商標拒絶査定不服審判
2022-004936
ゼロ
- 審判番号
- 2022-004936
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-129919
- 請求日
- 2022年04月04日
- 審決日
- 2023年02月24日
- 公報発行日
- 2023年05月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】サラヤ株式会社
- 【請求人代理人】山田 卓二
- 【請求人代理人】田中 陽介
- 【請求人代理人】森脇 靖子
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .16 -Z (W29303233)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項第5号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-129919拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年10月20日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 8月16日付け:拒絶理由通知書
令和3年11月 2日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 1月 4日付け:拒絶査定
令和4年 4月 4日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなるものであり、第1類、第29類、第30類、第32類及び第33類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
本願の指定商品は、原審における上記1の手続補正書により、別掲2のとおり補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
(1)本願商標は、1桁の数字「0」に、それから生ずる音である「ゼロ」を併記した構成であり、極めて簡単なものといえ、また、本願の指定商品を取り扱う業界では、当該構成態様の表現が広く使用されている実情が見受けられるから、当該構成態様はありふれたものと認められる。
そうすると、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。
(2)本願商標と同様の態様の文字及び図形が、糖質やカロリー等を抑えた商品の特性や優位性を簡潔に表すものとして使用されている実情に鑑みれば、本願商標に接する需要者は、それが糖質やカロリー等が少ない商品であることを表示するためのものと認識するにとどまるというべきであって、自他商品識別標識として認識するとはいい難い。
また、出願人が、本願商標を付した商品を販売しており、当該商品において、一定程度の売上げや受賞歴等があるとしても、本願商標に接する需要者が、何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものに至ったとは認められない。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、糖質やカロリー等が少ない商品であることを認識するにすぎないから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、赤色を基調とし、若干図案化された「0」の数字とその数字内部に横書きされた「ゼロ」の文字とからなるものである。
そして、原審で提示した情報のほか、別掲3のインターネット情報が示すように、本願の指定商品を含む、飲食料品を取り扱う業界において、その商品がカロリーや糖質、脂肪分、コレステロールなどを含まない商品であることを強調するため、数字の「0」とその英語読みである片仮名の「ゼロ」又は英語表記である欧文字の「ZERO」の文字とを組み合わせた、若干図案化されてなる標章が広く使用されている実情が認められる。
そうすると、本願商標を、その指定商品に使用する場合、これに接する需要者は、それが上述のごとき宣伝広告用の表示であると認識するにすぎず、自他商品の識別標識としては認識しないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)本願商標の使用による自他商品の識別性について
請求人は、本願商標は指定商品の分野において既に広く用いられており、需要者及び取引者の間において請求人の商標であると認知され、自他商品識別力を十分に有している旨主張し、証拠方法として、原審において資料1ないし8(枝番号を含む。)を、当審において第2号証ないし第9号証(枝番号を含む。)を提出しているところ、上記証拠及び請求人の主張並びに職権による調査によれば、以下のとおりである。
ア 請求人は、本願商標を使用した天然甘味料「ラカントS」(以下「請求人商品」という。)を2011年(平成23年)3月から現在に至るまで継続的に販売していると主張する(請求人の主張、第2号証の1ないし3)。
イ 請求人商品を含む「ラカント」の文字を有する商標が使用された天然甘味料(以下「ラカントシリーズ商品」という。)の売上高、売上数量は、2020年(令和2年)11月1日から2021年(令和3年)10月31日まででは約11.6億円、889,000個であると主張する。
