商標拒絶査定不服審判
2022-002746
ステップアップ
- 審判番号
- 2022-002746
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-091759
- 請求日
- 2022年02月24日
- 審決日
- 2023年01月11日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社東京空色
- 【請求人代理人】One ip弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .16 -Z (W44)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-91759拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年7月27日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 6月21日付け:拒絶理由通知書
令和3年 8月 5日受付:意見書、手続補正書
令和3年11月22日付け:拒絶査定
令和4年 2月24日受付:審判請求書
第2 本願商標
本願商標は、「ステップアップ」の文字を標準文字で表してなり、第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定役務については、上記第1の手続補正により、第44類「知的障害児又は精神障害児の養護,知的障害児又は精神障害児の介護,知的障害者又は精神障害者の介護,知的障害児又は精神障害児の介護支援,知的障害者又は精神障害者の介護支援,知的障害者又は精神障害者の共同生活介護,知的障害者又は精神障害者のリハビリ,知的障害者又は精神障害者の世話,知的障害者又は精神障害者の介助,介護施設又は養護施設の提供,障害者向けグループホームにおける共同生活介護,障害者向け短期入所施設における介護」と補正されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「ステップアップ」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「進歩すること。向上すること。」の意味を有する語として一般に知られ親しまれている語である。そして、本願指定役務を取り扱う業界において、障害者の就労や自立等をステップアップと称し、当該ステップアップを目標とする、サービスや施設が提供されている実情が認められ、また、当該施設や事業の名称にステップアップの語が使用されている実情も広く見受けられる。そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は指定役務に係る需要者がステップアップするための役務であることを表示したものと理解し、把握するにとどまり、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号の該当性について
本願商標は、「ステップアップ」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「進歩すること。向上すること。」(「大辞泉第二版」株式会社小学館)の意味を有する語として、一般に知られ親しまれている語である。
また、原審で示された事実を含む後掲1の事実によれば、本願指定役務を取り扱う業界において、障害者の就労や自立等を達成させることを「ステップアップ」と称し、当該「ステップアップ」(障害者の就労や自立等)のための役務や施設が提供されている実情が認められる。
さらに、原審で示された後掲2の事実によれば、同業界では、「ステップアップセンター」、「ステップアップ事業」等、上記の施設や障害者の就労や自立等に係る事業の名称に「ステップアップ」の語が使用されている実情も認められる。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用したときには、これに接する需要者は、「知的障害児又は精神障害児のステップアップのための養護、知的障害児又は精神障害児のステップアップのための介護支援」等、指定役務に係る需要者がステップアップ(就労や自立等を達成)するための役務であること、すなわち、指定役務の特性や特徴を簡潔に表したものと理解し、把握するにとどまり、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標における「ステップアップ」は、「障害者の就労や自立等をステップアップ」ではなく、施設毎にテーマを設け、利用者の改善に伴って施設間を移行することを称しているのであり、原審における定義とその意味が異なる。また請求人は、第三者機関から高い評価を得ていることやWebメディアで紹介されていることから、本願商標に接する需要者が「ステップアップ」の意味を、請求人の使用意図のように解している旨主張する。
しかしながら、請求人が施設毎にテーマを設け、利用者の改善に伴って施設間を移行することを「ステップアップ」と称しているとしても、請求人の提供する役務は、上記1の認定と同様の、指定役務に係る需要者の就労や自立等を達成すること(ステップアップ)を目的とする役務であるから、請求人の使用に係る「ステップアップ」の文字も、指定役務の特性や特徴を簡潔に表したものと理解され、把握されるにとどまると判断するのが相当である。
(2)請求人は、本願商標が使用される役務との関連で、商標の識別性を判断するに足りる、特定の需要者層及び特定地域の需要者層の間で周知となっているから、本願商標は、出願人が独自に提供するプログラムとして、指定役務の需要者、取引者の間で、自他役務を識別する機能を発揮し、出願人の業務に係る役務であることを認識させるものである旨主張する。
しかしながら、出願人が挙げた数件のウェブサイトは、その閲覧数、閲覧の頻度等も明確でなく、その他、請求人による広告宣伝の実績等も明らかではない。
そうすると、本願商標は、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるに至っているものとはいえない。
(3)したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-002746