商標拒絶査定不服審判
2022-004488
アイピイマーケットプレイス、アイピイマーケットプレース、マーケットプレイス、マーケットプレース
- 審判番号
- 2022-004488
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-112381
- 請求日
- 2022年03月28日
- 審決日
- 2023年06月01日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】AOSテクノロジーズ株式会社
- 【請求人代理人】重信 和男
- 【請求人代理人】石川 好文
- 【請求人代理人】秋庭 英樹
- 【請求人代理人】林 道広
- 【請求人代理人】大久保 岳彦
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 山田 啓之
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .13 -Z (W09353638414245) / T18 .272-Z (W09353638414245)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-112381拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年9月10日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 8月 3日付け:拒絶理由通知書
令和3年 9月 7日受付:意見書
令和4年 1月 7日付け:拒絶査定
令和4年 3月28日受付:審判請求書
令和5年 1月26日付け:審尋
令和5年 3月 8日受付:回答書
第2 本願商標
本願商標は、「IPマーケットプレイス」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第35類、第36類、第38類、第41類、第42類及び第45類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「IPマーケットプレイス」の文字を標準文字で表してなるところ、構成中の「IP」の文字は、「知的財産権」の意味を有する語であり、「マーケットプレイス」の文字は、「モノを買いたい企業(バイヤー)と売りたい企業(サプライヤー)が自由に参加できるインターネット上の取引市場。」ほどの意味を有する語である。そして、知的財産権を取引の対象とするインターネット上の取引市場を「IPマーケットプレイス」やそれに通じる「知的財産マーケットプレイス」と称し、取引が行われている実情が認められ、また、知的財産権の一種である特許権を取引の対象とするインターネット上の取引市場を「特許のマーケットプレイス」と称し、取引が行われている実情が認められる。以上の事実を考慮すると、本願商標は、全体として「知的財産権を取引の対象とするインターネット上の取引市場」ほどの意味合いが生じるというのが相当であり、本願商標を、その指定商品・指定役務中「知的財産権を取引の対象とするインターネット上の取引市場に関する商品・役務」あるいは「知的財産権を取引の対象とするインターネット上の取引市場における役務」に使用した場合、これに接する需要者は、単に商品の品質、役務の質及び役務の提供の場所を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質・役務の質の誤認を生じるおそれがあるから同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審における審尋
当審において、本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について、請求人に対し、審尋で、別掲1及び2のとおりの事実を示すとともに、当審における合議体の暫定的見解について通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 審尋に対する請求人の回答の要旨
請求人は、上記第4の審尋に対し、回答書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
「IP」の文字が、取引需要者において一義的に「知的財産権」を意味する語として想起されるものではなく、また、「IPマーケットプレイス」の文字が、「知的財産権を取引の対象とするインターネット上の取引市場」といった意味合いを表したものとして認識されているという事実はなく、「IPマーケットプレイス」の文字は、その役務の提供の場所等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標には該当しない。
したがって、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、また、指定役務中のいずれの役務について使用しても役務の質(内容)について誤認を生じさせるおそれはない。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、「IPマーケットプレイス」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標の構成中「IP」の文字は、「知的財産権」等(「広辞苑第七版付録」株式会社岩波書店)を、「マーケットプレイス」の文字は、「インターネット上で商品やサービスの売り手と買い手を結びつける取引所のこと。またはそのサービス。」(「見やすいカタカナ新語辞典第4版」株式会社三省堂)を意味する語である。
そして、別掲1のとおり、「IP」の語は、「IP活用」、「IPコンサルティング」、「IPニュース」のように、「知的財産権」の略称として一般に使用されていることが認められる。
また、別掲2のとおり、特許、技術(ノウハウ)、商標、著作権及びドメイン名といった知的財産権を取引の対象とするインターネット上の取引市場が提供され、それらに「マーケットプレイス」の文字が使用されている事実が認められる。
これらの事実からすると、たとえ「IP」の語が有する意味が多義的であるとしても、本願指定商品及び指定役務中、「知的財産権に関する商品・役務」との関係では、「IP」の文字部分は、「知的財産権」といった意味の語として認識され、「IPマーケットプレイス」の文字は、「知的財産権を取引の対象とするインターネット上の取引市場」といった意味合いを表したものとして認識されるとみるのが相当である。
そうすると、「IPマーケットプレイス」の文字からなる本願商標は、これをその指定商品及び指定役務中、「知的財産権を取引の対象とするインターネット上の取引市場に関する商品・役務」に使用したときには、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質、役務の質を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきである。
また、その指定役務中、「知的財産権を取引の対象とするインターネット上の取引市場における役務」に使用したときには、これに接する取引者、需要者は、単に役務の質、役務の提供の場所を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するというべきである。
さらに、本願商標は、「知的財産権を取引の対象とするインターネット上の取引市場に関する商品・役務」、又は「知的財産権を取引の対象とするインターネット上の取引市場における役務」以外の商品又は役務に使用したときには、これに接する取引者、需要者は、その商品又は役務があたかも「知的財産権を取引の対象とするインターネット上の取引市場に関する商品・役務」、又は「知的財産権を取引の対象とするインターネット上の取引市場における役務」であるかのように、商品の品質又は役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、「IPマーケットプレイス」の文字が、「知的財産権を取引の対象とするインターネット上の取引市場」といった意味合いを表したものとして認識されているという事実はない旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品及び指定役務の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それゆえに登録を受けることができないとしたものであって、当該表示態様が、商品の品質や役務の質等を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであるところ、上記1のとおり、本願商標を構成する「IP」及び「マーケットプレイス」は、それぞれ「知的財産権」及び「インターネット上の取引市場」の意味の語として認識され、知的財産権を取引の対象とするインターネット上の取引市場が提供され、それらに「マーケットプレイス」の文字が使用されている事実があることからすれば、たとえ本願商標が一般に使用されている事実が確認できないとしても、本願商標に接する取引者、需要者は、「知的財産権を取引の対象とするインターネット上の取引市場」であると理解するものというのが相当である。
したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-004488