商標拒絶査定不服審判
2022-004858
スッ
- 審判番号
- 2022-004858
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-059076
- 請求日
- 2022年04月01日
- 審決日
- 2023年07月04日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】杉村 憲司
- 【請求人代理人】杉村 光嗣
- 【請求人代理人】藤本 一
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 分類
- T18 .16 -Z (W010305)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020- 59076拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「スッ」の文字を標準文字で表してなり、別掲1のとおりの商品を指定商品として、令和2年5月12日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年4月28日付けで拒絶理由の通知がされ、同年6月21日に意見書が提出されたが、同年12月23日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同4年4月1日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、本願商標は「スッ」の文字を標準文字で表してなるところ、「スッ」の文字は、「すばやく、とどこおらずに動作をするさま。または、変化が起こるさま。」ほどの意味を有する語であり、本願の指定商品を取り扱う業界においては、「スッ」の文字が、上記意味合いで「化粧品」に使用され販売、取引が行われている実情があるため、本願商標をその指定商品中「化粧品」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「すばやく、変化が起こる」ほどの意味合いを認識するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における審尋
当審において、令和5年4月24日付け審尋(以下「審尋」という。)により、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、別掲2及び別掲3のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
第4 審尋に対する請求人の回答(要旨)
請求人は、上記第3の審尋に対し、令和5年5月31日付け回答書(以下「回答書」という。)を提出し、回答書において、要旨、以下、1及び2のとおりの意見を述べた。
1 審尋で摘示されたすべての事実は、「スッ」の語が文章中で使用されているものにすぎず、当該語がそれ単独で使用されているものとはいえないことから、当該語が当該商品の品質や特徴等を端的に、かつ、簡潔に表した宣伝広告や商品紹介の一類型であると認識するとはいえない。
2 審判請求書で提示した先例のほかにも、登録例が存在する。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「スッ」の文字を標準文字で表してなるところ、この「スッ」の文字は、「すばやく、とどこおらずに動作をするさま。または、変化が起こるさま。」を意味する語(デジタル大辞泉:別掲2)である「すっと」の「すっ」を片仮名で表示したものと容易に認識できるものである。
そして、別掲3のとおり、請求人以外の者が取り扱う「せっけん」等の衛生に関する商品や「化粧品」及び「薬剤」の特徴(特長)を紹介する際に、「すばやく、とどこおらずに動作をするさま。または、変化が起こるさま。」を表現する語として、「スッ」の文字が、実際に使用されていることが確認できる。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品中の「せっけん」等の衛生に関する商品や「化粧品」及び「薬剤」について使用したときは、本願商標に接する取引者、需要者に「動作がすばやく行われるさま。」あるいは「物事が急に変化するさま。」という当該商品の品質、特徴(特長)等を端的に、かつ、簡潔に表した宣伝広告や商品紹介に用いられる語の一類型にすぎないものと認識させるにすぎないものですから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、回答書において、審尋で摘示されたすべての事実は、「スッ」の語が文章中で使用されているものにすぎず、当該語がそれ単独で使用されているものとはいえないことから、当該語が当該商品の品質や特徴等を端的に、かつ、簡潔に表した宣伝広告や商品紹介の一類型であると認識するとはいえない旨主張する。
しかしながら、「スッ」の文字は、「すばやく、とどこおらずに動作をするさま。または、変化が起こるさま。」を意味する語である「すっと」の「すっ」を片仮名で表示したものと容易に認識できるものであって、例えば、商品「化粧品」に「肌にスッと浸透」や「スッと肌になじんでくれる」のように使用されることにより、かかる化粧品が「肌にすばやく馴染むさま」を表現するものと理解するものであり、また、例えば、商品「薬剤」に「水なしでスッと溶ける」のように使用されることにより「短時間で固形の薬剤が飲みやすく溶けるさま」を表現するものである。
そうすると、「スッ」の文字が単独で使用されていないことをもって、「スッ」の文字よりなる本願商標が自他商品の識別標識としての機能を有すると判断しなければならない特段の事情はない。
(2)請求人は、審判請求書において、請求人が先例の存在を指摘しているのは、これらの先例と本願には、前提となる事実の性質に相当程度の共通性が見られ、また適用された判断基準にも相当程度の共通性が見られるのであるから、平等原則及び信義則の観点からは、同様の判断基準が本件についても適用されるべきである旨主張する。
また、回答書において、審判請求書で提示した先例のほかにも、登録例が存在する旨主張する。
しかしながら、登録出願された商標が自他商品の識別機能を有するか否かは、当該登録出願の査定時又は審決時において、これに接する取引者、需要者の認識を基準として判断されるべきであり、当該商標の構成態様と指定商品との関係や商品の取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるものであって、請求人が提示した先例の存在によって、本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性の判断が左右されるものではなく、平等原則及び信義則の観点にもとるものではない。
(3)請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、また、その他の請求人の主張も、採用するべき事情はない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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