商標拒絶査定不服審判
2022-004402
チクネツシキダツモー、チクネツシキ、チクネツ
- 審判番号
- 2022-004402
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-071659
- 請求日
- 2022年03月24日
- 審決日
- 2022年08月19日
- 公報発行日
- 2022年11月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】篠▲崎▼ 智公
- 【請求人代理人】特許業務法人朝日特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 森山 啓
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 荻野 瑞樹
- 分類
- T18 .13 -Z (W44) / T18 .272-Z (W44)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-71659拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年6月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年5月28日付け :拒絶理由通知書
令和3年7月13日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年10月18日付け:手続補正指示書、拒絶理由通知書
令和3年11月29日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年12月21日付け:拒絶査定
令和4年3月24日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 本願商標
本願商標は、「蓄熱式脱毛」の文字を標準文字で表してなり、第3類、第10類、第11類、第21類及び第44類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、上記第1の当審における手続補正書により、最終的に、第44類「医業,医療情報の提供」に補正されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、「蓄熱式脱毛」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「蓄熱」の文字は、「熱を蓄えること」等の意味、「式」の文字は、「標準となるやり方・作法」等の意味、「脱毛」の文字は、「美容のために不要の体毛を取り去ること」の意味を有しているところ、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、「蓄熱(式)脱毛」の文字が、「低出力のレーザーを繰り返し照射することで、皮下に熱を蓄えて脱毛効果が得られる方法」を表す語として使用されている実情が認められる。そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務中、「医業,医療情報の提供」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「蓄熱させて脱毛を行う医業,医療情報の提供」を表したものと認識するにすぎないから、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「蓄熱式脱毛」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「蓄熱」の文字は、「熱を蓄えること。」等の意味、「式」の文字は、「標準となるやり方・作法」等の意味、「脱毛」の文字は、「美容のために不要の体毛を取り去ること」等の意味(いずれも「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)を有するものである。
これらを結合した構成文字全体からは、「熱を蓄えるやり方で美容のために不要の体毛を取り去る」といった意味合いを想起させるところ、本願の指定役務を取り扱う業界においては、原審において示したとおり、医療機関における脱毛が広く一般に行われている実情が見受けられ、また、原審における証拠及び別掲のとおり、「蓄熱脱毛」あるいは「蓄熱式脱毛(蓄熱式)」の文字が、「低出力のレーザー光線を毛根部分に繰り返し照射することで、皮下に熱を蓄えて、毛を生やすための組織を破壊し脱毛する」という、医療機関における脱毛の方式の一つを表すものとして使用されている事実が認められるものである。
そして、厚生労働省による通知「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」(平成13年11月8日付医政医発第105号)によれば、「第1 脱毛行為等に対する医師法の適用」の見出しの下、「用いる機器が医療用であるか否かを問わず、レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為」は、「医師が行うのでなければ保健衛生上危害の生ずるおそれのある行為であり、医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反する」とされている。
してみれば、上記のとおり、「蓄熱脱毛」あるいは「蓄熱式脱毛(蓄熱式)」と称する脱毛方式は、「低出力のレーザー光線を毛根部分に繰り返し照射することで、皮下に熱を蓄えて、毛を生やすための組織を破壊し脱毛する」ことであるから、上記通知における「レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為」に該当するものとみるのが相当であり、したがって、「蓄熱脱毛」あるいは「蓄熱式脱毛(蓄熱式)」を行うことは「医業」に該当するものである。
そうすると、「蓄熱式脱毛」の文字からなる本願商標を、その指定役務「医業,医療情報の提供」について使用しても、これに接する取引者、需要者は、「低出力のレーザー光線を毛根部分に繰り返し照射することで、皮下に熱を蓄えて、毛を生やすための組織を破壊し脱毛を行う医業」及び「低出力のレーザー光線を毛根部分に繰り返し照射することで、皮下に熱を蓄えて、毛を生やすための組織を破壊し脱毛を行う医業に係る医療情報の提供」を表したものと認識、把握し、単に役務の質を表示するにすぎないものと認識すると判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、かつ、上記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じるおそれがあるものである。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、「脱毛」とは「美容のために不要の体毛を取り去ること」を意味するから、「蓄熱式脱毛」の語が、例えば「美容」に使用された場合には、商標が役務の特徴等を直接的、具体的に表示していると言える場合があるとしても、「医業(医療)」に使用された場合には直接的、具体的にどのような役務を表すか取引者・需要者をして直ちに指定役務の品質を表示するものではなく、役務の特徴等を間接的に表示しているに過ぎない旨主張する。
しかしながら、「脱毛」の文字が、目的として「美容のために」という意味合いを有するものであるとしても、上記1のとおり、「蓄熱式脱毛」は、その行為自体が医業に該当するものであるから、「蓄熱式脱毛」の文字が、本願の指定役務について使用された場合には、取引者、需要者は、役務の質を直接的、具体的に表すものとして認識、把握するものとみるのが相当である。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。
3 結論
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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