商標拒絶査定不服審判
2022-004530
モチモチショッカンオイシイザッコク、モチモチショッカンオイシーザッコク、モチモチショッカン、モチモチショクカン、オイシイザッコク、オイシーザッコク、オイシイ、オイシー
- 審判番号
- 2022-004530
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-154480
- 請求日
- 2022年03月28日
- 審決日
- 2022年11月25日
- 公報発行日
- 2023年02月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】サラヤ株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 森山 啓
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 荻野 瑞樹
- 分類
- T18 .13 -Z (W2930) / T18 .272-Z (W2930)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-154480拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第29類及び第30類に属する別掲2のとおりの商品を指定商品として、令和2年12月15日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年10月15日付けで拒絶理由の通知がされ、同年11月12日に意見書が提出されたが、同4年2月8日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して、令和4年3月28日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、商品の取引上一般に用いられる範囲の書体及び構成で、「もちもち食感」の文字(該文字の下に波線が付されている)と、その下方に上下2段に配された「おいしい雑穀」の文字を書してなるものである。そして、その構成中の「もちもち」の文字は、「適度な粘り気・弾力のあるさま。」、「食感」の文字は、「歯ごたえや舌ざわりなど、食物を口に入れた時の感覚。」及び「雑穀」の文字は、「米・麦以外の穀類。」の意味を有する語であることから、本願商標は全体として、「口に入れた時に弾力がある、米・麦以外のおいしい穀類」ほどの意味合いを容易に理解させるものである。また、本願の指定商品を含む食料品を取り扱う業界においては、上記意味合いを表す語として「もちもち食感」や「おいしい雑穀」などの語を使用している実情がある。そうすると、本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「口に入れた時に弾力がある、米・麦以外のおいしい穀類」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと理解するにとどまるというのが相当である。したがって、本願商標は、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「米・麦以外の穀類」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、「もちもち食感」の文字を横書きし、その下に1本の波線を配し、それらの下に「おいしい」及び「雑穀」の文字を上下二段に横書きした構成よりなるところ、その構成中の波線は、単なる1本の線であって、極めて簡単、かつ、ありふれた図形であるから、出所識別標識としての機能を果たし得ないものであって、特定の称呼及び観念を生じないものである。
そして、本願商標の構成中の「もちもち」の文字は、「食物が柔らかく、粘りけのあるさま」等の意味を有する語であり、「食感」の文字は、「食物を口の中に入れたときに、口の中や喉などで受ける感じ」等の意味を有する語であり、「おいしい」の文字は、「食べ物の味がよい」等の意味を有する一般に慣れ親しまれた平易な語であり、また、「雑穀」の文字は、「米・麦以外の穀類の総称」の意味を有する語(いずれも「デジタル大辞泉」小学館)であるから、これらの語より構成される本願商標全体としては、「柔らかく粘りけのある食感の米・麦以外のおいしい穀類」ほどの意味合いを容易に想起させるものである。
また、本願の指定商品を取り扱う業界においては、原審における証拠及び別掲3のとおり、「柔らかく粘りけのある食感」を「もちもち食感」又はこれに相当する「もちもちの食感」、「もちもちした食感」等と、「米・麦以外のおいしい穀類」を「おいしい(美味しい)雑穀」と称し、商品がこれらの特徴を有することを表すものとして使用されている実情が見受けられる。
そうすると、本願商標の文字部分である「もちもち食感」及び「おいしい雑穀」の文字は、「柔らかく粘りけのある食感の米・麦以外のおいしい穀類」という、商品の品質、原材料等を具体的に表すものとして認識されるというべきものであって、本願商標をその指定商品に使用したとしても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「柔らかく粘りけのある食感の米・麦以外のおいしい穀類」又は「柔らかく粘りけのある食感の米・麦以外のおいしい穀類を使用した商品」であることを認識、把握するにとどまることから、本願商標は、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、かつ、本願の指定商品中、「米・麦以外の穀類」及び「米・麦以外の穀類を使用した商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じるおそれがあるものである。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標は、その構成全体より「口に入れた時に弾力がある、米・麦以外のおいしい穀類」のごとき意味合いを暗示させる場合があるとしても、「もちもち食感おいしい雑穀」の文字が、本願の指定商品との関係において、商品の品質を表示するものとして、複数の者によって販売されている例は見当たらず、特定の商品の品質等を直接的かつ具体的に表示するものとはいえない旨主張する。
しかしながら、原審における証拠及び別掲3のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、「柔らかく粘りけのある食感」を「もちもち食感」等と、「米・麦以外のおいしい穀類」を「おいしい(美味しい)雑穀」と称し多数取引されている実情からすれば、上記1のとおり、当該文字が「柔らかく粘りけのある食感の米・麦以外のおいしい穀類」という商品の品質等を具体的に表すものとして、本願の指定商品に係る取引者、需要者は認識、把握するものと判断するのが相当である。
また、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであり(平成12年(行ケ)第76号 平成12年9月4日 東京高等裁判所)、たとえ、「もちもち食感おいしい雑穀」の文字が、指定商品を取り扱う業界において、商品の品質等を表示するものとして実際に使用されていないとしても、本願商標の構成中の「もちもち食感」及び「おいしい雑穀」の文字は、上記1のとおり、それぞれ「柔らかく粘りけのある食感」及び「米・麦以外のおいしい穀類」を認識させるものであるから、取引者、需要者に商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標であると判断するのが相当である。
(2)請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の査定時又は審決時における取引の実情、当該商標の構成態様等に基づいて、個別具体的に検討、判断されるべきところ、請求人主張に係る各商標の登録例は、取引の実情や商標の構成態様等において本願商標と全く同一ということはできないから、上記1における判断は、これらの商標の登録例によって左右されるものではない。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 結論
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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