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特許拒絶査定不服審判

2022-004830

立面図作成方法

審判番号
2022-004830
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-001328
請求日
2022年04月01日
審決日
2022年11月07日
公報発行日
2022年12月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】朝日航洋株式会社
  • 【請求人代理人】長谷川 芳樹
  • 【請求人代理人】黒木 義樹
  • 【請求人代理人】和田 雄二
  • 【請求人代理人】小曳 満昭
審判長/審判官
  • 審判長 畑中 高行
  • 審判官 千葉 輝久
  • 審判官 樫本 剛
分類
P18 .121-WY (G06T)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2019- 1328「立面図作成方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 7月27日出願公開、特開2020-112876、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成31年1月8日の出願であって、令和3年10月12日付けで拒絶の理由が通知され、令和3年12月16日に手続補正がされ、令和3年12月22日付けで拒絶査定がされたものである。これに対し、令和4年4月1日に本件拒絶査定不服審判の請求がされ、同時に手続補正がされた。 第2 拒絶査定の概要 この出願の請求項1-7に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1 特開2017-010082号公報 引用文献2 特開2011-258183号公報 引用文献3 国際公開2010/024212号 引用文献4 特開2013-093008号公報 第3 本願発明 本願の請求項1-7に係る発明(以下、それぞれ、「本願発明1」-「本願発明7」という。)は、令和4年4月1日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1-7に記載された事項により特定される次のとおりの発明である。 【請求項1】 レーザ計測装置が設けられた移動体を道路に沿って移動させながら、前記レーザ計測装置が、前記道路及び前記道路に沿って設けられた構造物を含むエリアに対するレーザ光の走査を行うことにより、前記レーザ光の反射点群を示す3次元座標が設定された点群データを取得する第1工程と、 前記点群データから、前記道路及び前記構造物に対応する前記反射点群である対象点群を得る第2工程と、 前記道路の道路縁に対応する直線を前記対象点群に対して設定する第3工程と、 コンピュータが、前記対象点群のうち前記構造物に対応する点群である構造物点群を、前記直線を回転軸として回転させると共に、前記対象点群のうちの前記道路に対応する点群である道路点群と回転後の前記構造物点群とによって立面図を作成する第4工程と、 を備える、 立面図作成方法。 【請求項2】 前記第4工程においては、前記道路の路面に沿うように前記構造物点群を回転させる、 請求項1に記載の立面図作成方法。 【請求項3】 前記第4工程においては、前記路面に沿うように、前記構造物のうち、前記移動体の進行方向に対して右側に位置する前記構造物に対応する前記構造物点群を90°回転させると共に、前記移動体の進行方向に対して左側に位置する前記構造物に対応する前記構造物点群を270°回転させる、 請求項2に記載の立面図作成方法。 【請求項4】 前記第3工程においては、回転後の前記構造物点群を、回転前の前記直線の座標に整合するように移動させる、 請求項1~3のいずれか一項に記載の立面図作成方法。 【請求項5】 前記道路及び前記構造物を含む前記エリアを撮影することにより得られた第1画像に基づいて、前記対象点群の各点に対して色情報を付加する第5工程をさらに備える、 請求項1~4のいずれか一項に記載の立面図作成方法。 