商標拒絶査定不服審判
2022-003715
スーパーシキミサン、シキミサン、スーパーシキミックアシッド、シキミックアシッド
- 審判番号
- 2022-003715
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-069990
- 請求日
- 2022年03月11日
- 審決日
- 2023年03月23日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】三栄製薬株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人不二商標綜合事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 藤村 浩二
- 分類
- T18 .13 -Z (W030532) / T18 .272-Z (W030532)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-69990拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年5月26日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年4月16日付け:拒絶理由通知書
令和3年12月6日付け:拒絶査定
令和4年3月11日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「スーパーシキミ酸」の文字及び「Super shikimic acid」の欧文字を二段に書してなり、別掲1のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「スーパーシキミ酸」の文字と「Super shikimic acid」の文字を二段書きで表してなり、その構成中の「スーパー」及び「Super」の文字は「より優れた」の意味を、「シキミ酸」及び「shikimic acid」の文字は「植物体において、芳香族化合物やリグニンの中間体として機能する有機化合物」の意味を有する語である。そして、本願指定商品を取り扱う業界においては、本願商標構成中の「シキミ酸」の文字が「化粧品」の成分や「薬剤」の原料を示す際に使用され、販売取引されている実情が確認できる。そうすると、本願商標をその指定商品中、例えば「化粧品」「薬剤」に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が「より優れたシキミ酸を含む商品」であること、すなわち、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと認識するというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、令和4年10月25日付けで通知した審尋により、別掲2から別掲4のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の合議体の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
請求人は、上記4の審尋に対し、令和4年12月12日に回答書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
(1)審尋において挙げた事例は、本願商標である「スーパーシキミ酸」自体の使用例ではなく、本願商標が直接具体的な品質表示であるとする証拠としては、間接的なものにすぎない。
(2)本願商標の指定商品との関係からすると、審尋にいうような意味合いからは、指定商品について品質を直感することはできず、依然として内容は直接具体的なものとならない。
(3)よって、本願商標は、単なる品質表示に当たるものではなく、間接的でユニークな固有の表示であり、拒絶理由のいずれにもあたらない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、上記2のとおり、「スーパーシキミ酸」の文字と「Super shikimic acid」の欧文字を特徴のない一般に用いられる書体で上下二段に書してなるところ、その構成中の「シキミ酸」及びその英語表記である「shikimic acid」の文字は、「微生物、植物などの独立栄養生物で、芳香族アミノ酸その他の芳香族化合物を合成する経路(シキミ酸経路)の中間体」(生化学辞典第4版:東京化学同人)の意味を有する語であるところ、原審において示した別掲2の事実のほかに、別掲3に示す事実からも、シキミ酸は、本願の指定商品との関係において、原材料として使用されることが認められ、また、原材料として使用された際に一定の効能を有する有用成分となり得るものとしてみるのが相当である。
また、本願商標の構成中、「スーパー」及びその英語表記である「Super」の文字は、「より優れた」(広辞苑第七版、岩波書店)の意味を有する語であるところ、本願の指定商品を取り扱う業界においては、別掲4に示すとおり、主たる原材料の効能が優れていることを特徴とする商品について、その原材料を表す文字に「スーパー」の文字を冠して、「スーパー○○」(「○○」の部分は、主たる原材料名)の文字からなる表示を商品名として採択・使用することが少なからず行われている。
そうすると、「スーパーシキミ酸」の文字及びその英語表記である「Super shikimic acid」の欧文字を特徴のない一般に用いられる書体で上下二段に書した構成からなる本願商標を、その指定商品中「シキミ酸を主たる原材料とする商品」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該文字から、その使用に係る商品が、主たる原材料であるシキミ酸の効能が優れていることを特徴とする商品であることを看取、把握する場合も少なくないとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、その指定商品中「シキミ酸を主たる原材料とする商品」に使用した場合は、その構成全体をもって、「より優れたシキミ酸を含む商品」の意味合いを想起させるにとどまり、取引者、需要者をして、商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示したものと認識されるにすぎず、自他商品識別標識として機能を果たさないものというべきである。
したがって、本願商標は、その指定商品中「シキミ酸を主たる原料とする商品」に使用するときは、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「審尋において挙げた事例は、本願商標である「スーパーシキミ酸」自体の使用例ではなく、本願商標が直接具体的な品質表示であるとする証拠としては、間接的なものにすぎない。」旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標は、「スーパーシキミ酸」の文字と「Super shikimic acid」の欧文字を上下二段に書してなるものであるところ、別掲2及び別掲3のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、シキミ酸は、本願の指定商品との関係において、原材料として使用され、また、原材料として使用された際に一定の効能を有する有用成分となり得るものとして知られている実情があり、加えて、別掲4のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界においては、別掲4に示すとおり、主たる原材料の効能が優れていることを特徴とする商品について、その原材料を表す文字に「スーパー」の文字を冠して、「スーパー○○」(「○○」の部分は、主たる原材料名)の文字からなる表示を商品名として採択・使用することが少なからず行われている実情が認められることからすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、本願商標は「スーパー(Super)」の文字と「シキミ酸(shikimic acid)」の文字を結合したものと認識し、当該商品が「主たる原材料であるシキミ酸の効能が優れていることを特徴とする」であることを無理なく理解するものと判断するのが相当である。
また、「商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」(東京高裁平成12年(行ケ)第76号,同年9月4日判決参照)と判示されていることからすると、「スーパーシキミ酸(Super shikimic acid)」の文字のみで使用している事例がないとしても、本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性が否定されるものではない。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであって、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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