商標拒絶査定不服審判
2022-005052
イリョーオンネツ
- 審判番号
- 2022-005052
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-126060
- 請求日
- 2022年04月05日
- 審決日
- 2023年05月23日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人三枝国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 山田 啓之
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T18 .13 -Z (W101121) / T18 .272-Z (W101121)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019-126060拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和元年9月26日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年9月25日付け :拒絶理由通知書
令和3年2月9日付け :意見書、手続補正書の提出
令和3年12月23日付け:拒絶査定
令和4年4月5日付け :審判請求書の提出
第2 本願商標
本願商標は、「医療温熱」の文字を標準文字で表してなり、第10類、第11類及び第21類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、登録出願されたものであり、指定商品については、上記第1の手続補正書の提出により、第10類「医療用指サック,おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,哺乳用具,魔法哺乳器,化学物質を充てんした患部用保温保冷具,化学物質を塗布したシート状の患部用保温保冷具,患部用保温具,患部用保温具を患部に固定するためのホルダー,避妊用具,業務用美容マッサージ器,医療用温熱パッド,化学物質を充てんした温熱治療具,医療用電熱式パッド,医療用機械器具,家庭用電気マッサージ器,医療用手袋,耳かき,電子レンジで加熱して使用する患部用保温具,電子レンジで加熱して使用する温熱治療具,医療用温熱療法用装置,家庭用温熱治療器,温熱治療用器具,医療用電熱式クッション」、第11類「電子レンジで加熱して使用する電気温熱器,電子レンジで加熱して使用するカイロ,電気式温熱パッド(医療用のものを除く。),使い捨てカイロ,あんか,懐炉,懐炉灰,湯たんぽ,ストーブ類(電気式のものを除く。),業務用暖冷房装置,家庭用電熱用品類,ガス湯沸かし器,家庭用加熱器(電気式のものを除く。),家庭用調理台,家庭用流し台,電熱式足部保温用マフ,電熱式クッション(医療用のものを除く。),電熱式ソックス,電熱式被服」及び第21類「電子レンジで加熱する化学物質を充填した保温具,化学物質を充てんした保温保冷具,保温袋,保温用容器又はなべ(電気式のものを除く。),化粧用具,台所用品(「ガス湯沸かし器・加熱器・調理台・流し台」を除く。),清掃用具及び洗濯用具」と補正されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「医療温熱」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「医療」の文字は、「治療」の意味を、「温熱」の文字は、「あたたかく感じる熱」の意味を有するものである。そうすると、本願商標は、その指定商品との関係において、「治療用の温熱効果を有する商品」程の意味合いを認識させる。よって、本願商標を、その指定商品中、上記意味合いに照応する商品、例えば、第10類の「医療用温熱パッド,化学物質を充てんした温熱治療具,電子レンジで加熱して使用する温熱治療具,医療用温熱療法用装置,家庭用温熱治療具,温熱治療用器具」などに使用するときは、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと認識するというべきである。また、本願商標を、上記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「医療温熱」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「医療」の文字は、「医術で病気をなおすこと。療治。治療。」の意味を有する極めて一般的な語であり(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)、当該文字が商品に用いられた場合には、通常、その商品が医療用のものであると容易に理解させるものである。
また、本願商標の構成中の「温熱」の文字は、「あたたかく感じる熱。あたたかさ。」の意味を有する語であって、「患部を温めることにより代謝を促進し、血流やリンパの流れをよくする物理療法の一種。」を意味する「温熱療法」の用例でなじみのある語であるから(前掲書)、当該文字が商品に用いられた場合には、通常、その商品が、(患部を)温めるものであると理解させるものである。
そうすると、「医療」及び「温熱」の両語を結合した「医療温熱」の語を、商品に用いた場合には、その語自体から、「医療用の(患部を)温める(商品)」といった意味合いを理解させるものというのが相当である。
そして、本願商標の指定商品中には、「医療用の(患部を)温める商品」に相当する商品が多数含まれているところ(例えば、第10類「化学物質を充てんした患部用保温保冷具,化学物質を塗布したシート状の患部用保温保冷具,患部用保温具,患部用保温具を患部に固定するためのホルダー,医療用温熱パッド,化学物質を充てんした温熱治療具,医療用電熱式パッド,医療用機械器具,電子レンジで加熱して使用する患部用保温具,電子レンジで加熱して使用する温熱治療具,医療用温熱療法用装置,家庭用温熱治療器,温熱治療用器具,医療用電熱式クッション」等)、本願商標をその指定商品中、上記のような商品に使用した場合、これに接する需要者は、本願商標が、その商品の品質を表示したものと認識するというのが相当である。
また、本願商標は、「医療温熱」の文字を標準文字で表してなることから、普通に用いられる方法で表示する標章であることは明らかである。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、本願商標は、これをその指定商品中、「医療用の(患部を)温める商品」に該当しない商品に使用した場合、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるというべきであるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
なお、本願商標が、「医療用の(患部を)温める商品」の意味合いを理解させるものであることは、本願の指定商品の分野において、医療用の患部を温める商品について「医療用温熱パック」、「医療用温熱ジェルシート」、「医療用温熱シップ」と称している別掲の事例からも確認できるものである。
2 請求人の主張について
請求人は、他の査定不服審判事件における商標の識別機能に関する判断を踏まえれば、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の構成態様と指定商品とに基づいて、個別具体的に検討・判断されるべきものであって、請求人主張に係る各事例が存在するからといって、本願商標が同号に該当することを否定することはできず、また、本願商標についての同号該当性の判断が、これらの各事例によって左右されるものでもない。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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