【請求項6】 前記道路を撮影することにより得られた第2画像に基づいて、前記道路の路面を示すオルソ画像を作成する第6工程と、 前記オルソ画像に基づいて、前記対象点群のうちの前記道路の路面に対応する点群の色情報を補正する第7工程と、 を備える、 請求項5に記載の立面図作成方法。 【請求項7】 前記第6工程においては、前記対象点群に対して、路面以外の点群であって、前記道路上の他車両、歩道上の歩行者、電線、電柱、及び、街路樹に対応する点群をノイズデータとしてレイヤー区分すると共に、前記ノイズデータを除去する、 請求項6に記載の立面図作成方法。 第4 引用文献、引用発明 1.引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、下線は当審により付したものである。 「【0001】 本発明は地図作成装置、地図作成方法、およびモービルマッピング用計測装置に関するものである。」 「【発明を実施するための形態】 【0023】 図1ないし図10に本発明の実施の形態を示す。図2(a)は地図作成対象の道路での計測作業の概要を示すもので、計測作業は、路面1上で計測車両20を走行させて、すなわちモービルマッピングによりなされる。上記計測車両20には、モービルマッピング用計測装置Aが搭載される。 【0024】 このモービルマッピング用計測装置Aは、図2(a)および(b)に示すように、GNSS受信機21と、IMU22と、レーザ測距装置23と、カメラ11と、これらが取り付けられる架台24とを有するとともに、オドメータ25を有する。図2(b)に示すように、上記架台24は計測車両20のルーフ上に設置され、上記オドメータ25は、車輪20aの回転角等を計測可能に計測車両20内に搭載される。また架台24上には、上述のGNSS受信機21の3台のアンテナ21aが離隔配置されるとともに、IMU22やカメラ11が平面視中央部分に配置され、さらに、レーザ測距装置23が車両前方および後方寄りに合計2台配置される。これによりレーザ測距装置23は、計測車両20周りのほぼ全周囲に渡って、路面1から適宜の地上高に至るまでの高さ範囲で測距可能にされる。なお、レーザ測距装置23として上記のものに代えて単体で全周囲を計測可能なものを使用することも可能である。 【0025】 また、上記カメラ11は、図2(a)、図3(a)および(b)に示すように、全天頂方向、すなわち全周囲に加えて天頂方向をも撮影可能な全方位カメラ11(低高度域撮影カメラ11Aと高高度域撮影カメラ11Bの一体型)であり、スタンド24aにより計測車両20上方の見通しのよい位置に支持される。この全方位カメラ11は、周囲方向(低高度域)を5分割に分割撮影するとともに、さらに天頂方向(高高度域)への撮影を加えた合計6分割により全天頂方向を同時に分割撮影する。周囲方向の隣接する分割撮影範囲同士や、これら周囲方向の各撮影範囲と天頂方向の撮影範囲とは、境界部分において適宜のオーバーラップ率で重合する。以上のカメラ11は、魚眼レンズ14を用いることにより画角を非常に広くされ、これにより上述した天頂から路面1に至るまでの高さ範囲を撮影可能にされる。なお、図3において二点鎖線は分割撮影される個々の撮影範囲を示す線、36Aは魚眼レンズ12の主点である。 【0026】 以上の計測車両20による道路周りの計測作業は、計測車両20の路面1上での走行に伴って所定距離間隔等で繰り返しカメラ11等の各種計測装置を駆動させ、得られた撮影画像3等を計測車両20に搭載した図外の記憶装置に記録してなされる。これにより、道路長に沿って天頂方向を含む全方位が道路側から連続撮影されるとともに、同様にほぼ全周囲が連続してレーザ測距され、さらに、撮影・レーザ測距時の各々における計測車両20の位置・姿勢情報が記録される。なお、地図の精度を高めるために、計測前に地上基準点を道路脇に適宜設定するなどし、これを路面1等とともに撮影、レーザ測距しておくのが望ましい。 【0027】 以上の計測作業により得られた計測結果を使用してなされる地図作成処理を以下に説明する。