商標拒絶査定不服審判
2022-002887
メッセルシールドキ、メッセルシールド
- 審判番号
- 2022-002887
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-078194
- 請求日
- 2022年02月27日
- 審決日
- 2023年03月27日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社トーメック
- 【請求人代理人】前田 健壱
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 旦 克昌
- 審判官 山根 まり子
- 分類
- T18 .13 -Z (W07) / T18 .272-Z (W07)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-78194拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年6月24日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年6月3日付け:拒絶理由通知書
令和3年6月28日付け:意見書
令和3年11月25日付け:拒絶査定
令和4年2月27日付け:審判請求書
第2 本願商標
本願商標は、「メッセルシールド機」の文字を標準文字で表してなり、第7類「土木機械器具及びその部品及び附属品」を指定商品として登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、「メッセルシールド機」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、本願指定商品との関係では、「メッセルを備え作業時の土砂の崩落を防ぐ機能を有する機械」ほどの意味合いとして、よく知られている。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に、「メッセルを備え作業時の土砂の崩落を防ぐ機能を有する機械」や「そのような機械に対応する商品」を認識するにとどまるから、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
第4 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、上記第2のとおり、「メッセルシールド機」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成中、「メッセル」の文字は、「ナイフ(ドイツ語)」(土木用語大辞典 技報堂出版株式会社)の意味を有し、本願の指定商品に関連する土木工事においては「メッセル工法」の文字が、「特殊な断面をしたメッセル(鋼)矢板をジャッキを利用して地山に順次圧入し、地山を支持しながら矢板の内側を掘削する工法。山岳工法における縫地工法とシールド工法の中間的工法にあたる。」(前掲書)という工法を示す文字として使用されている。
また、「シールド」の文字は、「シールド機、シールドマシーンとも呼ばれ、主に土砂地盤中を掘進するトンネル掘削機械。」(前掲書)の意味を有するものであって、「シールド工法」の文字が、「一般に立坑からトンネル断面より少し大きいシールドをジャッキで地中に押込み、土砂の崩落を防ぎながら掘進し(シールド推進)、シールド内でのセグメントの組立て、後方に生じるセグメントと地山の隙間への裏込め注入等の一連の工程を繰返してトンネルを築造する工法。」(前掲書)と称されている実情も認められる。
そうすると、本願商標は、「メッセル」、「シールド」及び機械の意味である「機」の各文字を組み合わせてなるものと容易に認識、把握されるとみるのが相当であって、本願指定商品との関係では上記の工法のために用いる機械であることを理解させるものである。
そして、原審で提示した事例に加え、当審が職権で調査したところ、別掲にあるように、本願の指定商品の分野において、「メッセルシールド機」の文字が、「メッセル(鋼)矢板によって、地盤を支持する等、作業時の土砂の崩落を防ぐ機能を有し掘削するシールド機」といった土木機械器具の一種(機械の種類)を指称するものとして使用されている実情が認められる。
してみれば、上記のとおり、「メッセル」と「シールド」の各文字が、土木工事の工法を表す文字として使用されている実情があり、「メッセルシールド機」の文字が、「メッセル(鋼)矢板を備え、地盤を支持する等、作業時の土砂の崩落を防ぐ機能を有し掘削するシールド機」程度の意味合いにおいて、土木機械器具の一種(機械の種類)を指称するものとして使用されていることよりすれば、本願商標は、これをその指定商品中、「土木機械器具」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、土木機械器具の一種(機械の種類)としての「メッセルを備え作業時の土砂の崩落を防ぐ機能を有する掘削機械」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと認識するものであり、かつ、本願商標は、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
また、上記「メッセルを備え作業時の土砂の崩落を防ぐ機能を有する掘削機械」以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、「メッセルシールド機」は、昭和48年から現在まで、請求人や請求人らが所属する協会(以下「請求人等」という。)の「オープンピット工法」の管渠埋設機械に用いられ、需要者および取引者に、オープンピット工法の管渠埋設機械の名称であると広く認識されているものであり、原審で挙げた使用例は、当該機械のことを示すものやそれを他社にレンタルした際の記事であるから、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、単に、「メッセルを備え作業時の土砂の崩落を防ぐ機能を有する機械」や「そのような機械に対応する商品」を認識するにとどまらず、請求人等の管渠埋設機械の名称であると認識するものであるので、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない旨を主張する。
しかしながら、「メッセルシールド機」の文字が請求人等の特定の工法の管渠埋設機械の名称として使用されている場合があるとしても、上記事例を含む書籍、特許公報等、新聞及びインターネット情報(別掲)において、当該文字が請求人等に係る商標ないし請求人等に係る特定の商品の名称であると認識し得る記載は見当たらず、「メッセルを備え作業時の土砂の崩落を防ぐ機能を有する掘削機械」といった土木機械器具の一種(機械の種類)を指称するもの、すなわち、商品の品質、特性を表示記述するものとして使用されている。そうすると、「メッセルシールド機」の文字は、単に商品の品質を表示したものと認識されるものであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、商標登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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