商標拒絶査定不服審判
2022-003470
ザラザラ
- 審判番号
- 2022-003470
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-082321
- 請求日
- 2022年03月08日
- 審決日
- 2024年04月16日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】小川 雅也
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W03) / T18 .272-Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-82321拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年7月3日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 5月28日付け:拒絶理由通知書
令和3年 7月26日 :意見書の提出
令和3年12月 7日付け:拒絶査定
令和4年 3月 8日 :審判請求書の提出
令和6年 1月31日付け:審尋
令和6年 2月26日 :回答書の提出
2 本願商標
本願商標は、「ザラザラ」の文字を標準文字で表してなり、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つけづめ,つけまつ毛,化粧用コットン,化粧用脱脂綿」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「ザラザラ」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は「手触り・舌触り・見た感じが粗く滑らかでないさま。」を表す文字として、一般に知られているものである。そして、本願指定商品との関係において、「ザラザラ」の文字は、商品自体がザラザラとしていることを表すものとして使用されている実情があり、また、ザラザラした肌に効果がある商品が一般的に取引されており、そのような商品であることを表す際に「ザラザラ」の文字が使用されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品中「ザラザラとした特徴を有する商品」または「ザラザラした肌に効果がある商品」に使用した場合、これに接する需要者は、商品の品質を表したものと理解するにとどまり、本願商標を、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示した標章として認識するというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、前記1の審尋により、別掲に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
(1)国語辞書及びオノマトペ辞典の記載より「ザラザラ」からは「手触り・舌触り・見た感じが粗く滑らかでない商品」の他、一種の音を想起させる「大量の粒状のものがこすれ合って発する連続音のする商品」や「粒状のものが多量に続けて落ちたり動くときの音のする商品」、一種の物の形状を想起させる「多くのものが並びつながる形状の商品」等の意味合いが容易に想起され、一義的に特定の意味合いを認識し得ない。
(2)本願商標は、「お肌の」や「洗う」「ケア」「仕上がり」等の語が結合されることにより、何が「ザラザラ」であるのか、その「ザラザラ」とは商品との関係では如何なる意味合いを表すのかを特定する役割を果たすが、「ザラザラ」の文字は、上記(1)のような多義的な意味合いが想起される語句であり、それのみでは単なる音を意味するのか、物の形状であるのか、効果や対象を表すのか、一義的に認識することできない。
(3)「ザラザラ」(登録第5358183号)や「ゴワゴワ」(登録第6333823号)の登録例があるが、これらは、その指定商品分野においてその出願以前に複数の使用例が現に存在していたにもかかわらず、登録されているものであって、本願についてのみ登録を認めないとするのは、判断基準が極めて恣意的なものとなり、公平性を欠く。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、「ザラザラ」の文字を標準文字により表してなるところ、当該文字は「手触り・舌触り・見た感じが粗く滑らかでないさま。」等の意味(「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)を有する語として広く慣れ親しまれているものである。
そして、本願の指定商品中「せっけん類,化粧品,ネイルエナメル」等を取り扱う業界では、「ザラザラ」の文字が、商品の状態や商品を使用した仕上がりの状態、また、商品が使用される皮膚などの状態を表す語として使用され、「ザラザラ」をなくす、なめらかにする又は仕上がりを「ザラザラ」にする等とうたう商品が多数製造、販売されている事実がある(原審における用例及び別掲)。
このような状況の下、本願商標をその指定商品中「せっけん類,化粧品,ネイルエナメル」等に使用する場合は、これに接する取引者、需要者に、「ザラザラした商品」「ザラザラした仕上がりになる商品」「(皮膚等の)ザラザラをなくす(なめらかにする)商品」という商品の品質、用途を表示したものと認識、理解させるにとどまるといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記内容に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、前記5(1)のように、本願商標は複数の意味合いを有する語であるから、一義的に特定の意味合いを認識し得ない旨、また、本願商標は、「お肌の」や「洗う」「ケア」「仕上がり」等の語が結合されることにより、何が「ザラザラ」であるのか、その「ザラザラ」とは商品との関係では如何なる意味合いを表すのかを特定する役割を果たし、それのみでは単なる音を意味するのか、物の形状であるのか、効果や対象を表すのか、一義的に認識することできない主張する。
しかしながら、「ザラザラ」の文字が複数の意味合いを有する語であるとしても、本願の指定商品中「せっけん類,化粧品,ネイルエナメル」等との関係においては、「ザラザラ」の文字が、商品の状態や商品を使用した仕上がりの状態、また、商品が使用される皮膚などの状態を表す語として使用され、「ザラザラ」をなくす、なめらかにする又は仕上がりを「ザラザラ」にする等とうたう商品が多数製造、販売されていることは、上記(1)のとおりであるから、当該商品との関係において、「ザラザラ」の文字は「手触り・舌触り・見た感じが粗く滑らかでないさま。」の意味合いを容易に認識させるといえるものである。
イ 請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標もこれらと同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項各号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願については上記(1)のとおり判断するものであるから、請求人の挙げた登録例があることが、本願の判断を左右するものではない。
また、請求人が、前記5(3)の登録例について述べている使用例については、本願商標における使用例とは異なる構成態様もあり(「ザラザラ肌」「ゴワゴワ肌」「ゴワゴワ髪」)、その数も多いものとはいえない。
ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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