理解を容易にするために、以下においては加工処理途上の画像等を順次図示しながら説明を進めるが、実際にはこのような画像が都度生成されることなく、計測結果に対する演算のみで処理が行われる。また、以下の地図作成処理は、以下に示す手順が記述されたプログラムが動作するコンピュータによって自動処理が可能であり、このような地図作成装置Bとして構成されたコンピュータのブロック図を図1に示す。 【0028】 地図作成装置Bは、上述の計測結果が入力される入力部26と、入力された計測結果に対する演算により地図を生成する演算部27と、生成された地図を図外のディスプレイ等に出力する出力部28とを有する。上記入力部26は、上述したカメラ11の分割撮影画像(原画像12)が入力される撮影画像入力部29と、GNSS受信機21、IMU22、およびオドメータ25に基づく位置・方位情報が入力される撮影位置・方位情報入力部30と、レーザ測距データ、すなわち計測対象の3次元位置・形状を特定可能なデータが入力されるレーザデータ入力部31とを有する。なお、上記撮影位置・方位情報入力部30には、計測車両20におけるカメラ11やレーザ測距装置23の取付位置、取付姿勢も入力され、これにより上述した計測車両20の位置・姿勢と合わせてカメラ11やレーザ測距装置23による撮影位置・方位が詳細に特定可能にされる。 【0029】 以上のようにして入力部26へのデータ入力が完了すると、次に、入力されたデータに基づき、上述した演算部27による地図データ生成処理が開始される。演算部27は、上述のように全方位を6分割に分割撮影した分割撮影画像12から全方位撮影画像(撮影画像3)を生成する広画角画像生成部13と、全方位撮影画像3から地図の構成パーツとなる個別のモザイク画像を生成する個別画像生成部8と、個別のモザイク画像同士をつなぎ合わせる展開画像生成部10と、この展開画像生成部10により得られた画像における交差点15に相当する箇所に調整処理を加える交差点調整部17とを有する。 【0030】 上記広画角画像生成部13は、同時撮影された分割撮影画像12、12、・・同士を合成して単一の全方位撮影画像3を生成するもので、撮影位置・方位情報に基づき各分割撮影画像12をブロック調整して接合する。より具体的には、補正部32により各分割撮影画像12に幾何補正やレンズ歪みの補正が加えられ、また、タイポイント抽出部33により例えばエピポーラ線を用いるなどして分割撮影画像12、12同士の対応画素が検出され、さらに、車両位置姿勢解析部34により各分割撮影画像12の撮影位置、方位情報が求められた上、広角結合部35により空中三角測量や前方交会法を利用して分割撮影画像12、12、・・の相互標定、絶対標定、およびモザイク処理がなされる。 【0031】 図4(a)および(b)は、周囲方向の分割撮影画像12への幾何補正による厳密処理を説明するもので、分割撮影画像12のレンズの主点36Aと、全方位画像における仮想レンズの主点36Bとのずれαにより生じる誤差も幾何補正される。同図において37は分割撮影画像12の画像面を仮想的に表現した線、38はその投影面を仮想的に表現した線である。なお、レンズ主点の変更に伴う画像処理は、後述する個別画像生成部8におけるように3次元モデル5を利用してすることも可能である。 【0032】 また、図3(c)は幾何補正後の各分割撮影画像12をブロック調整した状態、言い換えれば、全方位撮影画像3における各分割撮影画像12の組み合わせ配置を示すもので、この全方位撮影画像3は、計測車両20の周囲方向に相当する紙面横方向が長尺になっている。同図において38Aは、天頂方向の分割撮影画像12が占める領域を、38Bは周囲方向の各々の分割撮影画像12が占める領域を示す。以上の広画角画像生成部13により得られた全方位撮影画像3を図5(a)に例示する。同図において、39は白線、40は建物、41は建物であり、画像右側寄りの奥に延びる路面1が計測車両20の前方を、画像中央部分が計測車両20の左側を、画像左側寄りの奥に延びる路面1が計測車両20の後方を表している。 【0033】 以上のように全方位撮影画像3が完成したら、個別画像生成部8による個別のモザイク画像の生成が開始される。