産された佃煮」であるという商品の品質、産地を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというのが相当であることに変わりはない。 そして、「佃」の文字が、我が国において姓としても使用されることのある文字であるとしても、原審における意見書において請求人が述べているように、「佃」の姓は我が国においてありふれた氏であるとはいえないことからすれば、本願商標の構成中の「佃」の文字が、「佃」の姓を想起させるものともいい難い。 (2)請求人は、過去における登録例(第24号証)を挙げて、本願商標も登録されるべき旨を主張している。 しかしながら、登録出願に係る商標がその指定商品との関係において、自他商品の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と指定商品との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の示す登録例と本願商標とは、構成文字及び指定商品が異なり、事案を異にするものであるし、本願商標が自他商品の識別力を欠くものであることは、上記1のとおりであるから、登録例があるからといってその判断が左右されることはない。 (3)請求人は、請求人会社以外の第三者によって使用されている事実が確認されていないから、請求人による独占使用に何ら問題がなく、いわゆる独占適応性に欠けるものでもない旨を主張している。 しかしながら、商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、商標の産地、販売地その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきである(昭和53年(行ツ)第129号 最高裁判所第三小法廷判決参照)。 そして、同号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(昭和60年(行ツ)第68号 最高裁判所第一小法廷判決、平成12年(行ケ)第76号 東京高等裁判所判決参照)。 してみれば、請求人以外の者が「佃の佃煮」の文字を商標として使用している例がないとしても、上記1のとおり、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「佃島で生産された佃煮」であるという商品の品質、産地を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまるものであって、その判断を左右するものではない。 (4)したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。 3 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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