商標拒絶査定不服審判
2022-005270
- 審判番号
- 2022-005270
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-070088
- 請求日
- 2022年04月08日
- 審決日
- 2023年06月28日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ニットク
- 【請求人代理人】白崎 真二
- 【請求人代理人】阿部 綽勝
- 【請求人代理人】勝木 俊晴
- 【請求人代理人】岡崎 紳吾
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 藤村 浩二
- 分類
- T18 .13 -Z (W070911213537) / T18 .17 -Z (W070911213537)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-70088拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年6月5日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年6月9日付け :拒絶理由通知書
令和3年8月17日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年1月18日付け:拒絶査定
令和4年4月8日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなる立体商標であり、第7類、第9類、第11類、第21類、第35類及び第37類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、上記1の手続補正により、別掲2のとおりの商品及び役務に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、立体商標であり、全体が円錐状の立体形状からなり、当該円錐状の左部分には、ねじ取付部と思しき円形の部分を有し、当該円錐状の中央部には、小さな円錐状の部分を有するとともに、当該円錐状の右部分には、レバー状の部分を有するものである。そして、本願の指定商品には、「業務用ビールディスペンサー,家庭用ビールディスペンサー,業務用飲料ディスペンサー,家庭用飲料ディスペンサー,業務用ビールサーバー及びその付属品,業務用飲料サーバー及びその付属品,家庭用ビールサーバー及びその付属品,家庭用飲料サーバー及びその付属品」が含まれており、それらの商品は、飲料を適量だけ取り出せる装置で、その機能としては、飲料を一定量抽出することにあり、その抽出部分のコック(注ぎ口)には、飲料を抽出する部分、抽出量をコントロールする部分から構成されている。そうとすれば、本願商標の形状は、上記記載の指定商品のコック(注ぎ口)の一形態、すなわち、本願の指定商品に含まれる商品の形状の一形態を表したものと容易に認識し得るものである。そうすると、本願商標をその指定商品中、上記記載の指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の形状であることを認識するにすぎないから、本願商標は、商品の形状を普通に用いられる方法で表示するものというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、令和5年2月27日付け審尋により、本願商標の立体的形状は、その指定商品及び指定役務との関係においては、別掲3に示すとおり、「飲料用サーバーコック」の形状を表したものと認められ、本願商標と基本的特徴を共通にする形状の「飲料用サーバーコック」が独立して取引され、又は、飲料用サーバーに実際に装着されて取引されている実情を示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の見解を示すとともに、請求人の主張及び提出された証拠からは、本願商標の使用状況などに関する事実を十分に把握することができないから、本願商標について需要者の認識の程度を推定することができず、本願商標が同条第2項の要件を具備するものとはいえない旨の見解を示し、相当の期間を指定して請求人に意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の意見
請求人は、上記4の審尋に対し、指定した期間を経過するも何ら意見を述べていない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなる立体商標であるところ、当該立体的形状は、その構成が別掲3に示す「飲料用サーバーコック」の形状と、胴体部を有するとともに、胴体部の背部にサーバー本体との結合部を、胴体下部に抽出口と考えられる突起状の部分を有し、胴体部上方向に開閉調節目的と考えられるレバー状の部分を有する、という基本的特徴を共通にすることから、「飲料用サーバーコック」の形状を表したものと認められる。
また、別掲3に示す事実及び原審における拒絶理由通知で示した事実のとおり、本願商標と基本的特徴を共通にする形状の「飲料用サーバーコック」が、独立して取引され、又は、飲料用サーバーに実際に装着されて取引されている実情がある。
そうすると、本願商標の立体的形状は、子細にみれば、通常の形状とは異なる特徴を有するとしても、その特徴は「飲料用サーバーコック」について機能に資することを目的として採用されたもの、又は、美観に資することを目的として採択されたものとみるのが妥当であり、その機能上又は美観上の理由による形状の選択と予測し得る範囲のものとみるのが相当である。
さらに、本願商標の指定商品及び指定役務中には、「業務用ビールサーバー及びその付属品,業務用飲料サーバー及びその付属品」「家庭用ビールサーバー及びその付属品,家庭用飲料サーバー及びその付属品」等、「飲料用サーバーコック」が付属品になり得る商品が含まれ、また、「業務用飲料冷却装置・家庭用飲料冷却装置・業務用ビールディスペンサー・家庭用ビールディスペンサー・業務用飲料ディスペンサー・家庭用飲料ディスペンサー・業務用ビールサーバー及びその付属品・業務用飲料サーバー及びその付属品の小売又は卸業の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家庭用ビールサーバー及びその付属品・家庭用飲料サーバー及びその付属品の小売又は卸業の業務において行われる顧客に対する便益の提供」、「業務用ビールディスペンサーの修理又は保守,家庭用ビールディスペンサーの修理又は保守,業務用飲料ディスペンサーの修理又は保守,家庭用飲料ディスペンサーの修理又は保守,業務用ビールサーバー及びその付属品の修理又は保守,家庭用ビールサーバー及びその付属品の修理又は保守,業務用飲料サーバー及びその付属品の修理又は保守,家庭用飲料サーバー及びその付属品の修理又は保守」等、「飲料用サーバーコック」が役務の提供の用に供する物ないし取扱商品になり得る役務が含まれている。
してみれば、本願商標は、本願指定商品及び指定役務との関係においては、商品の形状又は役務の提供の用に供する物の形状であることを認識するにすぎないものであり、商品の形状又は役務の提供の用に供する物の形状を普通に用いられる方法で表示するものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて
請求人は、本願商標は商標法第3条第2項の要件を具備するため、商標登録を受けることができるものである旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出しているところ、請求人の主張及び提出された証拠からは、1981年及び1983年に、請求人の旧社名とされる「日本特殊鋼機株式会社」が、酎ハイディスペンサーを販売していたことがうかがえる(甲1~甲3)。また、請求人は、アルコールディスペンサーを取り扱う業界において、2019年に、台数ベースで約31%、金額ベースで約38%のシェアを有していることがうかがえる(甲4)。
しかしながら、提出された証拠には、本願商標と同一の立体的形状を確認できるものは存在せず、その使用状況を具体的、客観的に把握することができない。
また、本願商標の立体的形状からなる商品の販売実績、宣伝実績等も明らかではない。
加えて、上記のとおり、請求人はアルコールディスペンサーで一定程度のシェアを有することがうかがえるが、本願商標は、飲料用サーバーコックの立体的形状とみるのが相当であるところ、請求人がアルコールディスペンサーを取り扱う分野で一定程度のシェアをもっているからといって、必ずしも、そのことが、本願商標の立体的形状が周知性を有しているとの証拠とはならない。
以上のことからすれば、請求人の主張及び提出された証拠からは、本願商標が、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識できるものと認めることはできないから、商標法第3条第2項の要件を具備するものということはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、かつ、同条第2項の要件を具備するものとは認められないから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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