後述するように展開図近似の地図を生成するために、個別モザイク画像は、道路の垂直撮影方向のモザイク画像(垂直撮影方向のモザイク画像6)と、道路両脇の景色2、2についての一組の水平撮影方向のモザイク画像(水平撮影方向のモザイク画像7)からなり、個別画像生成部8は、計測車両20の走行方向に連続して得られた上述の全方位撮影画像3の複数を合成し、平行投影変換処理により撮影方向を仮想的に変更してこれらの画像を生成する。 【0034】 全方位撮影画像3同士の接合は、図5(b)に示すように、撮影位置・方位情報に基づき、空中三角測量により各全方位撮影画像3をブロック調整して接合する。ブロック調整には具体的にはバンドル法が利用され、これに先立って各全方位撮影画像3にパスポイント4が設定される。図6(a)はパスポイント抽出部42によるパスポイント4の設定状態を示すものであり、この実施の形態においては、画像のスケール変化や回転に強いHarris法によりパスポイント4が抽出される。なお、パスポイント4の抽出は、例えばshift法などの他の手法によることも可能である。また、上述した広画角画像生成部13と同様に、補正部43により幾何補正等の補正処理がなされる。 【0035】 図6(b)はブロック調整過程の一例を示すもので、全方位撮影画像3から計測車両20の側方、すなわち道路脇の景色2を捉えた画像を抽出したものであり、同種の画像同士を接合することにより道路長に沿って長尺のモザイク画像を生成することができる。同図に示す二点鎖線は、天頂方向の分割撮影画像領域38A(高高度域撮影カメラ11Bの撮影範囲)と周囲方向の分割撮影画像領域38B(低高度域撮影カメラ11Aの撮影範囲)との境界を示すイメージであり、上述のように天頂領域を撮影することにより、道路脇の高層ビル18の比較的高高度域をモザイク画像に反映させることが可能になる。 【0036】 全方位撮影画像3のブロック調整は、上述した広画角画像生成部13の車両位置姿勢解析部34により得られた撮影位置、方位情報を利用してなされ、パノラマ結合部44により撮影位置、方位情報と撮影画像3のパスポイント4、さらには、上述した地上基準点を必要に応じて利用してバンドル法の同時調整によるブロック調整がなされ、接合、モザイク処理がなされる。 【0037】 また、個別画像生成部8による平行投影変換処理は、3次元モデル5であるDSM(数値表層モデル)を利用してなされる。このため平行投影変換処理に先立ち、個別画像生成部8の数値表層モデル生成部45では、レーザ測距データと撮影位置・方位情報を利用してTIN(不整三角網モデル)等からなるDSM5が生成される。平行投影変換処理を行う平行投影変換部46は、このDSM5に上述したモザイク画像を投影し、上述のように、撮影方向を垂直・水平方向に仮想的に変更する、すなわち投影画像の画素を撮影方向の変更に応じた位置に移動させることにより、垂直・水平撮影方向のモザイク画像6、7のそれぞれを生成する。図7(a)は水平撮影方向のモザイク画像7のイメージを、図7(b)は垂直撮影方向のモザイク画像6、すなわちオルソ画像のイメージを示す。なお、上記数値表層モデル生成部45は、レーザ測距装置23による測距範囲外である天頂方向周辺に関しては、全方位撮影画像3、3同士のステレオマッチングにより3次元位置・形状を特定し、これをDSM5の生成に利用する。 【0038】 このようにして垂直・水平撮影方向のモザイク画像6、7が完成したら、次に、展開画像生成部10によるモザイク画像6、7同士のつなぎ合わせ処理が開始される。展開画像生成部10は、垂直方向のモザイク画像6における道路領域の両側方に、道路両脇の水平方向のモザイク画像7、7を同一平面上につなぎ合わせるようにして貼り付ける。すなわち、現実においては垂直方向のモザイク画像6における路面1領域の側縁から立ち上がるような立体的位置関係にある水平方向のモザイク画像7について、仮想的に道路外側に倒し込むようにして展開図近似の写真地図9を生成する。つなぎ合わせに際しては、各モザイク画像6、7が備える位置座標を利用することにより、道路長方向にモザイク画像6、7同士が精密に位置合わせされ、また、道路左右両脇の景色2、2を示すモザイク画像7、7と道路領域のモザイク画像6とがそれぞれの左右方向の位置関係を合わせられる。 