ウ ラカントシリーズ商品全46商品のうち13商品に本願商標が付されている(第4号証の2)。
エ 請求人商品は、ドラッグストアやECサイトで取り扱われているところ、2021年(令和3年)の「顆粒状の甘味料」に係るドラッグストア及びスーパーマーケットにおけるシェアは、それぞれ53.6%、72.8%であり、また、ECサイトの砂糖、甘味料分野における2021年(令和3年)又は2022年(令和4年)の特定日におけるランキングにおいてラカントシリーズ商品は上位を占めている。(第6号証の1ないし5)
オ 請求人商品が、2020年(令和2年)及び2021年(令和3年)に、オンライン情報サイト「DIAMOND Chain Store online」に掲載された記事において、イラスト・写真と共に掲載されている。(第7号証の1及び2)
カ 請求人は過去、パティシエの鎧塚俊彦氏と協力したキャンペーンなどを実施しており、また、請求人商品は、同氏のプロデュースする商品の原材料として使用されている。(第8号証の1ないし4)
キ 請求人商品は、「日経POSセレクション2021」の「ゴールド賞」及び「セレクション賞」や、「2014 U.S.A. Taste Championship」の金賞などを受賞している。(第9号証の1ないし3)
ク 請求人は、2017年(平成29年)10月11日から13日に開催された「第1回“日本の食品”輸出EXPO」にブース出展し、請求人商品について紹介した。(第9号証の5)
ケ 上記アないしクの認定事実によれば、請求人は、請求人商品を含むラカントシリーズ商品を10年以上の期間に渡って製造、販売しており、その売上高、売上数量などからすれば、甘味料の分野において広く知られていることがうかがえる。また、請求人商品に限ってみても、一定程度知られていることがうかがえる。
しかしながら、本願商標が使用された請求人商品が一定程度知られているとしても、提出された証拠において示されている商品の画像によれば、本願商標のほかに、文字だけをみても「ラカントS」や「SARAYA」といった、自他商品の識別標識として十分に機能する標章が併せて使用されており、本願商標が独立して出所表示として認識されるとはいい難いものである。
また、同画像によれば、本願商標の近傍には必ず「カロリー」の文字や「カロリーゼロ、糖類ゼロ」といった文字が表されていることからすると、本願商標が、独立して出所表示として需要者に認識されるような態様で使用されているというよりは、別掲3のインターネット情報が示す商品事例と同様に、その商品がカロリーや糖類を含まない商品であることを強調するための表示として使用されているというのが相当である。
加えて、提出された証拠は、いずれも本願商標が「天然甘味料」に使用されているものであるところ、本願の指定商品中にはそのほかの商品が多数含まれているものである。
そうすると、本願商標が、その指定商品との関係において、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているとは認められない。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、他人の使用例は、「ゼロカロリー」「糖質ゼロ」「プリン体ゼロ」等の商品の品質などを表す記述的な文字が近傍している点において、本願商標の態様とは外観において明らかに相違していることに加え、本願商標は「ゼロ」の文字を有するとしてもゼロの対象物は明らかにされておらず、暗示もされていないことから、需要者などが糖質やカロリー等が少ない商品であることを直ちに認識することはなく、漠然とした意味合いに留まると評価されるべき旨主張する。
しかしながら、本願商標において、「ゼロカロリー」「糖質ゼロ」「プリン体ゼロ」等の商品の品質などを表す記述的な文字が表されていないとしても、本願の指定商品を含む、飲食料品を取り扱う業界において、その商品がカロリーや糖質、脂肪分、コレステロールなどを含まない商品であることを強調するため、数字の「0」とその片仮名又は欧文字表現である「ゼロ」「ZERO」の文字とを組み合わせた、若干図案化されてなる標章が広く使用されている実情が認められることは、上記(1)のとおりであって、本願商標もそのような表示と同様の構成態様であることからすれば、これに接する需要者は、それが上述のごとき宣伝広告用の表示であると認識するにすぎず、自他商品の識別標識としては認識しないものというのが相当である。
イ 請求人は、本願商標は、特徴的な文字、楕円形図形から構成されている旨主張する。
しかしながら、本願商標は、上記(1)の事情を踏まえれば、格別特徴的な構成態様であるとはいえず、これに接する需要者において、「0」の数字とその読みを片仮名で表した「ゼロ」の文字とを組み合わせてなるものであるという以上の、格別の印象を与えるものとはいえない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、原審の拒絶査定における上記3(1)の理由について判断するまでもなく、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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