商標拒絶査定不服審判
2022-004523
ラクトフェリンジンジャー、ジンジャー
- 審判番号
- 2022-004523
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-106830
- 請求日
- 2022年03月28日
- 審決日
- 2023年03月07日
- 公報発行日
- 2023年05月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】サラヤ株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 森山 啓
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 荻野 瑞樹
- 分類
- T18 .13 -Z (W030529) / T18 .272-Z (W030529)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-106830拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第3類、第5類及び第29類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和2年8月28日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年7月14日付けで拒絶理由の通知がされ、同年9月15日に意見書が提出され、本願の指定商品については、意見書と同日付けの手続補正書により、第3類、第5類及び第29類に属する別掲2のとおりの商品に補正されたが、同4年1月5日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して、令和4年3月28日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、「Lactoferrin Ginger」の欧文字を筆記体で手書き風に、普通に用いられる方法で表したものというのが相当であるところ、その構成中の「Lactoferrin」を片仮名で表した「ラクトフェリン」の文字は、「糖たんぱく質の一種。」等の意味を有する語であり、本願の指定商品との関係において、主原料の一つとして単に商品の品質(原材料)を表したものと理解され、また、「Ginger」を片仮名で表した「ジンジャー」の文字は、「しょうが」を意味する語として広く知られており、本願の指定商品を取り扱う分野において、ジンジャーエキス(しょうが抽出物)が配合された商品が見受けられる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は「ラクトフェリンとジンジャーエキス(しょうがの抽出物)を配合してなる商品」であることを理解するにとどまるから、本願商標は、単に商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。また、本願商標を前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権により証拠調べを実施した結果、別掲3に示すとおりの事実を発見したので、請求人に対し令和4年10月31日付けで証拠調べ通知書を通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。
第4 証拠調べ通知書に対する請求人の意見(要旨)
1 証拠調べ通知書に示された証拠における使用例は、「ラクトフェリン」の単独の使用、「ジンジャー」の単独の使用であり、「ラクトフェリンジンジャー」の使用例ではなく、また、「Lactoferrin Ginger」の文字は、本願の指定商品を取り扱う業界において、請求人以外に使用されている例はなく、指定商品についての品質等を直接的かつ具体的に表示するものとはいい難い。
2 「Ginger(ジンジャー)」の文字を含む商標が、品質等を直接的かつ具体的に表示したものと扱うことなく、また、指定商品を「ジンジャーを配合してなる商品」と限定することなく、一連一体の造語として登録されている。
3 本願商標の「Lactoferrin Ginger」なる語は、請求人が考案し、採択した造語であり、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示するものとして認識させるものでなく、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれもない。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなるところ、その外観上、「Lactoferrin」及び「Ginger」の欧文字を手描き風の筆記体様の書体で表したものと容易に認識、把握されるものであり、また、これらの欧文字を1文字分の空白(スペース)を介した構成よりなるから、本願商標は、「Lactoferrin Ginger」の文字を普通に用いられる方法で表したものといえる。
また、その構成中の「Lactoferrin」及びその片仮名表記の「ラクトフェリン」の文字は、「糖たんぱく質の一種」等の意味を有する語であり、また、「Ginger」及びその片仮名表記の「ジンジャー」の文字は、「ショウガ科の多年草」等の意味を有する語であり(いずれも「デジタル大辞泉」小学館)、「しょうが」を意味するものとして広く一般に知られているものである。
そして、別掲3の証拠調べ通知書において示した事実1のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、原材料として「ラクトフェリン」が含まれている商品が取引されており、その旨を表すものとして「ラクトフェリン」の文字が使用されている実情が見受けられる。
また、別掲3の証拠調べ通知書において示した事実2のとおり、同業界において、「ジンジャーエキス」や「ショウガエキス」等、原材料としてしょうがから抽出した成分が含まれている商品が取引されており、その旨を表すものとして「ジンジャー」又は「Ginger」の文字が使用されている実情が見受けられる。
してみれば、上記のとおり、本願商標を構成する「Lactoferrin」及び「Ginger」の文字は、いずれも商品の原材料を表すものとして認識されるというものであって、これらの文字を1文字分の空白(スペース)を介した構成よりなる本願商標を、その指定商品に使用したとしても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「ラクトフェリン及びしょうがから抽出した成分が含まれた商品」であることを認識、把握するにとどまることから、本願商標は、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、かつ、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じるおそれがあるものである。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、「Lactoferrin Ginger」の文字は、請求人が考案し、採択した造語であり、本願の指定商品を取り扱う業界において、請求人以外に使用されている例はなく、指定商品についての品質等を直接的かつ具体的に表示するものとはいい難い旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであり(平成12年(行ケ)第76号 平成12年9月4日 東京高等裁判所)、たとえ、「Lactoferrin Ginger」の文字が、請求人によって考案、採択された語であり、本願の指定商品を取り扱う業界において、請求人以外の者によって使用されていないとしても、「Lactoferrin」及び「Ginger」の文字は、上記1のとおり、いずれも商品の原材料を表したものと認識、理解されるものであって、本願商標の「Lactoferrin Ginger」は、単にこれらの文字を1文字分の空白(スペース)を介したにすぎない構成よりなることからすれば、本願商標は、取引者、需要者に商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標であると判断するのが相当である。また、本願商標を、その指定商品中、ラクトフェリン及びしょうがから抽出した成分が含まれていない商品に使用した場合には、当該商品に原材料としてラクトフェリン及びしょうがから抽出した成分が含まれているかのように、商品の品質の誤認を生じるおそれがあるとみるのが相当である
(2)請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の査定時又は審決時における取引の実情、当該商標の構成態様等に基づいて、個別具体的に検討、判断されるべきところ、請求人主張に係る各商標の登録例は、取引の実情や商標の構成態様等において本願商標と全く同一ということはできないから、上記1における判断は、これらの商標の登録例によって左右されるものではない。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 結論
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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