【0039】 図8は以上のようにして得られた展開図近似の写真画像9を示す。この図に示すように、この写真画像9においては、正射投影の路面1の両側方に、水平方向に投影した道路脇の景色2、2が平面方向の位置関係を残しつつ並ぶことから、地理を感覚的に把握しやすく、また、全体がコンパクトにまとまっているために一覧性にも優れる。しかしながら、交差点15に関しては、支線47が上り坂でないと水平方向のモザイク画像7においてはほぼ線として表れるに過ぎないことから、見分けがしにくいものにもなる。」 以上の記載事項(特に、下線部)によれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 [引用発明] 地図作成方法であって、 地図作成対象の道路での計測作業は、路面1上で計測車両20を走行させてなされ、 計測車両20には、モービルマッピング用計測装置Aが搭載され、モービルマッピング用計測装置Aは、GNSS受信機21と、IMU22と、レーザ測距装置23と、カメラ11と、架台24と、オドメータ25を有し、 レーザ測距装置23は、計測車両20周りのほぼ全周囲に渡って、路面1から適宜の地上高に至るまでの高さ範囲で測距可能であり、 カメラ11は、全天頂方向、すなわち全周囲に加えて天頂方向をも撮影可能な全方位カメラ11であり、周囲方向(低高度域)を5分割に分割撮影するとともに、さらに天頂方向(高高度域)への撮影を加えた合計6分割により全天頂方向を同時に分割撮影し、 計測車両20の路面1上での走行に伴って所定距離間隔等で繰り返しカメラ11等の各種計測装置を駆動させ、得られた撮影画像3等を計測車両20に搭載した記憶装置に記録し、これにより、道路長に沿って天頂方向を含む全方位が道路側から連続撮影されるとともに、同様にほぼ全周囲が連続してレーザ測距され、さらに、撮影・レーザ測距時の各々における計測車両20の位置・姿勢情報が記録され、 カメラ11の分割撮影画像と、GNSS受信機21、IMU22、およびオドメータ25に基づく位置・方位情報と、レーザ測距データ、すなわち計測対象の3次元位置・形状を特定可能なデータが入力され、 全方位を6分割に分割撮影した分割撮影画像12から全方位撮影画像を生成し、 全方位撮影画像3から道路長に沿って長尺のモザイク画像を生成し、 レーザ測距データと撮影位置・方位情報を利用してTIN(不整三角網モデル)等からなるDSM5(数値表層モデル)が生成され、このDSM5に上述したモザイク画像を投影し、撮影方向を垂直・水平方向に仮想的に変更、すなわち投影画像の画素を撮影方向の変更に応じた位置に移動させることにより、垂直・水平撮影方向のモザイク画像6、7のそれぞれを生成し、 垂直方向のモザイク画像6における道路領域の両側方に、道路両脇の水平方向のモザイク画像7、7を同一平面上につなぎ合わせるようにして貼り付け、すなわち、現実においては垂直方向のモザイク画像6における路面1領域の側縁から立ち上がるような立体的位置関係にある水平方向のモザイク画像7について、仮想的に道路外側に倒し込むようにして展開図近似の写真地図9を生成する、 地図作成方法。 2.引用文献2について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、次の技術事項が記載されている。 「【0049】 図4は第2立体地図表示状態の一例を示す図である。この図4に示すように、第2立体地図表示状態では、建物正面視画像G1~G6など、動作範囲に属する建物正面視画像Gが、図2に示す第1立体地図表示状態よりも視線に対して正対する側に回転した状態となっている。ここで、動作範囲は、運転者が地図上の建物と実際に見える建物や記憶の中の建物とを照らし合わせる通常の範囲と考えられる範囲に設定される。たとえば、動作範囲は、自車両から、自車両の進行方向前方に所定距離までの範囲に設定される。また、距離で設定するのではなく、自車位置から次の交差点までなど、道路上の基点までを動作範囲としてもよいし、また、建物正面視画像Gの数が所定数となる範囲を動作範囲としてもよい。」 