商標拒絶査定不服審判
2022-004492
キョートオーガニック、オーガニック
- 審判番号
- 2022-004492
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-136148
- 請求日
- 2022年03月28日
- 審決日
- 2023年05月31日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】植村 智子
- 【請求人代理人】西村 竜平
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 山田 啓之
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .16 -Z (W35) / T18 .272-Z (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-136148拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年11月4日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 8月 3日付け:拒絶理由通知書
令和3年12月 9日受付:意見書、手続補正書
令和4年 1月28日付け:拒絶査定
令和4年 3月28日受付:審判請求書
令和5年 1月23日付け:拒絶理由通知書
第2 本願商標
本願商標は、「京都オーガニック」の文字を標準文字で表してなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定役務については、上記第1の手続補正により、第35類に属する別掲1に記載のとおりの指定役務に補正されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「京都オーガニック」の文字を標準文字で表してなり、その構成中「京都」の文字は、「京都府」を認識させるものであり、「オーガニック」の文字は、「有機農業による生産物であること。」を意味する語であるから、全体として「京都府で有機農業によって生産されるもの」といった意味合いが理解される。また、本願指定役務の分野において、農薬や化学肥料を使用しない商品や、有機栽培された植物成分を使用した商品等について、「オーガニック」の語が使用されている実情も見受けられる。そうすると、本願商標をその指定役務中、前記意味合いに相応する役務に使用しても、これに接する需要者は、その取扱商品が「京都府で有機農業によって生産される商品」であると認識するというのが相当といえ、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審における拒絶理由通知
当審において、請求人に対し、令和5年1月23日付け拒絶理由通知書により、別掲2ないし別掲5のとおりの事実を示した上で、本願商標は、これをその指定役務中、「有機栽培による生産物」又はこれを使用した商品を取扱商品とし得る役務に使用したときには、役務の取扱商品の品質等を表示するものであり、本願商標を、上記以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるから、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の拒絶理由を通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 当審における拒絶理由通知に対する請求人の意見
請求人は、上記第4の拒絶理由通知書に対して、所定の期間内に何ら応答するところがない。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、「京都オーガニック」の文字を標準文字で表してなるものであり、「京都」の漢字と「オーガニック」の片仮名を結合させたものと容易に認識されるものである。
そして、本願商標の構成中「京都」の文字(語)は、地名を認識させること明らかであり、「オーガニック」の文字(語)は、「(1)有機的。組織的。(2)器管・臓器に関係するさま。(3)有機栽培、有機農法。また、その農産物。」(「コンサイスカタカナ語辞典第5版」株式会社三省堂)を意味する語である。
ところで、本願指定役務を取り扱う業界において、別掲2のとおり、農薬や化学肥料を使用しない商品や、有機栽培された植物成分を使用した商品について、「オーガニックコスメ」、「オーガニック肥料」、「オーガニックオイル」、「オーガニック農産物/食品」、「オーガニックタオル」、「オーガニックコットン」のように、「オーガニック」の語が使用されている実情が認められる。
また、同業界において、別掲3のとおり、京都産の有機栽培による生産物や、京都産の有機栽培による生産物を使用したシャンプー及びヘアワックスが取り扱われている事実が認められる。
さらに、同業界において、別掲4のとおり、京都を含む産地名と「オーガニック」の文字が併記されている事実が認められ、別掲5のとおり、その地で生産された有機栽培による生産物を使用した商品を表示する際、地名を冠して、「○○オーガニック」(○○には地名が入る。)等の文字が、当該商品に関するイベントの名称として使用されている事実も認められる。
これらの事実からすると、たとえ「オーガニック」の語が有する意味が多義的であるとしても、本願指定役務との関係では、「オーガニック」の文字部分は、「有機栽培、有機農法。また、その農産物。」といった意味の語として認識され、本願商標全体として、「京都産の有機栽培による生産物」といった意味を表したものと認識されるとみるのが相当である。
そうすると、「京都オーガニック」の文字からなる本願商標は、これをその指定役務中、「有機栽培による生産物」又はこれを使用した商品を取扱商品とし得る役務、具体的には「薬剤及び医療補助品並びに化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,肥料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,アロマオイル・香料及び薫料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,織物及び寝具類・被服・履物・かばん類及び袋物・身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用したときには、これに接する需要者は、その取扱商品が「京都産の有機栽培による生産物、京都産の有機栽培による生産物を使用した商品」であると認識するにとどまり、本願商標は、役務の取扱商品の品質等を表示したものとして認識されるというべきである。
してみると、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ず、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というのが相当である。
また、本願商標は、これをその指定役務中、取扱商品が「有機栽培による生産物」又はこれを使用した商品とは想定し得ない役務、すなわち上記以外の役務に使用するときは、これに接する需要者は、その役務があたかも「京都産の有機栽培による生産物、京都産の有機栽培による生産物を使用した商品」を取扱商品とする役務であるかのように、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様や取引の実情を踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標についての判断は、上記1のとおりであるから、請求人が挙げる登録例をもって本願商標の上記判断が左右されるものではない。
したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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