「【0061】 図4には、上記第1、第2回転移動処理による建物正面視画像Gの最終位置は示されていないが、最終的には、建物正面視画像Gは、道路面と平行となり、かつ、下辺の全部が道路画像Dと接触する。この最終位置になるまで各建物正面視画像Gに対して第1、第2回転移動処理を継続する。」 「 [図:0001391889000001.jpg] 」 3.引用文献3について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、次の技術事項が記載されている。 「[0087] 実施の形態3では、以下のような点群オルソ画像生成装置100について説明した。 点群オルソ画像191は真上から見た画像を示す。そのため、電柱のように地面と同系色の立体物(立設物)は消失する。また、電柱などの立体物は道路図において重要なターゲットである。 そこで、点群オルソ画像生成装置100は、点群オルソ画像191の微小区域毎に点密度を算出し、点密度毎に輝度、色、形状などを分けて表示する。 電柱や壁面は基本的に垂直に建設される。したがって、垂直方向にポイントクラウド491が投影された点群オルソ画像191の点密度は電柱や壁面部分で上がる。一方、地面などは、垂直方向には一点しかないため、点密度が低くなる。 このことより、点密度毎に輝度、色、形状などを分けて表す点群オルソ画像191から、電柱などの立体物がどこにあるかを容易に判別・検出することができる。 さらに、所定の高さ以上のポイントクラウド生成装置記憶部490だけを使用して点群オルソ画像191を生成するという制限をつけることにより、立体物をより容易に判別・検出することができる。」 4.引用文献4について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4には、次の技術事項が記載されている。 「【0030】 (本実施の形態の概要) 本実施形態は、表示用の画像メモリにおけるメッシュ(ピクセルともいう)を、レーザ計測車両、航空機等で取得された高密度(間隔5cm以下程度)に取得されたレーザ点群(高密度のレーザデータ群)の解像度に対応するサイズでそのピクセル(メッシュ)に定義する。 【0031】 そして、この高密度のレーザデータ(以下単にレーザデータLiという)の反射鏡度(又は反射率)に基づく色(グレースケール等;所定の色値でもかまわない)をピクセルに付与して道路面を鉛直からみたように正射投影したような画像(以下レーザオルソ画像という)を作成する。 つまり、撮影時の天候や照明条件に左右されない道路面の画像地図を作製する。但し、航空機で用いるレーザの解像度は25cm程度が好ましい。 【0032】 (1)上記道路面のレーザオルソ画像においては、道路面以外の点を除去することにより、道路上の構造物(電柱・植栽・電線・トンネル等)が上に覆いかぶさらない路面のみを画像化する。 【0033】 (2)上記の(1)を高速に実現するために、レーザ計測移動体(車両)の撮影時の軌跡(移動軌跡:GPS、慣性航法装置)を利用して路面の点群をあらかじめクラス分けし、その点を利用して道路面のレーザオルソ画像を作製する。」 第5 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 ア 「立面図作成方法」について 引用発明は、「全方位を6分割に分割撮影した分割撮影画像12から全方位撮影画像を生成し、 全方位撮影画像3から道路長に沿って長尺のモザイク画像を生成し、 レーザ測距データと撮影位置・方位情報を利用してTIN(不整三角網モデル)等からなるDSM5(数値表層モデル)が生成され、このDSM5に上述したモザイク画像を投影し、撮影方向を垂直・水平方向に仮想的に変更、すなわち投影画像の画素を撮影方向の変更に応じた位置に移動させることにより、垂直・水平撮影方向のモザイク画像6、7のそれぞれを生成し、 垂直方向のモザイク画像6における道路領域の両側方に、道路両脇の水平方向のモザイク画像7、7を同一平面上につなぎ合わせるようにして貼り付け、すなわち、現実においては垂直方向のモザイク画像6における路面1領域の側縁から立ち上がるような立体的位置関係にある水平方向のモザイク画像7について、仮想的に道路外側に倒し込むようにして展開図近似の写真地図9を生成する、地図作成方法」であり、この方法により生成される写真地図9は、本願発明1の「立面図」に相当する。 よって、本願発明1と引用発明は、「立面図作成方法」である点で一致する。 イ 本願発明1の第1工程について 引用発明における「レーザ測距」に関する部分を抽出すると、引用発明は、「地図作成対象の道路での計測作業は、路面1上で計測車両20を走行させてなされ、 計測車両20には、モービルマッピング用計測装置Aが搭載され、モービルマッピング用計測装置Aは、・・・レーザ測距装置23・・・を有し、 レーザ測距装置23は、計測車両20周りのほぼ全周囲に渡って、路面1から適宜の地上高に至るまでの高さ範囲で測距可能であり、 ・・・ 計測車両20の路面1上での走行に伴って所定距離間隔等で繰り返し・・・各種計測装置を駆動させ、・・・ほぼ全周囲が連続してレーザ測距され、・・・ ・・・レーザ測距データ、すなわち計測対象の3次元位置・形状を特定可能なデータが入力され」(「・・・」は記載の省略を表す。下線は当審により付した。)るものである。 引用発明の「計測車両20」、「走行」、「レーザ測距装置23」は、それぞれ、本願発明1の「移動体」、「移動」、「レーザ計測装置」に相当する。 また、上記下線部によれば、引用発明は、「道路及び前記道路に沿って設けられた構造物を含むエリアに対するレーザ光の走査を行う」ものといえる。 さらに、レーザの測距とは、レーザ光を対象とする点に照射して反射光を測定するというように点ごとに行われるものであり、それにより取得される引用発明の「レーザの測距データ」は、「計測対象の3次元位置・形状を特定可能なデータ」であるから、「レーザ光の走査を行うことにより、前記レーザ光の反射点群を示す3次元座標が設定された点群データ」といえる。 したがって、引用発明の上記のようなレーザ測距は、本願発明1の「レーザ計測装置が設けられた移動体を道路に沿って移動させながら、前記レーザ計測装置が、前記道路及び前記道路に沿って設けられた構造物を含むエリアに対するレーザ光の走査を行うことにより、前記レーザ光の反射点群を示す3次元座標が設定された点群データを取得する」ことに相当する。 よって、本願発明1と引用発明は、「レーザ計測装置が設けられた移動体を道路に沿って移動させながら、前記レーザ計測装置が、前記道路及び前記道路に沿って設けられた構造物を含むエリアに対するレーザ光の走査を行うことにより、前記レーザ光の反射点群を示す3次元座標が設定された点群データを取得する第1工程と、を備える」点で一致する。 ウ 本願発明1の第2~第4工程について 引用発明は上記アで述べたように、立面図作成方法といえるものであるから、立面図を作成する工程を備えている。 したがって、本願発明1と引用発明は、「立面図を作成する工程を備える」点では共通する。 しかしながら、立面図の作成について、本願発明1は、 「前記点群データから、前記道路及び前記構造物に対応する前記反射点群である対象点群を得る第2工程と、 前記道路の道路縁に対応する直線を前記対象点群に対して設定する第3工程と、 コンピュータが、前記対象点群のうち前記構造物に対応する点群である構造物点群を、前記直線を回転軸として回転させると共に、前記対象点群のうちの前記道路に対応する点群である道路点群と回転後の前記構造物点群とによって立面図を作成する第4工程と、 を備える」 のに対し、 引用発明は、「立面図を作成する工程を備える」とはいえるものの、本願発明1のような第2~第4工程を備えるものではない点で両者は相違する。 エ 以上によれば、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 [一致点] レーザ計測装置が設けられた移動体を道路に沿って移動させながら、前記レーザ計測装置が、前記道路及び前記道路に沿って設けられた構造物を含むエリアに対するレーザ光の走査を行うことにより、前記レーザ光の反射点群を示す3次元座標が設定された点群データを取得する第1工程と、 立面図を作成する工程と、 を備える、 立面図作成方法。 [相違点] 立面図の作成について、本願発明1は、 「前記点群データから、前記道路及び前記構造物に対応する前記反射点群である対象点群を得る第2工程と、 前記道路の道路縁に対応する直線を前記対象点群に対して設定する第3工程と、 コンピュータが、前記対象点群のうち前記構造物に対応する点群である構造物点群を、前記直線を回転軸として回転させると共に、前記対象点群のうちの前記道路に対応する点群である道路点群と回転後の前記構造物点群とによって立面図を作成する第4工程と、 を備える」 のに対し、 引用発明は、「立面図を作成する工程を備える」とはいえるものの、本願発明1のような第2~第4工程を備えるものではない点。 (2)判断 上記相違点について検討する。 上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項について、特に、「コンピュータが、前記対象点群のうち前記構造物に対応する点群である構造物点群を、前記直線を回転軸として回転させる」ことについては、以下に述べるように、引用文献1ないし引用文献4の何れにも記載も示唆もされていないし、立面図の作成の技術分野における周知技術でもない。 引用発明は、上記(1)アで述べたように、全方位を6分割に分割撮影した分割撮影画像12から全方位撮影画像を生成し、全方位撮影画像3から道路長に沿って長尺のモザイク画像を生成し、レーザ測距データと撮影位置・方位情報を利用してTIN(不整三角網モデル)等からなるDSM5(数値表層モデル)が生成され、このDSM5に上述したモザイク画像を投影し、撮影方向を垂直・水平方向に仮想的に変更、すなわち投影画像の画素を撮影方向の変更に応じた位置に移動させることにより、垂直・水平撮影方向のモザイク画像6、7のそれぞれを生成し、垂直方向のモザイク画像6における道路領域の両側方に、道路両脇の水平方向のモザイク画像7、7を同一平面上につなぎ合わせるようにして貼り付け、すなわち、現実においては垂直方向のモザイク画像6における路面1領域の側縁から立ち上がるような立体的位置関係にある水平方向のモザイク画像7について、仮想的に道路外側に倒し込むようにして展開図近似の写真地図9(本願発明1の「立面図」に相当する。)を生成する方法であって、画像をつなぎ合わせるように貼り付けることで立面図を作成するもの(「仮想的に道路外側に倒し込むようにして」との表現も画像に対するもの)であり、「本願発明1の第2~第4工程による立面図の作成方法、特に、第4工程の中の“構造物点群を回転させる”方法とは異なった方法により立面図を生成するものである。引用文献1のその他の部分にも点群の回転については記載されていない。 引用文献2に記載されたものは、点群ではなく画像を回転させるものであり、引用文献3、4には、回転について記載されていないから、引用発明の方法において、上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項を採用することが当業者に容易に想到し得ることであるといえる理由は全く見当たらない。 したがって、本願発明1は、引用文献1に記載された発明、及び、引用文献2-4に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 2.本願発明2-7について 請求項2-7は、それぞれ、請求項1を引用し、請求項1の発明特定事項をすべて備え、さらに発明特定事項を付加するものであるから、本願発明2-7と引用発明を対比すると、少なくとも、上記相違点と同様の相違点がある。 したがって、本願発明1と同様の理由により、本願発明2-7は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2-4に記載された技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。 第6 むすび 以上のとおり、拒絶査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-004830

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